【寒中コンクリート】建設現場での給熱養生で使用する練炭の使用方法【安全教育】

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現場監督

冬のコンクリート工事なんだけど、日平均気温が4℃以下だから寒中コンクリートなんだ。給熱養生は練炭でやるんだけど、どんなことに気を付ければいいかな?

こんな疑問に答えます。

建設現場では、冬期のコンクリート打設後に給熱養生が必要ですね。

給熱養生方法の1つとして使用される練炭コンロですが、火を使用することになるため、現場では取扱いに注意が必要です。

では、練炭コンロを使用するうえで具体的に、どんなことに注意すればいいのか。

本記事では、練炭コンロを建設現場で安全に使用するための方法について解説します。

ランメイシ

給熱養生するための仮囲いが大きい場合はジェットファーネスを使うことが多いので、国交省のような規模の大きい工事での練炭の使用頻度は少なめ。だからこそ、練炭の安全な使用方法を知っておこうね。

この記事を書いた人
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当サイト『ゲンプラ』の運営者:ランメイシ

現場監督と家庭(プライベート)の両立を応援するために、土木工事の施工管理をやっている現役の現場監督(歴16年)が当サイトを運営。施工管理業務の悩みに全力でサポートします!ご安全に!

保有資格:1級土木施工管理技士、河川点検士

主な工事経験:河川の築堤・護岸工事、道路工事、橋梁下部工事

プロフィール詳細/現場の事故がきっかけで最悪な状況になった時の体験談

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目次

寒中コンクリートとは

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寒中コンクリートとは

土木学会「コンクリート標準示方書(施工編)」には、寒中コンクリートについて以下の通り記載されています。

  1. 日平均気温が4℃以下になることが予想されるときは、寒中コンクリートとしての施工を行わなければならない。
  2. 寒中コンクリートの施工にあたっては、コンクリートが凍結しないように、また、寒冷下においても所要の品質が得られるように、材料、配合、練混ぜ、運搬、打込み、養生、枠および支保エ等について、適切な処置をとらなければならない。

日平均気温が4℃以下になることが予想されるときは、寒中コンクリートとしての施工を行わなければならない

日平均気温が4℃以下になるような気象条件では、凝結および硬化反応が著しく遅延して、夜間、早朝ばかりでなく、日中でもコンクリートが凍結するおそれがあるので、寒中コンクリートとしての考慮が必要となります。

硬化前のコンクリートは氷点下にさらされると、容易に凍結・膨張し、初期凍害を受けます。

初期凍害を受けたコンクリートは、その後適切な養生を行っても想定した強度が得られず、劣化に対する抵抗性、水密性等が著しく劣ったものとなります。

ランメイシ

生コンクリートが固まる前に凍ってしまうと、そのコンクリートは強度が出ないから、品質が確保できないことになるね。

コンクリートが凍結しないまでも5℃程度以下の低温にさらされると、凝結および硬化反応が相当に遅延するため、早期に施工荷重を受ける構造物では、ひび割れや残留変形等が生じやすいという問題も。

また、コンクリートの露出部やメタルフォームの型枠面に直接風が当たるとコンクリートの温度がさらに低下するので注意が必要です。

コンクリートの凍結温度は、水セメント比、混和材料の種類およびその量によって若干異なりますが、およそ-2.0~-0.5℃といわれています。

気温の統計によれば、北海道、東北ばかりでなく、 四国、九州を含む全国の多くの地域でコンクリートが凍結する可能性があることに注意する必要があります。

寒中コンクリートの施工にあたっては、コンクリートが凍結しないように、また、寒冷下においても所要の品質が得られるように、材料、配合、練混ぜ、運搬、打込み、養生、枠および支保エ等について、適切な処置をとらなければならない

寒中コンクリートの施工に際して重要なことは、コンクリートを凍結させないこと。

また、寒冷下においても所要の品質が損なわれることがないように対処することがポイントで、特に重要なことは以下の通りです。

  • 凝結硬化の初期に凍結させない
  • 養生終了後、想定される凍結融解作用に対して十分な抵抗性をもたせる
  • 工事中の各段階で予想される荷重に対して十分な強度をもたせる


コンクリート給熱養生における練炭コンロ使用時の注意点

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コンクリート給熱養生における練炭コンロ使用時の注意点

建設現場で、冬期におけるコンクリート打設後の給熱養生方法の1つとして使用される練炭コンロ。

その際に一酸化炭素が発生し、通風不十分な場所では作業者が一酸化炭素ガスによって中毒となる例が多いのです。

コンクリートが固まるとき、冬期では水分が氷結するのを防止するため、コンクリート打設した場所の温度を氷結しないように暖めなければいけせん。

そのため、練炭をコンロで燃やすことによって温度を上げて、コンクリート打設時の水分が氷らないようにしています。

一酸化炭素中毒は、例年相当数の発生をみており、平成22年までの10年間で休業4日以上424件、うち死亡が39件となっています。

これについて、厚生労働省では平成10年6月1日付け基発第329号により「建設業における一酸化炭素中毒予防のためのガイドラインの策定について」を示しています。

それによると、一酸化炭素中毒の予防については、安衛則の衛生基準等が規定されています。

日々の作業上の状況が変化するなどの建設業の特徴を踏まえた対策として、このガイドラインが策定されました。

建設業における一酸化炭素中毒予防のためのガイドラインの策定についての趣旨

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建設業における一酸化炭素中毒予防のためのガイドラインの策定についての趣旨

本ガイドラインは、建設業において自然換気が不十分な作業場所における、内燃機関を有する機械の使用又はコンクリート養生作業等の業務に従事する作業者の一酸化炭素中毒を予防するため、事業者及び元方事業者が安衛法関係法令に基づき講ずべき措置に加え、作業管理、作業環境管理等について留意すべき事項を示したものです。

労働衛生管理体制

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労働衛生管理体制

① 作業責任者の選任等

一酸化炭素が発生することにより作業者の健康障害が発生するおそれのある内燃機関を有する機械の使用作業及び、練炭の使用にかかわる作業等(以下「CO作業」という)を行わせるにあたって、一酸化炭素中毒に関する知識を有する者の中から作業責任者を選任し、次の事項を行わせます。

次の事項を取り込んだ作業手順書を作成し、これに基づき業務に従事する作業者を指揮することが重要です。

  1. 作業手順書の作成者
  2. 作業を行う日時
  3. 作業内容
  4. 作業場所
  5. 作業者の数
  6. 使用する一酸化炭素発生機材など
  7. 換気の方法及び使用する換気設備
  8. 使用する呼吸用保護具
  9. 酸化炭素の濃度及び酸素濃度の測定機材の種類 測定方法及び測定時期
  10. 一酸化炭素のガス検知警報装置
  11. 練炭使用の場合その保管方法
  12. 内燃機関使用の場合その保守点検
  13. 作業の手順
  14. 緊急時の対応
  15. 関係箇所に作業関係者以外の者が立ち入ることを禁止し、その旨を見やすい箇所に表示すること
  16. 作業者が呼吸用保護具を適切に使用しているか確認すること
  17. 元方事業者は関係請負人に対する労働衛生指導を適切に行うこと

② 元方事業者による管理

関係請負人から作成された作業手順書を提出させるとともに、事前に通知させることは以下の通りです。

  1. 労働衛生を担当する者の指名
  2. 作業責任者の指名及び作業現場の巡視計画
  3. 作業者の一酸化炭素中毒にかかわる労働衛生教育の受溝の有無
  4. 作業工程ごとの作業開始及び終了予定日時
  5. 作業責任者が①~④の事項を適切に履行しているか確認するとともに、作業手順書の作成を指導する等、その履行を積極的に支援すること
  6. 作業場所の巡視を行うこと
  7. 作業手順書等により、作業の方法等が不適切であると判断した場合には、これを改善するよう指導すること
  8. 関係請負人の間における連絡調整を行うこと
  9. 一酸化炭素発生による中毒の恐れがある場合には立入禁止の措置を行うこと


作業管理

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作業管理

自然換気が不十分な場所では、内燃機関を使用する機械及びコンロ等を使用してはいけません。

ただし作業の性質上やむをえず使用する場合は、一酸化炭素中毒の予防のため、換気に加え次の事項を実施することが重要です。

① 作業開始前の管理

作業前の管理としてのポイントは以下の通りです。

  1. 一酸化炭素の発生の少ない機材を選択すること
  2. 使用する機材や警報装置を点検すること
  3. 呼吸用保護具が作業者の人数分以上あることを確認すること
  4. 呼吸用保護具の破損がないか、また、呼吸用保護具が清潔に保持されているかを確認すること
  5. 一酸化炭素の有害性を関係者に周知徹底すること
  6. 関係箇所に作業者が立ち入る作業を再開する場合は、必ず一酸化炭素 濃度等を測定し、一酸化炭素濃度の上昇等が確認された場合には、換気を行うこと

② 作業中の管理

作業中の管理としてのポイントは以下の通りです。

  1. 一酸化炭素中毒を予防するため換気を行うこと
  2. 作業者が作業を行っている間、継続的に、一酸化炭素の気中濃度を測定すること
  3. 作業者に適切な呼吸用保護具を必要に応じ使用させること
  4. 作業手順書に従って作業を行わせること

③ 作業終了後の管理

作業終了後の管理としてのポイントは以下の通りです。

  • 使用済みの防毒マスクの一酸化炭素吸収缶は、速やかに破棄しておくこと
  • 呼吸用保護具は、作業終了後清潔に保持しておくこと


④ 異常時の措置

一酸化炭素濃度が上昇し、警報装置が作動している等作業者に一酸化炭素中毒を発生させるおそれがある場合に対処する措置は以下の通りです。

  • 速やかに作業に従事する作業者及び作業場所付近の作業者を安全な場所へ退させること。
  • その場所に再び作業者を入らせる際は、十分換気し一酸化炭素濃度及び酸素濃度を確認したうえ、作業者に適切な呼吸用保護具を着用させること
  • 特に、防毒マスクによる場合には吸収缶を交換して使用すること
  • その作業場所での作業再開は、一酸化炭素濃度等の異常等の原因を調査し、換気の方法、作業方法等で問題のあったことについて必要な改善を行い、安全を確認した後とすること

作業環境管理

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作業環境管理

作業者が一酸化炭素にばく露されるおそれがある場合には、次に掲げる事項に適合する換気を必ず行うこと。

  • 自然換気を行う場合は、十分に換気が行われたことを確認すること
  • 換気は均一に行われたことを確認すること。
  • CO作業の開始前に換気の効果を一酸化炭素ガス濃度計で確認すること
  • ファンは適切に管理し、吹出し口若しくは吸込み口の量の実測により風量を使用前に確認すること
  • 換気により作業の実施に支障が生じる場合には、一酸化炭素発生機材の代替、作業方法の改善及び適切な時吸用保護具の使用等を行うこと
  • 機械換気装置の性能を確保すること
  • 機械換気においては排気式が望ましいが、送気式及び排気式の一方を使用する場合には、その作業状況に応じて有効な換気が確保できる方 式を用いること
  • 機械換気をするときは、能力に余裕のあるファンを選択するとともに、圧力損失も考慮すること


警報装置

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警報装置

警報装置の内容は以下の通りです。

  • 機械及び設置場所の選定に際しては、ガスの検知目的、検知場所等の作業環境条件等を考慮すること
  • 警報を発していることを作業中の作業者に速やかに知らせることができるものを選択すること
  • 複数の作業場所で作業が行われている場合には、それぞれの作業場所に設置すること
  • 検知場所の環境条件にあわせ、必要に応じて、フィルタ、防滴カバー等を装着すること
  • 使用前に作動確認をすること
  • 使用時の強い振動や衝撃等を避けること
  • 急激な環境条件の変動を避け、作業前にゼロ調整は必ず行うこと
  • 適切な保管をし、日常点検及び定期点検整備を行うこと

呼吸用保護具

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呼吸用保護具

作業者に対して、このガイドラインの内容を踏まえた呼吸用保護具の内容は以下の通りです。

  • 適切な呼吸用保護具を使用すること
  • 作業環境中の一酸化炭素濃度及び酸素濃度等を考慮し、適切なものを使用すること
  • 呼吸用保護具の使用にあたっては、フィットテストの実施等適正な着用を行わせること

健康管理

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健康管理

作業者に対して、このガイドラインの内容を踏まえた健康管理の実施内容は以下の通りです。

  • 雇い入れ時及び定期の健康診断を実施すること
  • 健康診断の結果に基づき、適切な健康診断実施後の措置を講じること

労働衛生教育

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労働衛生教育

作業者に対して、このガイドラインの内容を踏まえた教育の実施内容は以下の通りです。

  • 雇い入れ時等の教育
  • 日常の教育
  • 緊急時の訓練
  • 作業場の一酸化炭素濃度が急激に上昇する等の緊急時に備え、避難や連絡体制等の訓練


一酸化炭素中毒災害防止に関する資料・ウェブサイト・リーフレット

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一酸化炭素中毒災害防止に関する資料・ウェブサイト・リーフレット

建設現場に関連した一酸化炭素中毒災害防止に関する資料・ウェブサイト・リーフレットをまとめました。

安全教育資料としても活用できるので、ぜひ参考にしてくださいね。

中央労働災害防止協会 – 建設業における一酸化炭素中毒予防のためのガイドラインの策定について

東京労働局 – 建設現場における一酸化炭素中毒災害防止について

建設業労働災害防止協会 – 建設業における一酸化炭素中毒予防のためのガイドラインのポイント

建設安全研究会 – 一酸化炭素中毒 ココが危ない エンジン式機械の正しい使い方

厚生労働省 – 建設現場における一酸化炭素中毒を防ごう!(YOUTUBE)

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