この記事では、建設業で毎月4時間以上の実施を定められている『安全教育・訓練』のうち、土木工事関係の飛来・落下災害防止に関する資料を得られる役立ちサイトを紹介します。
飛来・落下災害防止に関する安全教育資料のほかにも、役立つ資料を以下の記事から調達できます。
目次
飛来と落下の違いは、物が飛んで(落ちて)くる方向の違い
まずは、飛来と落下の違いについて解説します。
例えば、コンクリートの破砕作業中にコンクリート片が飛んできて目に入り、被災した。
こういう場合は飛来災害になります。
例えば、足場の上でハンマーを落とし、下にいた作業員に当たって被災した。
こういう場合は落下災害になります。
『飛来』と『落下』の違い
- 『飛来』:物が横方向から飛んでくること
- 『落下』:物が上から落ちてくること
飛来災害の防止に関する安全教育資料作成【PDF・役立ちサイト】
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項目名 | サイト名・得られる資料・説明 |
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送⽔管を推進⼯法により敷設する⼯事において、 油圧ジャッキが外れてスペーサーが⾶来 ![]() PDFダウンロード | 厚生労働省 職場のあんぜんサイト 労働災害事例集より 【事故の発生状況】 この災害は、流雪溝送⽔管を推進⼯法により敷設する ⼯事において、被災者ら4名が深さ5mの発進⽴坑内部 で油圧ジャッキのストローク⻑を測定する等の作業をし ていたところ、油圧ジャッキと鋳鉄管の間に⼊れていた スペーサーがはね⾶んだもの。 災害発⽣当⽇午前中、7本⽬の推進管を油圧ジャッキ で押し込んでいるとき、油圧ジャッキの右側のストロー クが約2cm左側に⽐べて⻑く送り出されていることが わかったので、右側2本の油圧ジャッキの後⽅部分に厚 さ2cmの鉄板を挟み⼊れた。 午後、8本⽬の推進管を油圧ジャッキで押している際 に、再度、油圧ジャッキのストローク⻑が不均等に送り 出されていたので油圧ジャッキを引き戻し、油圧ジャッ キの後⽅に厚さ2.5cmの鉄板を2枚挟み⼊れた。そし て、再度、油圧ジャッキを約100cmストロークさせた とき、油圧ジャッキ本体後部が、右⽅向に滑り、スペー サーが横⽅向にはね⾶んだ。このとき、⽴坑の底部、油 圧ジャッキストラット等のすぐ横で油圧ジャッキのスト ローク⻑の測定などの作業を⾏っていた被災者3名が⾶ 来したスペーサーの直撃を受けて被災したものである。 |
伐倒⽊がかかり⽊となり、その⽊も倒れて 根元にあった岩⽯が作業者を直撃 ![]() PDFダウンロード | 厚生労働省 職場のあんぜんサイト 労働災害事例集より 【事故の発生状況】 この災害は、林道の拡幅⼯事で⼭側斜⾯の⽴⽊の伐採 作業中に発⽣したもの。 当⽇は、平均35度の傾斜地にある雑⽊林の伐採を4名 で⾏うことになり、午前8時10分頃から作業が開始され たが、被災者と⼯事部⻑はチェ-ンソ-による伐採作業 を担当した。伐採は、斜⾯の下から上⽅に向かって⾏う ことになり、⼆⼈は分かれて作業を開始した。午前8時 40分頃、⼯事部⻑は14本⽬の⽴⽊を倒す直前に、左斜 め下にいた被災者に「倒れる」という合図をしたので、 被災者は作業を⽌めて⽊が倒れる様⼦を⾒ていた。 ところが倒した⽊は、左隣りの⽴⽊にかかり⽊とな り、倒した⽊はこの⽴⽊とともに根元から倒れた。 次いで、⼆⼈が、作業を開始しようと体の向きを変え たとき、倒れた⽊にかかられて根倒れした⽊の根元の岩 ⽯が転がりだした。 この⾳に気づいた⼯事部⻑は「逃げろ」と被災者に声 をかけたが間に合わず、被災者は転がってきた岩⽯に胸 部を直撃した。 |
⼤⾬対策で型枠資材を移動中に落⽯があり、 岩⽯とともに転落 ![]() PDFダウンロード | 厚生労働省 職場のあんぜんサイト 労働災害事例集より 【事故の発生状況】 この災害は、地すべり対策の⼯事現場において、⼤⾬ のため流出のおそれのあるコンクリート床固め⼯の型枠 等の資材を⾜場上へ移動する作業中に発⽣したもの。 災害発⽣当⽇、現場代理⼈と作業者6名が現場に到着 し、まず、現場全体の状況確認を⾏ったところ、前⽇か らの⼤⾬のため増⽔している河川の⽔によって、型枠や ⾜場の資材が流出するおそれのあることが判明した。 そこで、これらの資材を床固め⼯の型枠の外部に設置 した張り出し⾜場上に移動するため、被災者と他の1名 が⾜場上に上がり、他の作業者は床固め⼯の下から⾜場 上の2名に資材を渡す作業に従事していた。 作業を開始して間もなく、突然、床固め⼯の右岸側の こう配が約40度の地⼭斜⾯から落⽯があり、岩⽯が床 固め⼯の型枠にあたり、型枠の⼀部が破壊して地上に落 下した。 なお、落下した岩⽯は、直径約2mのもので、作業箇 所の上⽅約20mの斜⾯に浮⽯状となっていた。 |
ドラグ・ショベルでL型擁壁を吊り上げたとき、 吊り具が外れて吊り荷が転倒 ![]() PDFダウンロード | 厚生労働省 職場のあんぜんサイト 労働災害事例集より 【事故の発生状況】 この災害は、ワイヤロープに取り付けられた3個の吊 り上げ⽤専⽤⾦具をL型擁壁に装着してドラグ・ショベ ルで吊り上げようとしたところ、2個の吊り上げ⽤専⽤ ⾦具が外れたためL型擁壁が転倒し、作業員Aが下敷き となり死亡、作業員Bが負傷したものである。 災害発⽣当⽇午前9時30分頃、被災者が、L型擁壁の ⻑辺側2箇所および短辺側1箇所に埋め込まれたアンカ ー頂部に吊り上げ⽤専⽤⾦具を装着し(図)、ドラグ・シ ョベルに背を向けて⽴ち、左⼿で吊り上げ⽤専⽤⾦具を 押さえ、運転席のオペレーターに「アーム上げ」の合図 を⾏った。 合図を受けたオペレーターがドラグ・ショベルのアー ムを上げてL型擁壁を吊り上げようとしたところ、⻑辺 側の2個の吊り上げ⽤専⽤⾦具が外れてL型擁壁が転倒 したため、被災者は仰向けの状態のまま、胴体部分がL 型擁壁が⻑辺部分の下敷きとなった。また、付近でL型 擁壁を据え付ける位置の測定をスケールで⾏っていた同 僚の作業員も転倒したL型擁壁に頭部と右膝が当たり負 傷した。 |
浮⽯の破砕作業中、⾶来した岩⽯が頭部を直撃![]() PDFダウンロード | 厚生労働省 職場のあんぜんサイト 労働災害事例集より 【事故の発生状況】 この災害は、道路災害防除⼯事において破砕した岩⽯ が⽴⼊り禁⽌区域外まで⾶来したものである。 災害発⽣当⽇、この⼯事現場では、道路上に落下する 危険のある岩⽯の⻲裂箇所を破砕するため、元請の現場 責任者が下請の作業員を指揮して、国道を通⾏⽌めにし たうえ硫酸アルミニウムを主成分とする破砕薬(アルミ ニウム等と異種⾦属との酸化還元反応による熱を利⽤し て⾼圧⽔蒸気を瞬時に発⽣させる⽅式のもの)を使⽤し て岩⽯を除去する作業を⾏っていた。被災者は発注者と してこの⼯事の施⼯監督をするため部下2名とともに朝 から現場に⽴会っていた。 作業は朝から⾏われていたが、午後2時45分頃、破砕 作業の責任者(破砕箇所の監視⼈も兼ねていた下請の作 業員)から点⽕5分前のサイレンによる退避合図があっ たので、被災者は元請の現場作業員らとともに所定の避 難位置に移動して破砕薬の点⽕を待った。 午後2時50分頃、点⽕1分前のサイレンによる合図が あって破砕作業者(下請の職⻑)が点⽕して⻲裂箇所の 岩⽯の破砕が⾏われたが、このとき⽴⼊り禁⽌区域外に 退避していた被災者のところに岩⽯(重さ約2.6kg)が ⾶来し頭部に激突した。 |
落下災害の防止に関する安全教育資料作成【PDF・役立ちサイト】
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項目名 | サイト名・得られる資料・説明 |
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鉄板にクランプ1個を取付け、ドラグ・ショベルで 吊上げ中、クランプが外れ落下 ![]() PDFダウンロード | 厚生労働省 職場のあんぜんサイト 労働災害事例集より 【事故の発生状況】 この災害は、橋梁下部⼯事において、パワー・ショベ ルを使⽤して、仮設道路に使⽤した鉄板の撤去作業中に 発⽣したものである。 河川の両岸を建設機械が往復できるように河川の⼀部 を埋め⽴てて造った仮設道路が不⽤となったので、災害 発⽣当⽇、仮設道路に使⽤した⼟⽌め⽤鉄板、H鋼、⽮ 板等の撤去作業をパワー・ショベルを使⽤して⾏った。 作業は、パワー・ショベルの運転をA、鉄板等へのク ランプの取り付けをBとし、被災者はクランプの取り外 しを⾏うことになった。 まず、Bが鉄板の端にクランプを取り付け、Aがパワ ー・ショベルで鉄板の端を1m引き上げ、次いでBが鉄 板についた⼟砂を取り除いて、元の状態に戻した。 その後、被災者は、鉄板中央部にクランプを取り付 け、運転者Aに鉄板を引き上げるよう合図をした。 Aは、鉄板を1mほど吊り上げ、⼀旦停⽌させ、その 状態で周囲の状況を確認したところ、被災者が吊り上げ られた鉄板の端に近付き、鉄板を⼿で押さえていた。 Aは、鉄板をさらに⾼く吊り上げようとしたところ、 突然クランプから鉄板が外れて落下し、被災者を直撃し た。 |
ドラグ・ショベルで鋼管束を荷下ろし作業中、 ベルトスリングが切断 ![]() PDFダウンロード | 厚生労働省 職場のあんぜんサイト 労働災害事例集より 【事故の発生状況】 この災害は、道路整備⼯事現場において、⾞両積載型 トラッククレーンからドラグ・ショベルで鋼管の束を下 ろす作業中に発⽣したものである。 災害発⽣当⽇、⼯事現場では、⾕側の⼟⽌め、作業⽤ 道路等を整備することになっており、ダンプトラックと クレーンを使⽤して、型枠、鋼管を資材置場から⼯事現 場に運搬し、搬⼊する作業を⾏っていた。 荷下ろし作業は、当初の計画では、荷を運搬してきた トラッククレーンを使⽤する予定であったが、現場の地 盤が軟弱なためトラッククレーンを荷下ろしする場所に 接近させることができなかったため、現場で使⽤してい たドラグ・ショベルで荷下ろし作業を⾏うこととした。 そこで、鋼管束を両端アイ形のベルトスリングで1本 吊りとし、ドラグ・ショベルのバケットに取り付けたフ ックに掛けて吊り上げて旋回したところ、ベルトスリン グが切断し吊り荷が落下し、近くで道具⼩屋の建築作業 に従事していた被災者が、落下した鋼管束の下敷きとな った。 なお、ベルトスリングは事故後の調査で、⼀部に損傷 が⾒られた。 |
敷鉄板をドラグ・ショベルでつり上げ、 トラックに積み込む作業中、吊り具の フックから外れて落下した敷鉄板の下敷き ![]() PDFダウンロード | 厚生労働省 職場のあんぜんサイト 労働災害事例集より 【事故の発生状況】 この災害は、ダム建設⼯事⽤道路⼯事現場において、 ドラグ・ショベルのバケットに取り付けたフックにつり 具を掛けて敷鉄板をつり上げ、トラックの荷台に積み込 む作業中、作業者がつり具のフックから外れて落下した 敷鉄板の下敷きとなったものである。 災害発⽣当⽇、作業者Aは、午後4時頃にトラックを 運転して現場に到着し、敷鉄板を積み込む作業を始め た。トラックへ積み込む敷鉄板は、縦612cm、幅 153cm、厚さ1.9cm、質量約1.6 tであった。 敷鉄板のトラックへの積込みは、トラックの運転者で ⽟掛け者でもあるAが、つり具の⼀端をドラグ・ショベ ルのショベルに取り付けられたフックに掛け、つり具の 他端に取り付けられているフックを敷鉄板の中央部に開 けられた⽳に掛け、Aの合図を受けて作業者Bがドラ グ・ショベルを操作してつり上げて⾏うものである。2 枚の敷鉄板の積込みを終え、3枚⽬の敷鉄板をトラック の荷台に載せたとき、つり具のフックから敷鉄板から外 れ、トラックの荷台上で⽟外しを⾏っていたAが敷鉄板 とともにトラックの荷台から地上に転落して右半⾝が鉄 板の下敷きとなった。 |
杭打ち機のジブを伸ばしたとき、補巻 ワイヤロープが切断し、フックが落下 ![]() PDFダウンロード | 厚生労働省 職場のあんぜんサイト 労働災害事例集より 【事故の発生状況】 この災害は、道路建設⼯事の⼭留め⽤鋼管杭をくい打 機により打ち込む作業において、くい打機の補巻⽤のワ イヤロープが切断し、補巻フックが落下したもの。 ⼭留め⽤の鋼管杭の打ち込みは、移動式クレーンにア ースオーガー及びハンマーを取り付けてくい打機として 使⽤し、補巻フックを使⽤して鋼管杭を吊り上げ、⼀旦 仮置きしてから杭を打ち込む位置まで鋼管杭を吊り上げ て旋回し、位置決めしたところを鋼管内に挿⼊したハン マーの先端部に取り付けた拡径ビットで削孔し、所定の 深度に達したあとハンマーだけを引き抜く⼯法で⾏って いた。 全体で12本打つ杭のうち既に6本は前⽇までに打ち終 わり、当⽇は7本⽬の杭から打ち始めて、午後4時頃、 10本⽬の杭を打つ作業を⾏っていた。鋼管杭を杭打ち 予定の位置の近くに仮置きし、くい打機のオペレーター が、ジブを伸ばす操作をしたところ、補巻⽤のワイヤロ ープがフックの上部から切断し、補巻フック、ウエイト 等が落下して近くにいた被災者に激突した。 |
地下鉄新設⼯事において、下⽔道マンホール下部 に固着した流動化処理⼟塊が剥離して落下 ![]() PDFダウンロード | 厚生労働省 職場のあんぜんサイト 労働災害事例集より 【事故の発生状況】 この災害は、開削⼯法による地下鉄新設⼯事現場にお いて、⼟留め壁に付着した流動化処理⼟を取除く作業 中、作業場所の上⽅にあった既設のコンクリート構造物 である下⽔道マンホールの下部に固結・付着していた流 動化処理⼟塊(重量411キログラム)が剥離して落下した ものである。 災害発⽣当⽇、1次下請の職⻑は、作業員2名ととも に既設のマンホールの下⽅の⼟留め壁を鉄板により補強 するため、既設のマンホール下⽅の流動化処理⼟による 埋め戻し⼟を除去する作業を⾏い、鉄板の取り付けを溶 接により⾏おうとしたが降⾬のためアーク溶接作業が危 険であると判断し、作業を中⽌した。 しかし、既設のマンホールの周囲には⽌⽔のためのコ ンクリートミルが注⼊されていたが、⼟留め壁の補強が 完成しないとマンホール周辺が崩壊し出⽔のおそれがあ るので、作業を継続するように元請から指⽰された。 元請からの指⽰を受け作業が再開され、マンホールの 下⽅に被災者が⼊り⼟留め壁にこびりついた埋め戻し⼟ をスコップで取り除いていたとき、マンホールの下部に 固結・付着していた流動化処理⼟が剥離し、落下した流 動化処理⼟塊が被災者の頭部に激突した。 |
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