建設業の3つの役割について、土木施工管理一筋15年のプロが解説
現場監督やってるんだけど、最近モチベが上がらない…。他にやりたい仕事があるわけでもないし、どうしたらいい?
こんな悩みに答えます。
建設業で働く現場監督には、どうしてもモチベーションが下がってしまうタイミングがあります。
具体的には、以下のようなタイミングです。
- 工事が完成して、発注者に引き渡した後(燃え尽き症候群)
- 出来栄え・書類ともに自身があった工事の成績評定点が平均点だった時
- 工事成績評定点がトップクラスだったのに、会社から何の報酬も無かった時
- 工事の段取りについて、理不尽な理由で上司から注意を受けた時
- 工事が計画工程通りに進まない時
- 盛土部の沈下が原因で、調査のために工事がストップした時
- 堤内地の地下水位低下が原因で、河川の護岸工事がストップした時
- 図面に表記の無い地下埋設物があって、計画工程に大幅な変更が発生した時
- 現場で事故が起きた時
現場監督のモチベーションが下がる原因、たくさんあるね…。
建設業は、暮らしに欠かせない身近な産業ですが、人手不足や高齢化といった問題を抱えている業界でもあります。
あなたは普段、自分の仕事がいかに日本の発展に貢献しているか、ご存知でしょうか。
本記事で解説する、建設業が担う役割や国土の特徴を知れば、あなたの仕事の素晴らしさがわかり、モチベーションアップに繋がりますよ。
この記事を読むと、以下のことがわかります。
- 建設業の3つの役割
- 世界と比べた『日本』という国土の特徴
当サイト『ゲンプラ』の運営者:ランメイシ
現場監督と家庭(プライベート)の両立を応援するために、土木工事の施工管理をやっている現役の現場監督(歴16年)が当サイトを運営しています。施工管理業務の悩みに全力でサポートします!ご安全に!
保有資格:1級土木施工管理技士、河川点検士
主な工事経験:河川の築堤・護岸工事、道路工事、橋梁下部工事
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保有資格:1級土木施工管理技士、河川点検士
主な工事経験:河川の築堤・護岸工事、道路工事、橋梁下部工事
建設業の3つの役割
日本は自然環境の厳しさから、過去から多くの人命と財産が失われてきました。
厳しい自然環境から日本を『安全』『安心』『快適』な暮らしへ導くための役割を『建設業』が担っています。
建設業が担う3つの役割は、以下の3つです。
- 『安全』災害から人々の命を守る
- 『安心』雇用創出や資機材消費によって経済を支える
- 『快適』道路等の交通網整備によって移動性や物流が良くなる
『安全』災害から人々の命を守る
日本は以下の災害の常襲地帯であり、建設業は災害に強い国土づくりを行い、災害発生時には迅速な復旧作業に取り掛かり地域の安全を守っています。
日本を襲う災害は主に以下の4つがあげられます。
- 地震
- 台風
- 豪雨
- 豪雪
日本の地形は世界最高峰の山、エベレストがある『ヒマラヤ山脈』に似ていると言われ、
日本列島と北の千島列島、そして南の南西諸島の延長約2,000kmの形は、ヒマラヤ山脈と東のインドシナ山脈。
そして西のヒンズークシ山脈の延長2,000kmの形とよく似ています。
『安心』雇用創出や資機材消費によって経済を支える
建設業は経済面でも、以下の役割を担っています。
建設業の経済効果は以下の通りです。
- 建設需要により、工事に携わる従事者の雇用創出
- 建設工事に伴う資機材の消費
税金を使って公共投資を拡充することは、高所得者から失業者に所得の再配分を行うという格差縮小策となります。
また、失業という経済全体から見た非効率性を解消する政策でもあります。
地方によっては雇用創出という重要な役割を果たしているといえます。
『快適』道路等の交通網整備によって移動性や物流が良くなる
高速道路をはじめ、交通網が整備されることで物流が良くなります。
都市基盤が整備されることで企業等の進出が促され、企業活動が活発になると海外への輸出が増加します。
結果、GDPが増える=所得が増えて生活が豊かになるという良い循環が生まれます。
GDPとは、「Gross Domestic Product」の略で、「国内総生産」のことを指します。
1年間など、一定期間内に国内で産出された付加価値の総額で、国の経済活動状況を示します。付加価値とは、サービスや商品などを販売したときの価値から、原材料や流通費用などを差し引いた価値のことです。
極めてシンプルに例えるならば、付加価値とは儲けのことですので、GDPによって国内でどれだけの儲けが産み出されたか、国の経済状況の良し悪しを端的に知ることができます。
世界と比べた『日本』の国土の特徴
日本は他国と比べて地震が多い、川の勾配が急であることは聞いたことがあると思います。
建設業はこんな環境から起こる災害に対し、人を守る重大な役割を担っています。
相手が『自然』とはいえ、時には厳しい労働環境となってしまうのも建設業の宿命だね。
日本は世界で有数の地震国家
2011年3月11日当時、大地震を様々なメディアから確認し、流れる映像がとても信じられない光景だったのを今でもよく覚えています。
専門家の分析では東日本大震災から10年が過ぎた今でも、
『地震活動が活発な状態は長い期間続くことが考えられ、強い揺れや津波への警戒を続けてほしい』
とのことで、日本は本当に地震が多い国であることを実感させられます。
震災10年「震源域取り囲むように地震活発な地域」警戒継続を
出典:NHK(災害リスク 日本列島 どこで何が起きるのか 一覧)
滝のような日本の川
日本の川は滝のような急勾配になっていて、雨が降れば急速に下流へ流れ。河川の水位は急上昇にします。
特に、河川が蛇行しながら海へ向かう形状だと、流れの妨げとなって河川水位のさらなる急上昇の恐れがあります。
下の図のように、世界と比べれば日本の川が『急流河川』であることがわかるね。
出典:国土交通省(日本と世界の河川の比較)
まとめ
本記事では、建設業が担う役割や国土の特徴について解説しました。
建設業が担う3つの役割は、以下の3つです。
- 『安全』災害から人々の命を守る
- 『安心』雇用創出や資機材消費によって経済を支える
- 『快適』道路等の交通網整備によって移動性や物流が良くなる
上記の大切な役割を担っている建設業は、時に以下のような災害にも迅速な対応を行います。
- 地震
- 台風
- 豪雨
- 豪雪
建設業の現場監督として日々働くのが大変だと思うことも、僕自身よく実感するところです。
工事に対するクレームや嫌がらせも起こる業界ですが、一方で工事が完成して発注者や近隣住民の方に『ありがとう』と感謝の声を貰うこともあります。
建設業が背負う役割は大きい分、大変で当然といわれることもありますし、その中で施工管理技術者として働くことはやりがいも大きいです。
より働きやすい労働環境のため、『建設業の働き方改革』にも期待したいところですね。
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