現場監督が建設工事で事故発生を防止するためのスキル【責任重大】
現場で事故防止のために、安全管理を徹底ってよく聞くけど、具体的に何を徹底すればいいのか、よくわからないんだけど…。
こんな悩みに答えます。
現場で何が危ないかって、明確に示されていないケースがほとんど。
未経験の工種で、進捗度合い毎にどんな作業で、どんな危険があるのか予知することは難しいよ…。
危険予知という言葉が有り、リスクアセスメントを行い、どんな作業・状況で事故発生のリスクが高いかを判断する。
実際のところ、どこに・どんな危険が潜んでいるかなんて、ある程度現場監督として経験を積まなければ、予測できないことがほとんどです。
現場で上司に、次のようなことを言われたりしませんか?
「坂道を上っているバックホウの後ろには絶対行くな!」
「吊り荷の下には入ったらダメ!」
安全教育資料として、よくある
「この絵を見て、危険な部分を挙げてください」
という危険予知の訓練を目的とした資料。
絵で見ていれば、何が危ないか判断できるのに、現場ではその判断ができない。
原因は、現場には周囲にたくさんの情報が混在しているからです。
灯台下暗し、ということわざがありますが、周囲の様々なことから注意を払っている状況では、普段からすれば何で気付かなかったんだろう、という事も起こります。
本記事では、どうやって事故の発生を予防するかについて、解説します。
他に現場監督が業務をやるうえで大切なスキルについては、以下の記事で解説しているのでぜひ参考にしてくださいね。
当サイト『ゲンプラ』の運営者:ランメイシ
現場監督と家庭(プライベート)の両立を応援するために、土木工事の施工管理をやっている現役の現場監督(歴16年)が当サイトを運営。施工管理業務の悩みに全力でサポートします!ご安全に!
保有資格:1級土木施工管理技士、河川点検士
主な工事経験:河川の築堤・護岸工事、道路工事、橋梁下部工事
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保有資格:1級土木施工管理技士、河川点検士
主な工事経験:河川の築堤・護岸工事、道路工事、橋梁下部工事
自分の現場で事故は絶対に起こさないと、安全に対する思いを関係者全員に伝える
現場で働く協力会社の職人さんは、新規入場した際に、その現場の安全管理のレベルを見ています。
まず、現場で働く人全員が参加する朝礼。
朝礼の場は、現場監督が絶対に事故を起こさないという信念と安全に対する思い入れを伝える重要な場面です。
毎朝必ず、熱意を持って現場の安全への思いを語るようにしてください。
朝礼時の現場監督の一言が事故を防止すると言っても過言ではありません。
そして、現場の状況があなたの言葉と伴っているかも大切です。
現場内の状況から見る安全管理
- 重機の立ち入り禁止措置がとられているか
- 安全に関する看板・標識がいたる所に掲げられて意識向上が図られているか
- 作業通路が明確に設けられているか
- 服装は全員整っているか
- 安全掲示板の内容が充実しているか 等
現場事務所や休憩所
- 清潔に保たれているか
- コロナウイルス対策は万全か
- 新規入場者教育資料の内容が充実しているか(他工事の使いまわしになっていないか)
朝礼の場面
- 暗い雰囲気で朝礼が進む
- 朝礼の言葉に覇気が無い
- ~に注意してくれ等、作業に対する具体的な助言が無い
他の建設現場と自分が従事する建設現場を比較してみる
協力会社の職人さんらは、いろんな現場を見ているので、現場に入った第一印象でその現場の安全に対する意識レベルがわかってしまうものです。
なので安全管理が不十分だと、
「この現場はこれくらいでやっとけば監督さんに文句言われないだろう」
必ず事故が起きるわけではありませんが、事故のリスクは確実に高くなる、安全に対して管理がゆるい現場だと感じられてしまいます。
つまり、その現場を担当する現場監督の安全に対する姿勢が問われることになります。
同じ発注者で他社の建設工事現場と自分の現場を比較してどう感じたかメモする
建設現場は会社の方針よりも、その現場の現場監督が誰かによって、その色が異なってくる傾向にあります。
実行予算の段階で、安全設備費を他の現場監督と比較しても、高い比率で予算を組んでいる。
工事範囲が一望できる監視カメラを、毎現場で導入している。
工事看板は文字だけでなくイラスト付きのものを現場内の随所に配置している。
安全管理については、最低限ここまでしなければいけない。
というラインはあっても、周囲より1ランク上を目指す場合。
こんなときは、現場監督の安全に対する熱意やセンスが問われます。
しかし、そう簡単に実行できるものではありません。
安全管理こそ最も重要な業務ですが、施工管理・工程管理・品質管理と、現場監督は他にもたくさんの仕事があるからです。
そこでおすすめなのが、他社の建設現場を見て参考にするということです。
会社によって安全施設のリース会社取引先も異なるため、あの単管バリケードは従来のよりデザインが良いなとか、快適トイレの目隠しフェンスがユニークだった。
といった新しい発見がいくつもできるはずです。
そういった発見を、自分の現場でも取り入れたり、改良を加えてみたりするのも良いですね。
始業から終業まで安全管理を妥協しない
現場での安全管理を、朝礼だけで満足してはいけません。
- 現場で作業する人、一人一人に「ご苦労様です」と声をかける
- 危険な作業時は必ず作業を見守る
- 不安全な行動はすぐに指摘・是正する
- 新規入場者教育は入念に行う
どんなに小さな違和感・異変を見逃さないことも大事です。
これくらいいいかと、見過ごすこともやってはいけないことです。
安全に対して妥協点はありません。
あの時、ちゃんと言っておけばよかったな。
ちゃんと対策しておけばよかったな。
万が一、事故が起きてしまったときに必ず後悔します。
後悔しないためにも、妥協の無い安全管理を目指して頑張りましょう。
誰もが声を掛け合える現場環境づくりが大切!良い人間関係を築くためのコミュニケーションのコツ
コミュニケーションの達人が知っている3つの原則があります。
コミュニケーションを制すれば、人間関係を制したも同然といわれ、それほどコミュニケーションは大切なことです。
3つの原則とは、次を指します。
- 人は自分のことが1番大事で、自分に1番興味がある生き物
- 自分のことを認めてほしい、自分のことを理解してほしいを熱望している
- 自分のことを認め、理解してくれる人のことを好きになる
人は自分自身が1番大切で、自分自身に1番興味を持つ生き物
旅行などで撮影した集合写真。
集合写真で、あなたは何を真っ先に探しますか?
あなた自身ではないですか?
集合写真を初めて見るときに、自分ではなく他人を最初に探す人は、滅多にいません。
人は人は自分自身が1番大切で、自分自身に1番興味を持つ生き物だからです。
相手に好まれたい場合は、相手を主役にしてあげましょう。
持ち上げられて、ほとんどの人は嬉しいと思います。
僕自身、褒められると嬉しいです。
自分のことを主役にしてくれる。
あなた自身のことを好きになる、という心理です。
人は自分自身のことを認めてほしい、自分自身のことを理解してほしいと望む生き物
話の合わない人とは、一緒に仕事をしたいとは思わないでしょう。
気の知れた人との方が、自分のことをわかってくれている。
阿吽の呼吸といった具合に、スムーズに仕事を進められますよね。
子供の頃って、どうやって友達を作っていたでしょうか。
好きなスポーツを一緒にやるうちに、仲良くなった。
好きなゲームを一緒にやるうちに、仲良くなった。
共通して好きなものがあったからこそ、意気投合できたんですよね。
人は自分自身のことを理解してくれる「理解者」を好きになる生き物
理解者になるには、あなたは相手の話の聞き役になることです。
話を聞くよりも、話す方が好きだという方にとっては、話し方のスタイルを変えることになります。
まずは、相手の話を聞く。
相手の反応や、気持ちにも配慮しながら、言葉を選んで話す。
人によって言葉の受け取り方は異なるので、選んだ言葉が必ずしも正解とは限りません。
トライ&エラーを繰り返しながら、少しずつ聞き方、言い方を変えていきます。
相手の話を聞き、笑顔で共感する。
自分が話している時に、相手が笑ってくれると、良い人だなと思いますよね。
PDCAをひたすら回す!凡事徹底が安全管理の質を高める
凡事徹底することが、現場の安全の質を高めることになります。
凡事徹底とは、決まったことを毎日、実行することです。
面倒だから、他にやることがあるからといって行動に移さないと、その後もやらず仕舞いになり、習慣化することができません。
冒頭でも記述していますが、朝礼の挨拶では、情熱を持って安全について話をする。
あなたが熱意を持って、この現場で事故は絶対に起こさないぞと皆に伝えることができれば、現場が引き締まります。
良い意味で、緊張感のある現場を運営していくことができます。
現場で実践してほしいことを伝える
挨拶の中で、現場で実践してほしいことを伝えてください。
現場で実践してほしいこととは、現場で定めた「現場ルール」などが該当します。
「現場ルール」については、次の記事で詳しく解説していますので、興味があれば参考にしてみてください。
自分の思い通りに現場を管理できるようになるために、やるべきこと5選
他にも、次のような事項を組み込んでみると良いです。
- ポジティブな気持ちを持ち、ため息をつかない
- 人の悪口や文句といった否定的なことを言わない
- あいさつをしっかり行う
一見、人間関係に関することで、安全には関係無いように思うかもしれません。
しかし、上記の3つは安全とつながっていきます。
現場に仮設足場があり、先に足場上で作業を行っていた業者が、作業のために外した手すりがあったとします。
不安全な設備があれば、前向きに是正する。
手すりを外したままにした、先の業者を非難はしません。
現場監督があいさつを協力会社の人らに励行していると、協力業者間でもあいさつが交わされるようになります。
こうして現場内で良い人間関係ができれば、先の工程の業者が直すべきだった手すり。
再設置を忘れてしまったのだろうと考えて、次の工程の業者が安全のためにと再設置するのを、いとわなくなります。
関係が悪ければ、次の工程の業者は不満を抱き、先の業者に直させてくれよとなるでしょう。
現場内のコミュニケーションが良くなれば、安全に対して良いサイクルがつくようになり、安全管理の効果が大きくなることを意識してください。
緊張は持続できないので、休憩時間には冗談話をしたりしてリセットする
常に緊張しっぱなしだと、いずれ反動で気の抜けた状況が起きる危険があります。
なので、メリハリを利かせる意味でも、休憩時は冗談を言い合ったり、バカみたいな話をして盛り上がれば良いでしょう。
現場のみんなで親しくなることができ、お互いが声をかけやすい間柄になることができれば、より事故防止に繋がります。
建設業でよくある、休憩時の会話などの問題点として、世代の違い(ジェネレーションギャップ)により、コミュニケーションが取りにくいという点について。
そんな時は次のような話題が、年齢差に関係無く話せるのでおすすめです。
- 自虐ネタ
- 飼っているペットに関するネタ
- これまでの人生で失敗した話
話を自分からはあまりしたくない、という方でも、他によく話をしている人がいれば笑顔で相槌を打つのもコミュニケーションです。
沈黙は悪いことでは無いです。
それでも、体育会系の多い建設業界です。
急に上司などから話を振られることもあるでしょう。
次の記事で、会話スキルについての解説をしていますので、よければ参考にしてみてください。
まとめ
本記事では、どうやって事故の発生を予防するかについて解説しました。
危険予知という言葉が有り、リスクアセスメントを行い、どんな作業・状況で事故発生のリスクが高いかを判断する。
実際のところ、どこに・どんな危険が潜んでいるかなんて、ある程度現場監督として経験を積まなければ、予測できないことがほとんどです。
現場で上司に、次のようなことを言われたりしませんか?
「坂道を上っているバックホウの後ろには絶対行くな!」
「吊り荷の下には入ったらダメ!」
安全教育資料として、よくある
「この絵を見て、危険な部分を挙げてください」
という危険予知の訓練を目的とした資料。
絵で見ていれば、何が危ないか判断できるのに、現場ではその判断ができない。
原因は、現場には周囲にたくさんの情報が混在しているからです。
灯台下暗し、ということわざがありますが、周囲の様々なことから注意を払っている状況では、普段からすれば何で気付かなかったんだろう、という事も起こります。
あなたが最悪な出来事を経験せずに済むために、僕が現場監督として体験した最悪な経験も、ぜひ参考にしてくださいね。
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