現場監督として人間関係の苦労を減らすためのコミュニケーション術

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現場監督は1つの工事の中だけでも、関わる人がとても多いですよね。

そんな状況で人間関係のトラブルを起こしてしまうと、現場内で連鎖的にトラブルが発生しやすくなります。

結果として、人間関係が原因のトラブルで『残業』や『休日出勤』となってしまうことも…。

本記事では、現場監督として良好な人間関係を築くためのポイントを解説します。

この記事を読んで分かること
  • 現場監督は『良好な人間関係の構築』がとても大切な理由
  • 仕事を引き受けたら、すぐに行動。レスポンスの早い人ほど好かれる人になる理由
  • 現場監督が『自主性』を高めるべき理由

この記事を書いた人
ranmeishi-kun-6

当サイト『ゲンプラ』の運営者:ランメイシ

現場監督と家庭(プライベート)の両立を応援するために、土木工事の施工管理をやっている現役の現場監督(歴16年)が当サイトを運営。施工管理業務の悩みに全力でサポートします!ご安全に!

保有資格:1級土木施工管理技士、河川点検士

主な工事経験:河川の築堤・護岸工事、道路工事、橋梁下部工事

プロフィール詳細/現場の事故がきっかけで最悪な状況になった時の体験談

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現場監督が素早く仕事をこなすには、知識が必要ですよね。
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目次

人間関係は名前を覚えることから

現場監督にとって『良好な人間関係の構築』は、最重要課題と言っても過言ではありません。

あなたの現場に係わる人の名前は『苗字』だけでも最低限、覚えましょう。

「監督さん!」

と呼ばれるより、

「○○(あなたの名前)さん!」

と呼ばれた方が嬉しいし、親近感が湧きませんか?

協力会社の職人さんや重機オペレーターの方なら、作業員名簿や現場入場時に緊急連絡先を確認した時に住所を確認して、

「○○市って、大きいホームセンターがあって良いですよね」

建設業で働く人が、ホームセンターに行かないなんてことは、まずないでしょうから話のネタになります。

発注者、協力会社、工事現場の近隣住民と、現場監督はとにかく人と接する機会が多いです。

どれか1つでも関係を悪くしてしまえば、仕事もスムーズに進まないし、逆に足を引っ張られる状況も。

人間関係の失敗例
  • 発注者との関係が悪化してしまった場合
    • 設計変更してもらえない(例えば、想定より工事用道路の状態が悪くて鉄板を敷くと、ポータブルコーン貫入試験結果を資料にして打合せしたのに、鉄板の運搬費やリース代を貰えなかった等)
    • 現場に来た時に粗探しをしていく
    • 執拗に書類にケチをつける
  • 協力会社との関係が悪化してしまった場合
    • 求める作業人員をよこしてくれない(5人来てほしいのに、3人しか来ない等)
    • 連絡をとらない
    • 言ったことを守ってくれない
  • 工事現場の近隣住民との関係が悪化してしまった場合
    • 少しの騒音や振動でクレームを言いに来る
    • クレームを発注者に言い、工事を中断させようとする
    • 工事の説明に訪問しても無視される

良好な人間関係を築いて、信頼される人になることができれば、他の人だったら『No』と言われる状況でも、あなただったら『OK』と言ってもらえる状況が作れます。

会話メインのコミュニケーションについて、より詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

https://ranmeishi.com/genba-kantoku-kaiwa/

レスポンスの早い現場監督になろう

相手から仕事を引き受けたら、5分限定ですぐにその仕事を行ってください。

その5分間でやるべきことは、以下の4つです。

仕事を引受けて5分間でやること
  1. 仕事の指示内容を整理する
  2. 作業計画を作る
  3. 作業をする時間(タイミング)を計画する
  4. 早めに取り掛かるべきことに着手する
    • 他に関係する人とのアポイントや調整など

5分間、すぐに取り掛かってみることで疑問点やわからないことが、たいてい出てくるので、その場合はすぐに仕事を依頼された人に確認します。

初歩的な確認事項なほど、その場ですぐに確認する方が、傷口を最小限に抑えることができます。

メールの『返信スピード』はあなたの『評価』に繋がる

仕事ができる人ほど、どんなに仕事が忙しくてもレスポンスが速いものです。

建設業と職種は異なりますが、世界有数の金融機関『ゴールドマン・サックス』

多忙を極め、複数の案件が錯綜し、海外出張や重要会議でスケジュールがぎっしり詰まったトップバンカーであるほど、レスポンスの速さは際立っています。

理由は3つあり、以下の通り。

できる人ほどレスポンスが速い理由
  1. 仕事を効率的にこなす能力が身に付いている
  2. レスポンスが速い人ほど一流のプロフェッショナルという共通認識がある
  3. レスポンスが速い人ほど周囲から信頼され、評価される

今では現場に出ていてもスマホで簡単にメール確認することができます。

メールのレスポンスにおいて、気を付けるべき3つのポイントを以下に紹介します。

  1. レスポンスのタイミングは、あなたの名刺と考える
    • 返信を待つ相手にとって、あなたからのレスポンスは、あなた自身がどんな人間なのかを物語る限られた情報の1つです
  2. 返信に時間がかかる場合はその旨、断りの短文メールを送る
    • 検査や打ち合わせがあって、返信する余裕がないから翌朝返信するというメールを送りましょう
    • 相手は自分のメールを大事に扱ってくれていると安心感を持ちます
  3. 考えの整理が必要な場合、敢えて一晩寝かしてから返信する
    • 特に感情的な内容の場合、急いで返信することも大事ですが、メールは送ってしまったら消すことができません
    • 後悔するような内容を送ってしまうリスクがある場合、敢えて時間をかけて、確認してから返信しましょう

『自主性』の高い現場監督になる

現場監督は立場上、1つの工事現場の組織の中のトップとなり、指揮をとっていくのですが、そこで大切なのが「自主性」です。

自主性を身に付け、高めていくことで、自分で施工管理の仕事ができるようになる近道となります。

社内で以下のようなこと、聞いたことがありませんか?

「最近の若い奴は、大して仕事ができない」

「ろくな部下がいない」

「自分で考えて行動できないのか」

上司から直接言われるか、たまたま話していたところを聞いてしまった。

いずれにせよ、こんなことを聞いてしまうと、かなり腹が立ちますよね。

仕事をする中で、「自主性」を意識して日頃の施工管理に取り組んでいれば、上司からムカつくことも言われなくなるし、むしろ良い評価をしてもらうことができます。

自主性を高める方法は1つ1つの仕事に「Why」と「What」を考える

上司から仕事を指示された際に、以下の点について考えてみましょう。

上司から仕事を指示された際に考えること
  • Why(なぜ) = 仕事の目的
  • What(何を) = 仕事の対象

まずは、上司から指示された仕事の目的と対象を考えてみましょう。

理解することができたら次は具体的に仕事に取り組むうえでの段取りや手段・方法を考えてみます。

ただし、上司から以下のような指示をされた場合は判断が難しいです。

今すぐ(When)

現場に行って(Where)

重機オペレーター(Who)

と打合せしてこい!(How)

上記は極端な悪い例ですが、ハッキリ言って上司からこんな指示をされたら、何を打合せするんだよ、と思いますよね。

そしてこんな命令口調の上司には、あなたの為にもならないので関わってはいけません!

上司から指示を聞いた際に、「Why=仕事の目的」と「What=仕事の対象」がわからなかった場合は、素直に上司に確認してみましょう。

例を以下に示しますので、参考にしてみてください。

盛土の法面整形の際、「出来形管理規格値の50%以内を確実に満足させる(Why)」ため、ICT建機と測量器械によるダブルチェック(What)」をしてほしい。

今回の工事は、「騒音・振動対策が必要(Why)」なので、重機作業時は現場で定めた「騒音・振動の抑制に関するルール(What)」を忘れずに施工管理に取り組んでほしい。

「Why」と「What」を理解できたら、行動する前に段取りや手段・方法を考える

「Why=仕事の目的」と「What=仕事の対象」が理解できたら、 次はその仕事に行動するうえでの段取り・手段・方法を考えてみます。

「Why=仕事の目的」と「What=仕事の対象」を理解してから考えること
  • When(いつ)
  • Where(どこで)
  • Who(誰が)
  • How(どのように)

既にお気付きと思いますが、自主性を高めるうえで大切なのが「5W1H」の法則です。

上司に関心を持ち、良いところはコピー(マネ)する

上司なんてムカつくだけで、関わりたくもない。

この記事を読んでくれている方は、ほとんどがそう思っていると思います。

でもここは一旦、我慢してください。

あなたが今後、現場監督として成功するために重要なことなので。

施工管理の仕事は業務が多く、忙しいものです。

当たり前のように残業や休日出勤なんて、やりたくないですよね。

どうすれば効率良く仕事ができるようになるのかというと、「上司のマネをする」が確実です。

現場監督が施工管理の仕事を効率よく覚え・成功するには、上司の仕事のやり方をコピー(マネ)するのが一番の近道

尊敬している・面倒見が良い上司の下で現場監督をやっているのであれば、安泰です。

上司の仕事ぶりを意識せずともマネするでしょうから。

そうでない場合はちょっと我慢が必要です。

嫌いな人に関心を向けるというのは、そう簡単なことではないですよね。

嫌かもしれませんが、あなた自身が後々になって苦労をしないためにも 、上司の仕事のやり方をコピー(マネ)することは大切です。

自分だけのこだわりは一見、個性的で良いことに感じますが、チーム性が重要視される建設現場ではむしろマイナスイメージになります。

上司への報告は「すぐにやる」を習慣に!失敗を怒られるかもという理由で報告をするか悩むことは時間の無駄!

現場の上司が怒ると恐い人の場合、報告することを躊躇し、できるだけ怒られない言い訳を長々と考えたりしていませんか?

そう考えるのは、ハッキリ言って時間の無駄です。

すぐにでも止めましょう。

そのかわり、今後は失敗したという報告と一緒に、同じ失敗を繰り返さないように次から何をするかを報告してください。

仕事で失敗した時の上司に報告する際のコツ
  1. 失敗したことは早く報告する
  2. 同じ失敗を繰り返さないために、次から何をするか報告する

失敗「ヒューマンエラー」は人間である以上、誰にでも起こります。

大事なのは、失敗を限りなく0(ゼロ)に近づけることです。

「まとも」な上司なら、あなたが失敗をしてしまっても対策を自分で考え、報告すれば納得してくれるものです。

ただし、失敗の報告をした瞬間、ここぞとばかりに怒鳴ったり、けなしたりするような上司には注意です。

社外の人とのコミュニケーションは4つのプロセスが存在する

現場監督は現場の協力会社の人以外に、社外の人と接する機会が多く存在します。

現場監督が社外の人と接する機会のある関係者
  • 公共事業の発注担当者
  • 民間工事の顧客
  • 設計者
  • 近隣住民

こうした社外の人と効果的にやり取りする能力である、対外コミュニケーション能力。

この能力は、現場監督でなくとも社会人であれば誰しもある程度は必要です。

対外コミュニケーションで大切なことは、上記の「現場監督が社外の人と接する機会のある関係者」を、いずれも「顧客」として考えることです。

そして、対外コミュニケーションで要する能力は、相手とのやり取りのプロセスに応じて4段階に分けられます。

プロセス1:接近

コミュニケーションの始まりとなるアプローチの段階。

相手に接近し、親密な関係を築くための第一歩となります。

そのためには、第一印象を良くすることが重要ポイントです。

あなた自身の話し方や行動を客観的に見て、相手に不快な印象を与える要因がないかチェックできるかがポイントです。

プロセス2:調査

相手の要望や欲求を正確に読み取り、把握するリサーチの段階。

相手の心中を感じ取る直感的な能力が、調査力を高めるうえで大切なポイントになります。

プロセス3:提案

相手の要望や欲求に応じた提案など、あなたの考えを相手に示す段階。

相手の心をつかむプレゼンテーションをするには、わかりやすく説明する能力が重要です。

例えば、伝えたい内容の順序を「起承転結」の流れでストーリー化して話せるかどうか。

さらに、雰囲気作りも含めて、あなたに魅力を感じてもらうための提案も欠かせません。

プロセス4:交渉

あなたと相手、両方の利益になる形で合意に導く段階。

ここでのポイントが交渉力であり、例として「相手の背中を押してあげて、決断を促す」といった手法も大切な交渉力の一つです。

コミュニケーションは才能だけで成り立つものではありません。

3つの「こまめ」でコミュニケーション力を鍛える

コミュニケーション力を鍛えるうえで、生まれ育った環境や性格が影響することは間違いありません。

しかし、性格やセンスがコミュニケーション力向上において決定的な障害にはなりません。

内気な性格だからとか、不器用だからとか…。

言い訳を考えていても、あなた自身のスキルアップを止めてしまっているだけです。

コミュニケーション力の向上につながるのは、以下の3つの「こまめ」です。

コミュニケーション力で大切な5つの「こまめ」
  • 「こまめ」に人と会う
  • 「こまめ」に連絡する
  • 「こまめ」にメモする

以下より、3つの「こまめ」について解説します。

「こまめ」に人と会う

コロナ禍の現状にはふさわしくないと思うかもしれませんが、WEB会議システムのようなツールより、対面で話すからこそ確実な意思疎通ができる場面も多く存在します。

言葉だけでなく、表情や音声、姿勢や振る舞いなどを含めて、互いにやり取りする情報はより濃くなります。

コミュニケーションの場面として、お互いに最も安心してやり取りできる機会でもあります。

問題点としては、相手が遠方に居て自分の行動圏内にいなかったり、近くにいても会うための時間を割く余裕が無いという点があります。

現場が稼働していれば、日々の忙しさから重要案件も無い相手に時間を割くのことは、なかなかできません。

でも忙しい時ほど、10分程度だけでも直接会おうとします。

「こまめ」に連絡する

2つ目の「こまめ」は、こまめに連絡することです。

電話・メールと手段は問わず、評判の良い現場監督ほど、発注者や協力会社などへの「こまめ」な連絡は欠かしません。

施工管理の仕事でよく起きるトラブルの1つで、情報共有(連絡)の不足による手戻りの発生、というのがあります。

電話連絡、メール連絡それぞれ、慣れていないと社会人としてどう話せばいいのかわからない、ということもありますよね。

以下の記事で、電話・メール連絡時のポイントを解説していますので、参考にしてみてください。

https://ranmeishi.com/genbakantoku-nanido-manar/
それぞれの手段で連絡する際に意識したいこと

【電話連絡】

  • 明るく、元気よく話す
  • 要点を先に話す
  • 対面で話す時より、少しゆっくりと話す

【メール連絡】

  • 要点は箇条書きで書く(長々と文章を書かない)
  • 適度な文章の長さで改行し、見やすくする
  • 送り先でCC(カーボンコピー)、BCC(ブラインドカーボンコピー)を使う
  • 容量の大きいデータを送る時は、事前に送付先に確認する

「こまめ」にメモする

上司や先輩から、「言われたことはしっかりメモしてね」と言われた経験があると思います。

ただメモをとるといっても、言われたことを一語一句全てメモするのでは大変だし、後で見返しても要点がつかみにくいです。

メモは行動につながるキーワードのみで十分です。

シンプルに「いつ・何時に・何をやるのか」をメモすると、その時に何が要るのかがわかりますね。

メモをとる内容
  • 日付
  • 時間
  • 行動(やること)
  • 要るもの

【メモの例】

11月25日 9:00~ 生コンの打設管理・施工状況写真(←打設管理表・カメラ)

11月26日 11:00~ 災害防止協議会(←事前に事務所の掃除・カメラ)

11月26日 16:00~ ○○建設の0.7m3級バックホウ1台現場搬入(←関係書類・カメラ)

まとめ

本記事では、現場監督として良好な人間関係を築くためのポイントについて解説しました。

『良好な人間関係の構築』には、以下の5つがポイントとなります。

現場監督にとって重要課題『良好な人間関係の構築』に大切なこと
  1. あなたの現場に係わる人の名前は必ず覚える
  2. 仕事を受けたらすぐ行動、レスポンスは早く
  3. 施工管理の仕事を自分で、『自主性』の高い現場監督になる
  4. 社外の人とのコミュニケーションで大切なことは「現場監督が社外の人と接する機会のある関係者」を、いずれも「顧客」として考えること
  5. 3つの『こまめ』でコミュニケーション力を伸ばす
    • こまめに人と会う
    • こまめに連絡する
    • こまめにメモする

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