【建設工事の原価管理】建設費用積算、わかりやすく解説!

当ページのリンクには広告が含まれています。
explanation-of-construction-cost-estimation
現場監督

建設現場で原価管理をやっていると、お金の心配ばかりで悩みが増えるばかりだよ…。難しい単語ばかりでよくわからないし。

こんなお悩みに答えます。

お金の話って、難しいですよね。

特に、あなたが建設業界に関わっているなら、その複雑さは何倍にもなるでしょう。

しかし、知識は力。

そして、その力を手に入れるための第一歩は、理解から始まります。

この記事では、建設業界の財務面の一部を簡単に理解するための情報を提供します。

“積算”とは何か、そしてなぜそれが重要なのか。

それは建築プロジェクトの費用を計算する方法で、その工事の全体的な価値を理解するための鍵となります。

積算は、プロジェクトがどれだけの人員や資材、時間を必要とするかを見積もる手法であり、それが工事の費用を大きく左右します。

そして、工事現場が複数に分かれている場合、または一日未満で終わるような小さな作業が存在する場合、その計算はさらに複雑になります。

しかし、心配はいりません。

この記事では、それらの複雑な計算を分かりやすく解説します。

そして、「総価契約単価合意方式」という難しそうな言葉も、この記事で理解できるようになりますよ。

この記事を読めば、工事の見積もりを理解することで、どのように資源を最適に活用できるか、また、どのようにコストを抑えることができるかについての知識が手に入ります。

ぜひ本記事を参考にしてくださいね!

この記事を書いた人
ranmeishi-kun-6

当サイト『ゲンプラ』の運営者:ランメイシ

現場監督と家庭(プライベート)の両立を応援するために、土木工事の施工管理をやっている現役の現場監督(歴16年)が当サイトを運営しています。施工管理業務の悩みに全力でサポートします!ご安全に!

保有資格:1級土木施工管理技士、河川点検士

主な工事経験:河川の築堤・護岸工事、道路工事、橋梁下部工事

プロフィール詳細/Twitter/お悩み相談所/最悪な現場監督生活からの転機

この記事を書いた人
ranmeishi-kun-6

当サイト『ゲンプラ』の運営者:ランメイシ

現場監督と家庭(プライベート)の両立を応援するために、土木工事の施工管理をやっている現役の現場監督(歴16年)が当サイトを運営しています。施工管理業務の悩みに全力でサポートします!ご安全に!

保有資格:1級土木施工管理技士、河川点検士

主な工事経験:河川の築堤・護岸工事、道路工事、橋梁下部工事

プロフィール詳細/Twitter/お悩み相談所/最悪な現場監督生活からの転機

目次

工事費を計算するルール「工事価格積算」


「積算基準」というのは、物事の価格を決める際のルールのようなものです。

例えば、建物を建てるときの工事費用などを計算するための基準が書かれてますが、これには場所や状況による調整や、別に計算しなければならない項目も書かれています。

そして、「スライド条項」という項目があります。

これは、お小遣いと考えてみてください。

お小遣いの金額は決まっているけど、お菓子の値段が上がったら、そのままではお菓子を買うお金が足りなくなりますよね。

そんな時にお小遣いを増やしてもらうようにお願いすることができる、それが「スライド条項」です。

このスライド条項には、「全体スライド」、「単品スライド」、「インフレスライド」の3つの種類があります。

「全体スライド」は全体のお小遣いを増やす、「単品スライド」は特定のお菓子の分だけお小遣いを増やす、「インフレスライド」は全体的な物価の上昇に対応してお小遣いを増やす、といったイメージです。

でも注意しなければならないのは、お小遣いを増やしてもらいたい時は、自分からお願いしないといけないということ。

自分がお願いしなければ、お小遣いは増えません。

そして、逆にお菓子の値段が下がった時は、親が「お菓子の値段が下がったからお小遣いを減らすね」と言うかもしれません。

これもスライド条項の一部で、お小遣いが減る場合もあります。

全体スライド

「全体スライド」というのは、物の価格がゆっくりと変わるときに使うルールです。

これは、一年以上、例えば何年も続く工事で使われることが多いんです。

例えば、ある大きな建物を建てる工事が始まったとします。

この工事は複数年かかる予定。

そして1年が過ぎたときに、物の価格が上がったとします。

このとき、「全体スライド」のルールにより、僕たちは工事の費用を増やすことができます。

ただし、その増やすことができる費用は、物の価格が上がる前と比べて1.5%以上変動した部分だけ。

逆に、物の価格が下がったときも考えてみましょう。

そのときも、「全体スライド」のルールを使って、工事の費用を減らすことができます。

ただし、こちらも1.5%以上変動した部分だけが対象。

そして、物の価格が下がると予想される場合、その新しい価格を元に計算した工事費用が3%以上変化するときにのみ、このルールを使うことができます。

詳しいルールは「積算基準」という文書に書かれています。

単品スライド

「単品スライド」というルールは、特定の物の価格が急に変わったときに使うものです。

これは、工事がどれだけ長く続くかに関係なく、全ての工事に適用されるルールなんです。

たとえば、鉄やガソリンといった、工事でよく使う物資の価格が突然高くなったり、逆に安くなったりしたときに、この「単品スライド」のルールを使うことができる。

ただし、このルールを使えるのは、その物資の価格が工事の総費用に対して1%以上変動したときだけなんです。

そして、一部の工事が終わって引き渡された部分については、その部分の費用を全体の工事費用からはずして計算します。

つまり、もう終わった部分については、「単品スライド」のルールを使う対象から外れるというわけです。

インフレスライド

「インフレスライド」は、物価が急激に変動するとき、つまり、物価が急に高くなったり(これを「インフレーション」といいます)または物価が急に安くなったり(これを「デフレーション」といいます)したときに、工事費用を適切に調整するためのルールです。

このルールは、工事が長い期間続くものでも短いものでも適用できる。

ただし、残りの工事期間が2ヶ月以上ある場合に限り使うことができます。

このことは、特に注意です。

そして、「インフレスライド」を使って工事費用を調整するとき、どのくらいの金額を変更できるかは、特定の計算方法に基づいて決まります。

その方法は、まず全体の工事費用から、すでに完成した部分の工事費用を引く。

そして、その残りの金額が1%以上変動したときに、このルールを使って工事費用を調整することができます。

特許使用料

「特許使用料」とは、他人が発明した特許(新しくて便利な方法や工具など)を使うために支払う料金のことです。

この特許使用料は、工事を行うために直接必要な費用、つまり「直接経費」の一部として計算されます。

「直接経費」は、工事を進めるために使う機械の費用、水や電気などの光熱費、そして今話した特許使用料の3つから成り立っている。

ただし、工事で使う装置などが特許を使って作られている場合、その装置の価格に特許使用料がすでに含まれていることがあるんです。

だから、特許使用料を計算するときには、その点を忘れずに確認しましょう。

ちなみに、「特許権」、「実用新案権」、「意匠権」は、人々が新しく便利な方法や工具、デザインなどを考え出したときに、それを独占的に使える権利のことを指します。

時間的制約を受ける公共土木工事について

「時間的制約」とは、工事の作業時間に制限があることを指します。

これは、「積算基準」というルールで定められていて、時間的制約がある場合は、労働者の給料(労務単価という)に補正割増係数(つまり、プラスにする係数)を乗じることになります。

例えば、1日の作業時間が7時間を超えて7.5時間以下の場合、つまり8時間フルで作業ができない場合には、補正割増係数は1.06となる。

これは、朝の通勤ラッシュや学校の登校時間など、交通が混雑して工事ができない時間帯がある場合などを指します。

たとえば、通常8時から始める工事が交通の影響で9時からしか始められない場合、作業時間が1時間減るわけだから、その分、労務費(つまり労働者への給料)を上げることができる。

ただし、そのためには、地元の人々や自治体との合意など、書面による証拠が必要です。

また、作業時間が4時間以上7時間以下の場合、補正割増係数は1.14となります。

もしこの時間帯でしか働けない場合、一見、50%も給料が上がると思うかもしれないけれど、実際には14%しか上がりません。

さらに、作業時間が1日4時間以下の場合には、具体的な施工条件を考慮して適切に給料を計算することになります。

また、夜間の作業についても追加の給料(割増)があり、詳しく知りたい場合は「積算基準」を確認してくださいね。

現場環境改善費について

「現場環境改善費」っていうのは、工事現場をきれいにしたり、働きやすい環境を作ったりするためのお金のことを指します。

「積算基準」っていうルールによれば、このお金は主に仮設設備、修理、安全対策、そして地域との連携に使われます。

使い道の例としては、近くの人々への配慮や、一般の人々に建設事業を広報する活動、現場の労働者の作業環境をよくするためのもの。

基本的には、屋外での工事すべてに適用します。

ただし、維持工事などで実施が難しいものや、効果が期待できないものは対象外にすることも。

たとえば、大都市や市街地以外で、直接の工事費が5億円以上の場合、現場環境改善費の率が0.71%とされます。

だから、その工事の費用から0.71%を取って、現場環境改善のために使うことができます。

でも、たとえ5億円の工事でも、現場環境改善費は、約355万円しかないということです。

これをどう使うかは、現場ごとに考えることになりますね。

それに、この現場環境改善費を使って改善したところは、写真を撮って記録しておく必要があります。

しかし、この現場環境改善費を使って設計を変えることはできません。

ただし、工事費が変わった場合は、現場環境改善費の率も変わることがあります。

工期の延長等に伴う増加費用

工事の工期延長や一時中止とは、工事が計画通りに進まず、もっと時間が必要になったり、一時的に止めなければならない状況を指します。

これに伴って、追加の費用が発生することがあるんです。

たとえば、河川工事をしていて、その工事が2億円(実際に働くための費用が142,625,988円)かかると考えてみましょう。

そして、何らかの理由で、この工事を3ヶ月間止めなければならなくなったとする。

その場合、工事を止めている間にも、現場を維持するための費用はかかりますよね。

その計算式によると、工事価格2億円の工事では、その費用は約570万円となります。

しかし、実際にはもっと高い額になります。

現場には働く人がいて、その人たちの給料や社会保険料も必要だからです。

3ヶ月間で3人の従業員がいて、その平均的な年収が700万円だとすると、その3ヶ月間の給料だけで525万円かかることに。

さらに、事務所の維持費などを考えると、少なくとも月100万円はかかる。

だから、3ヶ月間で考えると合計で825万円の出費があると考えられます。

つまり、計算式で出した570万円と比べると、現実の費用はずっと高くなるんです。

さらに、工事を一時中止すると、工事を受注した会社にとってもデメリットがあります。

監理技術者というのは、工事の進行を監督する専門家で、その人たちは工事が止まっている間に他の仕事をすることができません。

それによって会社の年間の仕事計画が狂ってしまうことも。

そのため、工事を発注する側には、一時中止によるこれらのデメリットを理解してもらいたいという声があります。

でも、これについては政府が法律を整備することでしか解決できない問題なんです。

なお、工事を止めている間の現場維持費は、工事全体の費用の一部として計上されます。

このような問題について具体的な解決策がないとき、受注者(つまり、工事を引き受ける側の会社)は、発注者(工事を頼む側)との意見交換会などでこの問題を話し合うことがあります。

でも、実際のところ、発注者も何も手立てがないため、ただ愚痴を言っているだけに感じることもあるんですよね…。

でも、そのような状況でも、役人が政治家になって法律を改めてくれることを期待して…。

それによって、工事が一時停止したときの現場維持費などが適切に計算され、受注者が不利益を被ることが少なくなるかもしれません。

だから、工事の工期延長や一時中止はとても重要な問題なんです。

それによって、さまざまな追加費用が発生し、それが工事の全体的なコストに大きな影響を与えるからです。

というわけで、工事が計画通りに進まなかった場合に発生する問題とその影響について解説しました。

施工箇所が点在する工事


施工箇所が複数に分かれているような工事について。

これは、一つの工事でも仕事をする場所が何カ所もあるという状況のことを指しています。

それぞれの場所は1km以上離れていることもありますね。

例えば、2億円の工事があったとする。

これをまとめてやる場合、最低でも3人の作業員が必要。

でも、この工事が3つの場所に分かれている場合、各場所に最低でも1人の作業員を配置しなければならないから、実は4人の作業員が必要ですね。

つまり、本来なら3人で良かったところが、場所が分かれているために1人余分に人件費が要ることに。

それだけでなく、場所が分かれていると移動にも時間がかかるし、管理も大変です。

発注者(工事を頼む側)はできるだけ一つの場所で工事を進めたいところだけど、それが難しい場合もあるんですよね。

工事をする箇所が複数になると、工事全体の価格はあまり変わらないけど、実際の費用は増えてしまうから利益が上がりにくいです。

それは、例えば平均年収700万円の作業員を1人余分に配置するだけでも、その分の給与が必要になってしまうからです。

それぞれの施工箇所ごとの間接工事費(直接的な工事費用以外で発生する費用)は、以下のように計算されます。

  1. 施工箇所A1での間接工事費は、A1での直接工事費×共通仮設費率(建設現場で必要となる仮設設備の費用を示す割合)と、A1の純工事費(材料費や労働費など、工事そのものにかかる費用)×現場管理費率(現場の管理にかかる費用を示す割合)で計算される。
  2. 同じように、施工箇所A2、A3でも間接工事費を計算します。

こうして、場所ごとの工事費を詳しく計算することで、全体のコストを管理できます。

しかしこれには注意が必要で、場所が分散している工事は、全体として見た時の利益が下がってしまうことがあります。

なぜなら、各施工箇所には最低でも1名の作業員を配置しなければならず、それが人件費として増えるから。

たとえば、1年間の工事で1人の作業員の平均年収が700万円だとすると、それが現場管理費として増えてしまうんです。

発注者、つまり工事を頼む側としては、各施工箇所ごとに別々に発注したくても、それぞれの場所を管理するためにはより多くの作業員を配置しなければいけません。

また、1件の工事価格が1億円を下回ると、仕事の進行に支障が出ることもあるため、できるだけまとめて2億円程度の工事価格にして発注をすることが多いです。

このような現実を知っておくことは、工事の進行や費用計算を理解する上でとても重要ですね。

1日未満で完了する作業の積算


次は、「1日未満で終わる仕事の計算方法」について解説します。

まず大前提として、工事や修理などの仕事は、大抵は1日以上かかるものが多いです。

でも、たまにすぐに終わるような短い仕事もありますよね。

そのような「1日未満で終わる仕事」の計算方法については、特別な基準があります。

ただ、注意点が一つ。

この特別な基準は、仕事の途中で何か変わったことが起きたとき、つまり「変更積算」にだけ使われます。

例えば、作業が進んでいく中で予想外のことが起こったり、計画が変わったりした時に使います。

そして、この特別な基準を使うかどうかは、仕事を頼んだ人と仕事をする人が一緒に話し合って決めることが多い。

だから、この基準を使うかどうかは、仕事をする側から申し出ることが大切なんです。

ただし、この特別な基準は使えない場合もあります。

一つは、1つの作業が1日未満で終わるけれど、その作業員が他の作業も合わせて1日仕事をする場合。

このような場合は、この特別な基準は適用されません。

このように、工事の仕事では、1日未満で終わる仕事の計算方法についてもちゃんとルールがあります。

でも、これはあくまで参考の一つで、実際の仕事の進行や計算方法は、その都度、受注者と発注者とで協議して決めることが大事です。

総価契約単価合意方式

「総価契約単価合意方式」について解説します。

これは工事の契約方法の一つです。

まず、「総価契約」というのは、全体の工事にかかる費用を最初に決めてしまう契約方法です。

これに対して、「単価合意方式」っていうのは、各部分の工事にかかる費用(単価)をあらかじめ話し合って決めておく方法。

この二つを組み合わせたのが「総価契約単価合意方式」です。

この方法を使うと、後から工事の計画が変わったり、途中で支払いをすることが決まったりしたときも、すぐに新しい費用を計算することができ、それがこの方式の大きな利点です。

さらに、この方式には二つの種類があります。

一つ目は、「単価個別合意方式」。

これは、全体の工事をいくつかのパートに分けて、それぞれのパートの費用を計算して、それについて話し合う方法です。

二つ目は、「包括的個別合意方式」。

これは、全体の工事をいくつかのパートに分けるところまでは同じだけど、それぞれのパートの費用を、最初に決めた全体の費用に合わせて調整する方法です。

まとめ:建設現場の見えないルール、積算について学ぼう!

本記事では、建設工事の費用をどのように計算するか、その一部を解説しました。

専門的なことになりますが、一緒に楽しく学んでいきましょう。

まず、「積算」です。

これは建設工事の全体の費用を、各部分ごとに分けて計算する方法のこと。

建設工事とは、家やビル、道路などを作るための仕事のことを指します。

積算には、「共通仮設費」と「現場管理費」があります。

これらはそれぞれ、一時的な施設を作る費用と、工事現場の運営を管理する費用のことを指します。

施工箇所が広範囲に分かれている場合、これらの費用は複数の場所にかかるため、正確な計算が必要になります。

また、「総価契約単価合意方式」についても紹介します。

これは工事全体の費用を最初に決め、その後に部分ごとの費用を話し合って決める方法です。

後から計画が変わっても、すぐに新しい費用を計算できる利点があります。

これらの仕組みは複雑に思えますが、社会の役に立つための大事な知識です。

一度読んだだけで全部を理解するのは難しいかもしれませんが、何度も読み返すことで理解が深まるはずです。だからこそ、一緒に学んでいきましょう。

知識は力ですから!

以上、建設工事の積算についての解説でした。

建設工事の積算に関するQ&A

最後に、建設工事の積算に関するQ&Aを紹介します。

積算とは?

積算とは?

積算とは、建設工事の全体の費用を計算する方法の一つで、各部分ごとに費用を分けて計算します。

この方法により、建物全体の価格を明確にし、必要な工事の費用を詳細に理解することができます。

共通仮設費や現場管理費とは?

「共通仮設費」や「現場管理費」とは?

「共通仮設費」とは、工事現場で必要な一時的な施設の設置や撤去などの費用を指します。

「現場管理費」は、工事現場の日常的な運営を担当するスタッフの給与などを含む費用です。

これらの費用は、直接的な工事費用とは別に、それぞれの施工箇所について計算され、合計されます。

総価契約単価合意方式とは?

総価契約単価合意方式とは?

「総価契約単価合意方式」は、工事全体の費用を最初に決め、その後に各部分ごとの費用を話し合って決める方法です。

これにより、後から計画が変わった場合でも、新しい費用を迅速に計算できるようになります。

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次