今回は、現場監督として仕事を上手くこなすために、相手を引き込む会話スキルについてです。
仕事をする中で、自分のキャラで仕事をするだけでなく、「現場監督を演じる」ことも必要ということを意識してください。
普段は物静かで優しい人だとしても、時には現場監督という仮面をかぶり、厳しくしなければ、良い工事現場にはなりません。
相手に興味を持ってもらう会話ができるかどうかは、どちらかというと話すスキルより、話すために行った努力量の方が大切と言われています。
- 話のネタをインプットするための手段をもっているか
- 話のネタをインプットする時間を費やしているか
講演会などで、労働安全コンサルタントの方が建設業に関する安全について、すらすら話しているシーンを見ます。
内容は決められたものではなく、最新のごく数日前に起きた労働災害についても触れながら2時間、3時間と解説していることに対し、単純にすごいなと思いますよね。
文章に書き起こしたらたら何万文字になるのかわからないほどの情報量です。
聞くと、頻繁に講演会に出させてもらっているから、原稿を読まなくても話す内容は覚えているとのことでした。
人は情報をインプットしただけでは記憶に残らず、人に話す・メモに書く・SNSなどネット上に投稿するなど、アウトプットしなければ頭に記憶されにくいものです。
本記事では、現場監督として仕事をうまくこなすために相手を引き込む会話スキルについて解説します。
他に現場監督が業務をやるうえで大切なスキルについては、以下の記事で解説しているのでぜひ参考にしてくださいね。
急に何かを話す場面に遭遇した時のために、話のネタを用意しておく
話の内容としては、次のようなものを用意しておくのがおすすめです。
- 自分自身のことを語ることができるスピーチを作る
- 面白いと思う話題を持つ
自分自身のことを語ることができるスピーチを作る
初対面の人に、自分自身のことを知ってもらうため、相手に自分がどんな人間なのかを知ってもらうために、自己紹介ネタを作っておくことです。
仕事以外では、見知らぬ人と会話しなければいけない場面なんて、あまりないですよね。
でも仕事の場面では、仕事に関する話以外にも、親睦を深める意味でも会話が必要な場面は必ず存在します。
そんな時に、話すことがないなと思って沈黙が続いていると、せっかくのコミュニケーションの機会を失ってしまうことになります。
- 自虐ネタ
- 飼っているペットに関するネタ
- これまでの人生で失敗した話
ネタが2~3つあれば、TPO(Time:時、Place:場所、Occation:場合)に合わせて話すことができます。
急に何か話さないといけない場面、仕事以外の場面でも訪れるものです。
例えば飲み会。
最近はコロナウイルスの影響もあり、会社での飲み会も自粛が続いていますが、飲み会の場面で上層部の人らが若手の現場監督に自己紹介や、面白い話ないか?
といった感じで話を振ってくる。
僕は過去に実際、こんな経験をしました。
話をするのが苦手な僕は、こんな状況がとても嫌いでした…。
手短に話しても、「それだけかよ~」とか返されてしまう始末。
こんな嫌な思いをしないためにも、話のネタは持っておくことをおすすめします。
ただし、話のネタはあくまでも、あなたにとって大切だと思う人、仕事相手、仕事をするうえでコミュニケーションがひつような相手に対して用意しましょう。
社内の人らに対して話のネタを用意する必要は無いです。
もちろん、社内でも気の合う人に対してなら話のネタは用意すべきです。
ですが、苦手だったり、嫌な上司、できるだけ関わりたくない人に対して話のネタを考える必要はありません。
給与査定を考えて、上司へのゴマすりを怠らない…。
なんて人もいますが、年収を上げたいなら転職した方が早く達成できるからです。
良い工事成績を出せて、利益もしっかり確保できた。
給料アップは間違いない、いくらアップするかなと期待してみたら、たったの数千円アップ、どこの会社でも、給料が1年で何万円もアップすることはありません。
なので、上司を持ち上げるような行為は全く要りません。
面白いと思う話題を持つ
自分の趣味や、よく見るスポーツなどが無い人でも、ブランド服が好き、車が好き、釣りが好き、ゲームが好き…など、1つあればオタク的な話題で相手を引きつけることができます。
30歳で現場代理人になったとして、月に4日間、好きなことをした場合、働く期間が65歳までの35年間としたら、1680日しかありません。
35年の間に趣味が変われば、1つのこだわりに費やす時間は少なくなります。
時間が有限である以上、自分で経験できることは、とても少ないです。
やりたいことや、考えていること全てを経験するのは不可能でしょう。
そこで、他の人が体験した話、インターネットや本が知識を得る手段となります。
インターネットでキーワード検索をすれば、話のネタをいくらでも集めることができます。
毎日残業で、休みも取れないから、話のネタが無い。
という方は、現場監督という役になりきれていません。
仕事の時・仕事意外の時とで、ON・OFFの切り替えをしっかり行うことができれば、休みの日に、
「現場に行きたくないな…」
といった気持ちを打ち消すことができます。
誰でも、できれば働きたくないと思っています。
あなた自身の精神的な負担軽減のためにも、ON・OFFの切り替え、仕事をするときは現場監督という役になりきることを意識してみてください。
現場監督にとって重要な会話スキル
施工管理という技術面のスキル向上も重要ですが、現場監督にとって会話スキルは建設現場を運営するうえで、全てに関わるコアスキルになります。
会話スキルを身に付けるためには、話のネタを仕入れる努力をしないといけません。
ネタを仕入れる方法は、テレビやインターネット以外にも、人を観察するという方法があります。(同じ人を見すぎているとトラブルになりかねないので注意)
スマホを見ている人は、9割の人がムスっと少し怒っているような顔をしていています。
稀には嬉しそうな顔をしている人もいますが、あなたはどうでしょうか。
無意識に不機嫌そうな顔をしているということは、やはりストレスの中で仕事をしているからこそではないでしょうか。
人を観察することが気になる場合、身の回りの出来事に対して感想を独り言でも、頭の中でも構わないのでつぶやくようにしてみてください。
常にアンテナを張って、どんな時でも話のネタ作りを心がけることができれば、会話スキルは向上します。
どんなことでも、始めた時が1番大変です。
まずは1週間頑張ってみる。
1週間後には、最初の頃よりは簡単になっているはずです。
1カ月、3カ月と継続し、1年後には最初ほどの苦労は感じないはずです。
習慣化することが大事ですが、9割の人は最初の一番大変な時期に挫折してしまいます。
ですが、より円滑に工事を進めることができる現場監督になるためです。頑張りましょう。
沈黙が悪いことではない
会話をする中で、話が途切れてしまい、沈黙になる場面があります。
沈黙になるのが気まずいと思うこともあるでしょう。
でも、話すことが無かったら、無理に話さなくても大丈夫です。
ここもう、割り切ってしまいましょう。
仲の良い友達や、家族に対して、沈黙になっても気まずいとは思わないはずです。
沈黙が気まずくて嫌だと思うのは、話したくない人とも話さなくてはいけない。
という思い込みがあるから、ではないでしょうか。
沈黙が気まずいと思うということは、その相手のことがどんな人か、よくわからないから。
20代の現場監督が、40代、50代の仕事相手に話が合わないのも、仕方がないことです。
昔と今では、育ってきた環境が全く異なるからです。
みんな性格は異なるので、あなたとは波長の合わない人も必ずいます。
それを、無理に話しかけようとするのは良くありません。
沈黙はダメなことでは無い。
沈黙がダメだと思い、何か話さなくてはと悩むことに時間を割くのは、時間がもったいない。
仕事をするうえで、継続的に接する必要がある相手もいますが、仕事の話以外は挨拶くらいにして、ニコニコと愛想良く、笑顔でいれば大丈夫です。
笑顔も1つの会話ですよ。
自分自身の今後のためにも、親しくなりたい相手には、共通点を探す
現場監督として、仕事をするうえで今後のためにも、親しくなりたいと思う相手がいるはずです。
発注担当者やいつもお世話になっている協力会社の職人さん、工事現場周辺の住民。
親しくなるには、次の3つから自分との共通点を探すのがおすすめです。
- 食べ物
- 出身地
- ペット
食べ物に関する話から自分との共通点を探す方法
食欲は人の3大欲求の1つです。
食欲以外には睡眠欲や性欲がありますが、食欲は万人に話せる話題なのでおすすめです。
例えば、工事現場周辺の飲食店の話題。
工事現場近くにあるラーメン屋さんに行って、そこの名物であるモツラーメンがとても美味しかった。
地元の方ならほぼ確実に知っていますし、その店はチャーシューも美味しんだよ、など話題も広がりやすいです。
出身地の話題で、意外な共通点を探す方法
出身地の話題は、同郷であれば地元のローカルネタで盛り上がることができます。
同郷でないからといって、話題を変える必要は無いです。
相手の出身地の名物を聞いてみたり、あなたがその地域に行ったことがるのなら、その時の経験が相手の出身地ネタを引き出すきっかけになります。
多少、知識を要しますが、相手の名刺から出身地の話題に振ることもできます。
「榊原さんって愛知に多い苗字ですが、出身は愛知県ですか?」
「そうなんですよ、愛知出身なんです」
「僕は旅行として愛知に行ったことは無いのですが、1級土木施工管理の試験を名古屋で受けました」
「その時に食べたひつまぶしが、とても美味しかったのをよく覚えています!」
試験よりも、ひつまぶしが美味しかったという印象から、食べ物の話題に移ることもできます。
飼っているペットから共通点を探す方法
日本の3世帯に1世帯がペットを飼っていると言われています。
また、ペットを飼っていなくても、動物は好きでいずれ飼いたいという人は7割もいるようです。
家庭の事情でペットを飼いたくても飼えない、という人もいますし、共通点を見つけるという点では、高確率で合致するでしょう。
もし、あなたが犬を飼っているのであれば、
「最近、うちのポメラニアンが…」
という具合に話してみても良いでしょう。
相手も犬を飼っていたり、動物好きであれば、動物ネタで盛り上がることができ、親しくなることができます。
まとめ
本記事では、現場監督として仕事をうまくこなすために相手を引き込む会話スキルについて解説しました。
仕事をする中で、自分のキャラで仕事をするだけでなく、「現場監督を演じる」ことも必要です。
普段は物静かで優しい人だとしても、時には現場監督という仮面をかぶり、厳しくしなければ、良い工事現場にはなりません。
相手に興味を持ってもらう会話ができるかどうかは、どちらかというと話すスキルより、話すために行った努力量の方が大切と言われています。
- 話のネタをインプットするための手段をもっているか
- 話のネタをインプットする時間を費やしているか
講演会などで、労働安全コンサルタントの方が建設業に関する安全について、すらすら話しているシーンを見ます。
内容は決められたものではなく、最新のごく数日前に起きた労働災害についても触れながら2時間、3時間と解説していることに対し、単純にすごいなと思いますよね。
文章に書き起こしたらたら何万文字になるのかわからないほどの情報量です。
聞くと、頻繁に講演会に出させてもらっているから、原稿を読まなくても話す内容は覚えているとのことでした。
人は情報をインプットしただけでは記憶に残らず、人に話す・メモに書く・SNSなどネット上に投稿するなど、アウトプットしなければ頭に記憶されにくいものです。
本記事の内容を、ぜひあなたの現場で役立ててくださいね!
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