工事現場の課題解決!設計変更の対象と積算基準を理解して利益を確保!

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現場監督

公共工事の原価管理なんだけど、設計変更の対象に「なる」、「ならない」の違いがよくわからないんだ…。

こんなお悩みに答えます。

工事現場で思い通りに事が進むことなんて、まれですよね。

予想外の問題、地元の人々や警察との協議、突如変わる工事条件。

これらは私たち工事業者にとって日常の風景。

だからこそ、どうやってこれらの問題を解決し、円滑に工事を進めるかが業者の腕の見せどころです。

そして、重要なのは「設計変更」。

これが現場を切り抜けるための鍵となります。

しかし、誰がその責任を負うのか、どう進行させるべきなのか。

そして、なぜそれが利益を生むのか。

この「なぜ」を理解することは、工事を成功させ、利益を出すための必須条件です。

そして、その答えは「積算基準」にあります。

国土交通省が定めたこのルールは、工事業者と発注者が同じ言語でコミュニケーションを取るための基準です。

それを理解し、設計変更を上手に進めることで、業者はより多くの利益を得ることができます。

この記事では、そんな「積算基準」の理解と「設計変更」の進め方について解説します。

その結果、あなたは現場で起こる問題に対して冷静に対処できるようになり、より大きな利益を得ることができるでしょう。

読み進めていく中で、今まで見過ごしていた新たな視点や解決策を見つけることができるかもしれません。

この記事を書いた人
ranmeishi-kun-6

当サイト『ゲンプラ』の運営者:ランメイシ

現場監督と家庭(プライベート)の両立を応援するために、土木工事の施工管理をやっている現役の現場監督(歴16年)が当サイトを運営。施工管理業務の悩みに全力でサポートします!ご安全に!

保有資格:1級土木施工管理技士、河川点検士

主な工事経験:河川の築堤・護岸工事、道路工事、橋梁下部工事

プロフィール詳細/現場の事故がきっかけで最悪な状況になった時の体験談

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プロフィール詳細/現場の事故がきっかけで最悪な状況になった時の体験談

目次

現場の責任者にこそ積算スキルが必要

工事を行うとき、元々の計画通りに物事が進むことはほとんどありません。

その理由としては、工事が始まると現場の状況や地盤の調査結果などから、新たな問題が出てきたり、地元の人たちや警察との話し合いが必要になったりします。

これらの調整を発注者、つまり工事を依頼した側が全部終えてから工事を始めるのが理想的なんですが、実際にはそうはいきません。

それは発注者側が人手不足で、また調査や設計には限界があるからです。

したがって、工事を受注した側、つまり工事を行う側が、工事開始後にこれらの調整を行いながら作業を進めます。

でも、こうした問題が出てきたとき、それを解決するのは誰の責任なのでしょうか。

実は、それは工事を受注した側の責任ではないんです。

契約によれば、工事の条件が変わった場合は、設計変更となります。

そして、その設計変更を進めるためには、工事を受注した側がしっかりと対応し、技術力を持って問題に立ち向かう必要があります。

このとき、受注者側の技術者は、いろいろな知識を持っていて、様々な資格を持つことが大切です。

また、設計変更をするためには、発注者側との良い関係を築き、互いに理解し合える関係を作ることが必要です。

そうすることで、「これは設計変更してほしい」という要求が通りやすくなります。

でも、そのためには発注者側の事情を理解することが大切です。

発注者は、国土交通省が定めた「積算基準」というものに従って、費用を計算しています。

だから、その「積算基準」を理解しないと、発注者が納得して設計変更を行うことは難しいんです。

ですから、利益を多く得るためには、「積算基準」をよく理解して、設計変更を進めることが重要なんです。

つまり、「できる所長」はこの「積算基準」をしっかりと理解して、設計変更の適切な進行を心がける必要があるんです。

工事が始まる前に色々な調整をすることは大事ですが、現実的には難しい場合もあります。

そんなときに問題が起きたら、工事を受けた側の責任ではないんです。

それは契約によると、工事の条件が変わったら設計を変えるべきだからです。

それを進めるためには、工事を受けた側がしっかりと対応することが大切です。

技術者としての力を高めるために、色々な知識を学び、たくさんの資格を取ることが大切です。

そして、発注者と良い関係を作り、一緒に問題を解決できるようにすることも重要です。

そうすることで、「これは設計を変えてほしい」と頼むときに、スムーズに進めることができます。

でも、そのためには発注者の立場やルールを理解することが大切です。

例えば、国土交通省が定めた「積算基準」というルールを理解することは必須です。

このルールをしっかりと理解しておけば、発注者に対して説明がしやすくなり、設計変更も進めやすくなります。

つまり、「できる所長」はこの「積算基準」を頭に入れておき、工事がうまく進むように努力する必要があるんです。

だから、「積算基準」を理解して、設計変更が上手に進められるようにしましょう。

発注者の言う「率に入っている」 とは?

いきなり思いがけない作業が出てきて、それについて設計を変えることを提案するとき、仕事を頼んだ人から「それはもう計算に入れている(間接工事費として割合で計算している)から、設計を変えられない」と言われたら、経験が少ない所長はどうするでしょう。

「それなら仕方ないか」とあきらめてしまうでしょうか。

それとも、「設計が変えられないと、儲けが出ないんです」と上司に報告に行くでしょうか。

「もう計算に入れている」というちょっと厳しい言葉を使われたら、仕事を頼んだ人は「設計変更をあきらめてくれるだろう」と考えているかもしれません。でも、「できる所長」はどう対応するでしょうか。

「じゃあ、間接工事費についてちゃんと学んでみよう」と考える。

これが大正解なんです。

設計変更をうまく進めて、現場の儲けを増やそうと考える「できる所長」は、「積算基準」に書かれた間接工事費について学ぶべきだと気づくのです。

そして、「仕事を頼んだ人が言っていた割合って一体何だろう」と考えます。

そこで、まずは国土交通省の「積算基準」に書かれている間接工事費の割合と、それ以外の項目について積み上げて計算する方法について、基本的な考え方を説明します。

法律に規定された項目

「労働安全衛生法」や「大気汚染防止法」、「騒音規制法」などの法律で決められている項目については、工事の費用に割合や積み上げという形で計算して含めることになっています。

これは、工事を進める上でのルールを守り、安全に工事を進めたり、環境を守ったり、周囲の騒音を適切に管理したりするための費用なんです。

これらの法律の項目を理解し、それらを工事費に含めることで、正しい工事費の計算と、法律を守った適切な工事の進行が可能になります。

共通仕様書に規定された項目

品質を管理したり、安全を守ったり、仕事の進み具合を管理したり、工程を整理したりするために必要な項目(これを「必須項目」と呼びます)は、多くの場合、共通の仮設費として、技術管理費や安全費に含まれます。

これらの費用は割合で計算されることが多いです。

この情報を理解しておけば、工事の全体的な費用やその詳細な内訳をより正確に理解できるようになります。

そして、それに基づいて、工事の進行や設計の変更などを適切に管理することができます。

特記仕様書に記載された項目

始めに契約で決まった設計図書の一部に「特記仕様書」というものがあって、これはその工事だけに特有の項目を書いたものです。

これは基本的に発注者、つまり仕事を頼む側が指定します。

そして、設計を途中で変えることになった時に出てきた新しい項目は、契約を変える時に作られる新しい「特記仕様書」に書き加えられます。

これらのことを踏まえて、設計の変更や契約の変更について考えてみましょう。

積算基準における率計上と積上げ計上の区分

「積算基準」では、間接的な工事費として係るいろいろな費用の内容が示されています。

そして、それらの費用の中には割合で計算するものと、積み上げて計算するものがあります。

どちらの計算方法を使うかは、この「積算基準」に記載されています。

これを理解することで、より正確に工事費を計算することができます。

また、この知識を使って、設計の変更や契約の変更にうまく対応することができるようになります。

設計変更になるものとならないものを理解する

設計を変えるためには、相手の話をよく聞き、うまくお願いすることが大切です。

でも、全部が全部、設計を変えられるわけではありません。

特に、「積算基準」というのがあって、それを無視して自分だけの計算をしても、設計は変わりません。

だから、相手の話をよく聞き、それを理解して協議しないと、ただのわがままな人だと思われてしまうこともります。

つまり、設計をうまく変えるためには、現場の所長がこの「積算基準」をしっかりと理解して、それを基に発注者と協議することが大切です。

ランメイシ

現場を見ている人は、積算基準の知識が必要ということだね。

では、「良い所長」になるために、どんなことが設計を変えられて、どんなことが変えられないのか、わかりやすい例を挙げてみます。

工事数量の増減は設計変更できるのか?

工事数量の増減は設計変更できるのか?

数量が増えるなら設計変更できる。

数量が減るなら設計変更される。(減額になる)

ただし、間接工事費(共通仮設費と現場管理費)に含まれる追加工事は、設計変更できません。

スクロールできます
レベル1
工種区分
レベル2
工種
レベル3
種別
レベル4
細別
レベル5
規格
築堤・護岸河川土工掘削工掘削土質、施工方法、押土の有無、障害の有無、施工数量
土砂等運搬土質
整地作業区分
押土(ルーズ)土質、作業内容
積込(ルーズ)土質、作業内容
人力積込土質、作業内容
掘削工(ICT)掘削(ICT)土質、施工方法、障害の有無、施工数量
掘削土質、施工方法、押土の有無、障害の有無、施工数量
土砂等運搬土質
整地作業区分
押土(ルーズ)土質、作業内容
積込(ルーズ)土質、作業内容
人力積込土質、作業内容
盛土工路体(築堤)盛土工施工幅員
路床盛土施工幅員
土砂等運搬土質
整地作業区分
押土(ルーズ)土質、作業内容
積込(ルーズ)土質、作業内容
人力積込土質、作業内容
土材料流用土
土木工事工種体系図(例)

数量表にある追加工事の設計変更はできるのか?

数量表にある追加工事の設計変更はできるのか?

間接工事費に含まれる工事内容は設計変更できない。

工事区分・工種・種別・細別・規格の追加は設計変更できる

仮囲いは鉄筋の杭にオレンジネットを張る程度の簡易なものと考えられるので、B型フェンスで工事区域を隙間なく設置する場合は設計変更できるのか?

仮囲いは鉄筋の杭にオレンジネットを張る程度の簡易なものと考えられるので、B型フェンスで工事区域を隙間なく設置する場合は設計変更できるのか?

できない。

共通仮設費率の施工地域を考慮した補正の有無にかかわらず、できない。

民家の横を通過する工事用道路として使用するのであれば、粉塵対策として舗装することは設計変更できるのか?

民家の横を通過する工事用道路として使用するのであれば、粉塵対策として舗装することは設計変更できるのか?

設計変更できる。

共通仮設費率による安全費に含まれる「粉塵作業の予防」は、場所打ち杭の杭頭のはつり作業や解体工事に伴うものを指しており、工事用道路の散水による防塵対策や舗装による周辺環境対策は設計変更できる。

また、設計時に考慮されていれば「特記仕様書」に記載されており、数量計上されている。

トンネルの粉塵対策と、ばく露防止対策も別途、仮設工に数量計上されている。

なお、土運搬などが原因で舗装が破損した場合は、最後に設計変更できるので、一般道路を工事用道路として使用する際には、施工開始前に舗装の状態を写真で記録しておく。

国土交通省の場合、環境影響評価の段階で工事中の周辺環境対策に関して地元に約束しており、設計変更可能。

また、散水車による散水も設計変更が可能。

一般的な工事用看板より大きなものの設置、酸欠対策・夜間照明は設計変更できるのか?

一般的な工事用看板より大きなものの設置、酸欠対策・夜間照明は設計変更できるのか?

できない。

全て「共通仮設費率」による安全費に含まれている。

照明に要する費用については、大規模な照明設備が必要なダム・トンネル本体工事、トンネル内舗装等工事の場合は率に含まれない。

また、周辺住民への説明用に設置する大型の説明用看板等は、別途積上げが可能だが、現場環境改善費 (旧イメージアップ経費)の額を算定し、乖離がある場合は発注者と協議するのがおすすめ。

なお、新規に追加された工事区分の場合も別途求められない。

追加工事の直接工事費にも共通仮設費率が割掛かるので、部分的に要求することはできない。

ただし、共通仮設費は増額となる。

品質管理基準に記載されていない土質試験は設計変更できるのか?

品質管理基準に記載されていない土質試験は設計変更できるのか?

できる。

品質管理基準に記載されている試験項目は「共通仮設費率」による技術管理費に含まれている。
地質調査の平板載荷試験、ボーリング、サウンディング、その他の原位置試験の調査はもできる

「共通仮設費率」による技術管理費に含まれており、設計変更にならない内容として主に以下の項目がある。

  • コンクリートの塩化物測定
  • 単位水量測定
  • ひび割れ調査
  • テストハンマーによる強度試験
  • NATMの計測A
  • 塗膜厚施工管理
  • 溶接工の管理試験

施工前に既設構造物の配筋状況を特別な機器(鉄筋探査等)を用いて確認する場合は?

施工前に既設構造物の配筋状況を特別な機器(鉄筋探査等)を用いて確認する場合は?

できる。

技術管理費として 「共通仮設費率」に含まれず、積上げを要する内容として以下の項目がある。

  • 施工前の既設構造物の鉄筋探査試験
  • ICT 建設機械の費用(保守点検システム初期費・3次元起工測量・3次元設計データ作 成費用),
  • NATM の計測B
  • 施工合理化調査
  • 施工形態動向調査
  • 諸経費動向調査

技術判断に必要な資料を作成する費用は設計変更できるのか?

技術判断に必要な資料を作成する費用は設計変更できるのか?

設計変更になる工種の資料作成は、設計変更できる。

技術的判断に必要な資料の作成費も設計変更できる。


工区全体の広範囲にある雑木・竹などを除去する費用、建設副産物の処理費用は設計変更できるのか?

工区全体の広範囲にある雑木・竹などを除去する費用、建設副産物の処理費用は設計変更できるのか?

ブルドーザ、レーキドーザ、バックホウ等で行う伐開に要する費用。

除根・除草・整地・段切り・すりつけ等に要する費用。

伐開・除根や除草の現場内の集積・積込み作業の費用は、設計変更できない。

これらの費用は「共通仮設費率」による準備費に含まれている。

ただし、上記のものを工事現場外に搬出する費用・処分費は、設計変更できる。

準備工において配置した交通誘導員は設計変更できるのか?

準備工において配置した交通誘導員は設計変更できるのか?

できる。

準備に伴い発生する交通誘導警備員の費用についても、直接工事費に積上げ計上する。

共通仕様書に規定されている事項は発注者の責務において実施すべきものであり、特記仕様書に記載すべき事項は全て積上げが可能で、設計変更の対象となります。

地元協議や警察協議において、一般的な工事用看板より大きな看板を設置した費用や、夜間作業となってしまったために準備した照明設備の費用は、いくら交渉しても設計変更にならないことを理解しておく必要があります。

相手の事情を理解するということは、「積算基準」を頭に入れて交渉することなのです。

また、新・担い手3法の施行により、請け負けと言われた時代が変化して、受注者の適正な利益を確保する必要があるという雰囲気が高まってきています。

今までの発注者側の「分かって受注したのだろう」という言葉の意味は、「発注者は想定できなかったけれど、考えていなかった受注者が悪い」という意味でした。

今後は、「施工条件の違い」という契約約款上の文言によって、設計変更の対象になるということになります。

法律が全体に浸透するには時間がかかると思われますが、受注者として積極的に設計変更をして利益を確保できる時代になったということは事実なのです。

まとめ

工事を行う際には、予定通りに進むことは稀で、多くの調整や変更が必要となります。

これらは通常、工事を受注した側が進行しますが、それらが誰の責任であるかは契約によります。

特に、工事の条件が変わった場合は設計変更が必要となり、それを進行するためには受注者が対応し、技術力を持って問題に立ち向かう必要があります。

また、設計変更を円滑に進めるためには、受注者と発注者の良好な関係性と相互理解が必要です。

特に、発注者が費用を計算するための「積算基準」を理解することは重要です。

この積算基準を理解し、それに基づいて設計変更を進めることが収益を得るための鍵となります。

しかし、設計変更には共通仕様書や特記仕様書に基づく積上げが可能な事項が対象となります。

大きな工事看板の設置費用や夜間作業の照明設備費用などは設計変更の対象外であることを理解することが必要です。

また、新・担い手3法の施行により、受注者の適正な利益を確保する必要性が高まっており、それに伴い、設計変更の対象となる条件が拡大しています。

このように、法律の浸透には時間がかかるものの、積極的に設計変更を行うことで利益を確保できる時代が到来していると言えます。

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