『官庁工事』と『民間工事』の違いを土木施工管理15年のプロが解説
建設業の土木工事は、『官庁工事』と『民間工事』の2種類に分かれます。
本記事では、それぞれの違いや特徴について詳しく解説します。
- 土木工事のうち『官庁工事』と『民間工事』の違い
- 『官庁工事』と『民間工事』お金の出どころ(財源)
- 土木工事の『設計者』について
当サイト『ゲンプラ』の運営者:ランメイシ
現場監督と家庭(プライベート)の両立を応援するために、土木工事の施工管理をやっている現役の現場監督(歴16年)が当サイトを運営。施工管理業務の悩みに全力でサポートします!ご安全に!
保有資格:1級土木施工管理技士、河川点検士
主な工事経験:河川の築堤・護岸工事、道路工事、橋梁下部工事
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『官庁工事』と『民間工事』の違い
『官庁工事』と『民間工事』、簡単に違いを説明すると、以下の通りです。
- 官庁工事は国民の税金を使う工事
- 民間工事は企業や個人が費用を出して行う工事
『官庁工事』のお金の出どころ(財源)は『税金』
官庁工事は国民の税金を使って行う工事です。
国民が安全で安心して生活できる国にするために必要な建設物を造ります。
官庁の土木工事は、大きく以下の6つに分類されています。
- 道路工事
- 河川工事
- 港湾工事
- 空港工事
- 鉄道工事
- 上下水道工事
上記6つの工事については、以下の記事で詳しく解説しています。
『民間工事』のお金の出どころ(財源)は『企業や個人の資金』
民間工事は企業や個人の資金から行う工事で、以下のような工事です。
- 住宅地や工場建設のための造成工事
- 商業施設の駐車場工事
- 電力会社の発電所建設工事
- JRや私鉄など鉄道会社がレールを造る軌道工事
- ガス会社がガス管を配備する工事
- 高速道路会社が高速道路を建設・維持管理する工事
『税金』が財源の『官庁工事』は適切にお金が使われているか厳しい『検査』が行われる
官庁工事は『税金』を使って建設工事を行うため、当然工事が適正に行われているか、厳格な検査が工事の段階ごとに行われます。
僕は土木の現場監督として、16年以上施工管理をしているけど、『検査』と名のつくものは今でも緊張するね。
また、官庁工事(公共工事)は工事が設計書通りかつ、定められた仕様に基づいて施工されているかの検査も行われます。
官庁工事の施工管理については、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
土木工事の設計は『建設コンサルタント』が行っている
土木工事を行うために必要な『設計図書』。
設計図書が何かというと、設計者の意図を施工者のあなたに伝えるための設計図や仕様書のことです。
『設計図』は、工事範囲の構造や形状などが描かれており、平面図や縦断図、横断図などの種類があります。
『仕様書』は、工事の具体的な内容や方法が記載されたもので、図面だけでは表せないものも含まれています。
- 設計図面:平面図・縦横断図といった、建設物を造るための図面
- 数量総括表:工事のうち、工種ごと施工数量を表したもの
- 特記(特別)仕様書:共通仕様書から補足として工事に固有の技術的要求を定める書類
土木工事の設計は『公共施設』の設計
土木工事の設計は、『公共施設』の調査・計画・設計などの業務を行うことです。
建設コンサルタントは、事業者である国、都道府県、市町村のほか、電力会社、鉄道会社、高速道路会社が事業を支援し、パートナーとして公共施設の設計を行います。
道路を計画する時、まずは道路を設置する位置を決定します。
次に道路の車線数を決め、トンネルで通すか橋を架けるか、どのような強度の構造物を造るのかを設計します。
建設コンサルタントの種類
建設コンサルタントは、大きく以下の3つに分かれます。
- 設計技術者
- 補償技術者
- 測量士
設計技術者が扱う『概略設計』では、道路を設計する際に道路のルート、カーブ、材料などを決定していきます。
その後、より詳細な設計を行っていくのですが、ここ最近は『概略設計』のまま発注され、受注後に施工数量が大きく変わるような『詳細設計』があがってくることがあります。
現場施工を始める2週間前に当初発注図と大幅に変わって詳細設計のデータが来たっていう経験があるよ…。
ちなみに、日本の建設コンサルタント企業TOP5は以下の通りです。
- 日本工営株式会社
- パシフィックコンサルタンツ株式会社
- 株式会社建設技術研究所
- 株式会社オリエンタルコンサルタンツ
- JR東日本コンサルタンツ株式会社
発注者・設計者・施工者の3者で詳細設計の打合せを行う機会も設けられている
国土交通省の工事では、今までは施工者のあなたと発注者と設計図書に関して打合せを行う、というやりとりを行っていました。
今は設計者である建設コンサルタント会社も加わり、3者での打ち合わせを実施しています。
現場としては『こうしたい』といった要望や意見をその場で設計者(建設コンサルタント会社)に聞き入れてもらえるので、良い試みだと感じました。
まとめ
本記事では建設業の土木工事における、『官庁工事」と『民間工事』それぞれの違いや特徴について解説しました。
『官庁工事』と『民間工事』の違いは以下の通りです。
- 官庁工事は国民の税金を使う工事
- 民間工事は企業や個人が費用を出して行う工事
税金を使って行う『官庁工事』は、国民が安全で安心して生活できる国にするために必要な建設物を造り、官庁の土木工事は、大きく以下の6つに分類されています。
- 道路工事
- 河川工事
- 港湾工事
- 空港工事
- 鉄道工事
- 上下水道工事
上記6つの工事については、以下の記事で詳しく解説しています。
『企業や個人の資金』から行う『民間工事』は以下のような工事です。
- 住宅地や工場建設のための造成工事
- 商業施設の駐車場工事
- 電力会社の発電所建設工事
- JRや私鉄など鉄道会社がレールを造る軌道工事
- ガス会社がガス管を配備する工事
- 高速道路会社が高速道路を建設・維持管理する工事
土木工事の設計は『建設コンサルタント会社』が行っており、大きく以下の3つに分けられます。
- 設計技術者
- 補償技術者
- 測量士
コロナ禍によって対面での打ち合わせが減る一方、『Microsoft Teams』や『ZOOM』といった『WEB会議システム』によって遠方からでも会議の参加が容易になりました。
休日の確保や残業の抑制を求められる今、効率よく・生産性向上につながる働き方を追求する必要があるようです。
あなたが最悪な出来事を経験せずに済むために、僕が現場監督として体験した最悪な経験も、ぜひ参考にしてくださいね。
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