現場での施工管理

【優秀な工事成績獲得を目指して】発注者の信頼を得るためのスキル

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発注者と良好な関係を築いて信頼を得るということは、現場を運営していく現場監督にとって重要なスキルとなり、工事成績にも影響するスキルです。

信頼を得るための基本となる考え方は、相手の立場を考えることです。

相手の立場を考えるとは、どういうことか。

発注者は何が怖いのかを考えて、怖いものを取り除くように工事を遂行すればよいことになります。

発注者が怖いのは、会計検査官ということになります。

発注者が恐れる会計検査なら、会計検査に引っかからないように受注者が考えて工事を進めていけばいいことになります。

ここが現場監督の腕の見せ所で、信頼を得るテクニックです。

打合せの場面ではノートを持参し、必ずメモをとる

発注者との打合せの際はノートを持参し、必ずメモを取りましょう。

これは、打合せ内容を確実に覚える自身があったとしてもです。

メモを取らないのを見たら、この現場監督は自分の言ったことを守って工事を進めてくれるのかと、疑いを持たれます。

技術的なことの前に、少なくとも発注者にそんな心配をさせる現場監督は、信頼を得ることはできません。

それと、打合せの最後に必ず話の内容を1分程度で手短に確認を行うようにします。

さらに、発注者の対応によってするか、しないか選ぶべきではありますが、打合せの当日中か翌日までに、打合せ内容をメールしましょう。

電話は相手の時間を強制的に奪うことになるので、この場合は絶対にメールにした方が良いです。

工事打合せ簿として議事録を報告する方法でもいいですが、毎回議事録を作成するのも大変なので、重要な内容に限り議事録を作成するというやり方で大丈夫です。

期限のあるタスクは、必ずその期限より前に完了させる(レスポンスはできる限り早く)

期限のある提出物や、検討事項がある場合は、最低限、提示された期限は守りましょう。

できれば期限ぎりぎりではなく、3~4日前など、余裕をもって提出できれば万全です。

工事打合せ簿関係書類の内、特に設計変更が絡む協議書は、発注担当者の思いと合致しない場合もあります。

前もって提出することで、手直しなど含めて期限内とするためにも、期限より余裕を持った提出は大切です。

発注担当者から手直しがあった場合は、速やかに修正して再提出することは当然ですが、現場だけでは決定できないことも起こり得ます。

例えば、会社の上司に相談が必要なケース。

係わる人が増えれば増えるほど、すぐに連絡が取れないということもあって、期限を守ることができなかったという可能性も出てきます。

発注者に対することで、この仕事は後でやればいいだろう、は厳禁です。

現場監督はやるべき業務が多いですから、ほぼ常に常に複数の仕事を抱えているはずです。

ですが発注担当者に、

「他にもいろいろと、やることがありまして…」

なんて言っていては、発注担当者から信頼を得ることはできません。

発注担当者から依頼の仕事と、社内向けの仕事。

どちらかを優先するべき状況なら、発注担当者から依頼の仕事を優先してください。

そしてこの時、会社の上司には、

「発注担当者から〇〇の件で明後日までに資料作成を頼まれていて、先日の会議の議事録作成が遅れます」

など、ひと言でもいいので遅れる理由が発注者対応のためと、上司に説明しましょう。

上司も過去に同じ状況を経験していますから、あなたの境遇を理解してくれるはずです。

受注から工事開始までの準備期間は、週に1回は発注者と打合せを行い、自分のことを売り込む(打合せのネタを絶えず用意する)

あなたが担当する工事の発注担当者が、初めてあなたと関わる場合。

発注担当者が年齢の若いあなたを見て、

「ちゃんと工事を進められるのか?工事に関する知識を持っているのか?」

と疑問に思うはずです。

工事の受注から、工事の着手までの準備期間こそ、あなた自身を発注担当者に売り込むチャンスです。

あなたが初めて現場代理人をやる場合、現場の状況も詳しく把握していないし、何を打ち合わせすればいいのかも、よくわからないでしょう。

工事も始まっていないのに、毎週打ち合わせに行く必要は無いだろうと思いがちですが、それではせっかくのチャンスを失ってしまいます。

発注担当者と良好な関係を築いていくためにも、あなたの方から積極的に近付くことを意識してみてください。

発注担当者の仕事の取り組み方も人それぞれ、直接聞く以外にもさまざまな手段から情報は得られる

発注担当者に、朝は何時にデスクに来られているか、直接聞いてみてください。

定刻通りの担当者もいれば、たくさん抱えた仕事を溜めないために時間外も仕事、あるいはメール対応はするという発注担当者もいます。

注意点として、急に電話をかけて今から打ち合わせに伺いますとか、すぐに現場に来てくださいなど、一方的なやりとりは厳禁です。

発注担当者の予定そっちのけで、あなたの都合を押し付けていては、信頼を得るには逆効果です。

まずは、発注担当者の都合を確認したうえで、行動に移りましょう。

時間外の連絡であれば、メールがおすすめです。

発注担当者と冗談を言えるくらいの関係になるには

あくまで僕の経験上であり、その人の性格によるので絶対とはいえませんが、発注担当者と10回以上は会って、打合せなり行ってからでないと、冗談は言うべきでは無いです。

受注からほぼ毎日、今はコロナウイルスの影響もあるので対面を控えるとしても、電話かメールでいいので連絡を取ります。

まずは発注担当者に、自分のことを真面目にアピールしてください。

発注担当者の反応をみて、電話でのやりとりが好印象なら、そのまま電話連絡で構いません。

電話時に忙しそうだと感じたなら、発注担当者の好きなタイミングで用件を確認できるメール連絡に変えるという手もあります。

これまで毎日来ていた、あるいは連絡をとっていた人が急に来なくなった、連絡してこなくなった。

となると、その人が気になってしまうという、心理テクニックです。

初回の現場臨場検査は徹底的に準備を行い、万全の状態で迎える(事前に立会時の資料を再確認し、現場でリハーサルを行う)

第一印象が重要で、段階確認などの現場臨場(立会)検査は、現場内の全てに気を使い、整然とした状態にしてください。

初回の現場臨場時に、カラーコーンが倒れていたり、ゴミが落ちていたりしていると、管理が行き届いていないと、印象が悪くなります。

今回は現場内の、この部分の検査だからと、検査対象箇所だけを意識してしまいがちですが、発注担当者は見方が違います。

あなた自身は毎日現場を見ているので、見落としてしまうかもしれません。

しかし、発注担当者は検査項目とともに、現場の進捗や安全施設、現場内が整然となっているかもチェックしています。

直接言われなかったとしても、第一印象で現場内が奇麗か、奇麗でないかは判断しています。

現場立会時の資料は、発注者用と自分用とで2部用意し、降雨が予想される場合は耐水紙で資料を印刷しておく

現場立会にて、例えば出来形の検査の際に、資料を1部しか用意していなかった場合。

その資料を発注担当者に渡すわけですから、当然あなたの手元に資料は無い。

検査をスムーズに進行するためにも、立会時の資料は、発注担当者用とあなた用の2部、用意しましょう。

出来形測定箇所の設計値は頭に記憶しているとして、実測値まで完璧に覚えていることは無いと思います。

もちろん、実測値も完璧に記憶しているのならば、資料は発注担当者に渡す分の1部で済みます。

しかし、出来形測定箇所の実測値までは記憶する必要は無いです。

出来形実測値なんて、その場限りでしか確認しない、その後にあるとすれば中間技術検査や完成検査でしかありません。

記憶する時間があったら他の仕事に時間を費やすべきです。

コンクリート構造物が検査対象なら、測定箇所をマーキングし、鉛筆かマジックで実測値をあらかじめ書いておくのも良いでしょう。

また、降雨時の現場立会が予想される場合は、資料を普通紙ではなく、耐水紙で印刷して用意しておきましょう。

発注担当者も、気が利くなと喜んでくれます。

提出書類は質問されても自分で全て説明できるよう内容を隅々まで把握しておく

打合せで使用する書類を、上司にも作ってもらったりした場合。

上司が作ったから問題無いだろうと思い、内容を詳しく把握せずに発注担当者と打合せに臨むのは危険です。

これは、上司の作った書類に問題があるわけではありません。

上司に作ってもらった書類で、発注担当者から質問された時。

あなたは内容を詳しく知らない書類に自信をもって質問の返答ができますか?

言い方は悪いかもしれませんが、ハッタリだとしても、実はそんなに詳しくは知らないことだったとしても、受け答えは堂々と、ハキハキと答えるべきです。

あなたが解体工事の専門の人に、質問をしたとして、その解体工事の専門家から自信無さげに返答されたら、どうですか?

この人、大丈夫なのかな?ちゃんと知っているのかな?

と思いませんか?

正解を知らないのに勘で答える、ハッタリをかますというのは良くないことですが、時には相手を納得、安心させてあげるということも必要です。

信頼を築くには1つ1つの積み上げでしかなく、近道は無い

細かいことではありますが、信頼度を上げていくには小さいことの積み上げしかなく、近道はありません。

逆に、1度の事故や約束を守らないなど、信頼を失うのは簡単です。

僕自身も、あの時はこう対応すればよかったな、とか考えることがあります。

発注者には、誠意を持って工事に臨みましょう。

発注担当者に良く見られたいからと、常に気を張っているのがキツイと感じる場合もあるはずです。

そんなときは、現場監督としての自分と、普段(素)の自分とで、キャラを変えてみてはいかがでしょうか。

現場監督としてしてのキャラを演じるということについては、次の記事で詳しく解説していますので、よければ参考にしてみてください。

現場監督として仕事をうまくこなすために相手を引き込む会話スキル