【建設現場の原価管理】工事で利益を上げるためのチェックポイント6選

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現場監督

現場で利益を出すために、具体的にどんなことをやればいい?

こんなお悩みに答えます。

この記事を読んでわかること
  • 実行予算に計画していなかった追加工事によって、利益が減ってしまうのを防ぐ方法
  • 原価管理の模範になる工事のマネをするのが成功への近道である理由
  • トラブルやリスクを考えずに発注することの危険性

建設工事は単品受注生産で、現場条件が同じといった工事が無いため、入念な事前準備と現地調査が必要。

ランメイシ

現場監督は工事書類の作成に打合せ、発注者や地元との対応に気を取られ、原価管理だけに集中はできないよね。

現場監督の主な施工管理業務
  • 原価管理
  • 安全管理
  • 品質管理
  • 工程管理

残業も含めて労働時間を増やせば、一時しのぎにはなりますが、10年・20年と続けてそんなライフスタイルは送りたくないですよね。

業務が多くて大変な状況でも、工事を担当するからには利益を出して、良い現場監督として評価されたい。

そこで本記事では、工事で利益を上げるためのチェックポイント6選について、詳しく解説します。

業務の時短・手間の軽減につながるので、ぜひ参考にしてくださいね。

本記事は、『建設業・利益を上げる一歩上いく現場運営 – 経済調査会』『建設業コスト管理の極意 – 日刊建設通信新聞社』を参考に、歴16年以上の土木施工管理を経験している現役の現場監督(サイト運営者)の実務経験を補足し、作成しています。

原価管理を手抜きしないあなたに知っておいて欲しい現場監督という職業の闇(クリックで開きます)

あなたは、ある日突然今の会社に居られなくなったとか、家庭環境が変わって今の仕事を辞めないといけない状況になったら、どうしますか?

現場監督

今の会社でやっていけてるから、そんなネガティブなことなんか考えてないよ。

ランメイシ

忙しかったら悩んでるヒマもない!ってこともありますよね。

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まぁ現場でトラブルが起きたり、検査前の残業とか立場上の責任の重さで、施工管理って大変なことも事実だけどね。

現場監督って施工管理の業務が多くて、定時を過ぎてから事務所で書類仕事を始めたり、現場の段取りや原価管理など、考えること・悩むことが多くて大変ですよね。

ランメイシ

僕も経験年数で15年以上、土木の現場監督をやっています。施工管理は定時で帰ることは基本的にできないし、書類作成や工事関係者との対応と、やることが多いですよね。

ランメイシ

ちなみに僕は、担当する工事現場での事故がきっかけで、上司から罵声や嫌がらせを受けた経験があります…。

工事現場での事故の影響は私生活にもおよび、メンタルを病んで離婚の危機を迎えてしまう最悪な人生に転落…。

休日出勤は当たり前、そして平日も夜遅くまで仕事を頑張っていたのに、「なんでこんな酷い目にあわないといけないんだ…」と、生きるのがつらいと思うほどの日々を過ごしてきたんです。

ランメイシ

事故を起こしたのは下請業者ですが、責任は元請。だから現場の所長だった僕が全部悪いという状況になったんです…。

色々ありましたが、今では事故があって最悪な状況だった頃と比べて年収を100万円アップすることに成功。

時間にも余裕ができた結果、このブログを始めたり、休日は家族と一緒に過ごす時間ができました。

ランメイシ

もちろん今も建設会社で土木の現場監督をやっていて、主に国交省の公共工事(官庁工事)を担当していますよ。

現場監督

2年で年収100万円アップとかウソっぽいし、現場監督がブログとかやってる時間、無いと思うんだけど?

そう思いますよね。

まずブログに関しては、このブログ『ゲンプラ 現場監督と家庭(プライベート)の両立を応援』を土木の現場監督である僕(ランメイシ)が運営しています。

年収100万円アップについては、写真をお見せしますね。

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ランメイシ

令和2年に、どん底の人生から転機が訪れました。

とは言え、建設業は企業規模による年収の格差が大きい業界です。

ゼネコンでも、中小企業と大企業とでは平均年収に大きな差があるのも事実。

年収が400万円から500万円台になったところで、「現場監督で年収500万は大したことないよ」って思うかもしれません。

でも、たった2年で年収100万円アップできたことには、大きな意義があると思っています。

現場監督

普通に現場監督として働いてても、たった2年で100万円も年収は増えないよね…。

現場監督を続けてきて、以下のような悩みを感じたことはありませんか?

現場監督の悩み
  • 年々、責任は増えるのに給料は増えない
  • 現場の最盛期や検査前は夜遅くまで残業するのが当たり前で、これが定年まで続くと思うとウンザリする
  • いつも残業、休日出勤で家族とすごしたり、趣味の時間が確保できない
  • 家庭を持っていると、労働条件に不満はあっても生活の安定のために、我慢して働くしかない
  • 勤務時間が長く、休みも少ないから、家事・育児で妻に負担をかけている
  • 仕事で疲れが溜まり、休日は外出する気力が無くほとんど家で過ごしている
  • 人間関係がしんどい
  • ゲリラ豪雨や線状降水帯のせいで、夜中でも緊急対応で現場に行かないといけない

年間通して忙しいワケじゃないけど、「やってられない」って思うこと、たまにはありますよね。

現実的に考えて、異業種に転職したら年収が下がるのは、ほぼ確実。

だからといって、今の会社で年収が100万・200万と増える未来は期待できないし、仕事が減るなんてありえない…。

でも、もし「収入アップ」「時間の余裕」が実現できたら?

ランメイシ

年収100万円アップと時間の余裕によって得られたもの。僕の場合、こんなに嬉しいことがありました。

収入アップと時間の余裕によって実現できる嬉しいこと
  • 家族や友人など、大切な人と一緒に過ごす時間ができる
  • 自分へのごほうびや貯金、家族サービスに使うお金を増やすことができる
  • 趣味に使うお金も増やすことができる
  • 自分の心に余裕ができる
現場監督

こんなことが実現出来たら嬉しいけど、周りの人も転職とか考えてるのかな…転職活動なんてやってないんじゃないの?

ランメイシ

みんな言わないだけで実は転職活動してるって人、結構いるんですよ!

当ブログではクラウドワークス及びSNSで現場監督100人にアンケート調査を行ったので、結果をお伝えします。(調査期間:2023年1月~5月)

【現場監督限定】今、転職活動していますか?
72人/100人中
転職活動している
28人/100人中
転職活動していない

100人のうち72人と、現場監督の7割が転職活動をしているという結果になりました。

ランメイシ

2人に1人は転職している時代ですから、実はみんな転職のことを考えているという、この結果は妥当と言えます。

「あの時、行動しておけば良かった…」という後悔はしたくないですよね。

次のアンケート結果です。

【現場監督限定】転職活動していることを仕事関係者に言っていますか?
6人/72人中
言った
66人/72人中
言ってない

「転職活動していることを仕事関係者には言っていない」と回答した人の中で、より詳しく教えてくれた方からは、

「転職活動してることが会社にバレたら裏切者扱いされたり、わざと大変な仕事を任されそうだから」

「昇給や昇進に影響が出たら困るから」

とも答えてくれました。

ランメイシ

辞めようとしている社員に良い待遇なんか、するわけ無いですよね。仕事関係者に自分が転職活動してることは言わないのが無難でしょう。

現場監督

みんな黙ってるだけで、みんな先のことを考えて転職は視野に入れてるんだね。

あなたが知らないだけで、もっと良い条件で働ける会社があるかもしれません。

今の会社で特に不満が無かったとしても、実は市場価値よりかなり安月給で働かされているとしたら?

本当に会社があなたを大事にしたいなら、「もっと給料を増やしてほしい」など、条件の交渉くらい応じてくれるはず。

でも、調べないと今の年収が適正かどうか、わからないですよね?

行動が遅れるほど、生涯年収に差が広がります。

dodaが公表している2022年12月の求人に関するデータの通り、「建設・不動産」業界は求人倍率が4.33倍。

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 求人倍率前月差前年
同月差
求人数
前月比
転職希望者数
前月比
建設・不動産4.33↑0.49↑0.5210290.4%
出典:転職求人倍率レポート(2022年12月)

つまり、転職希望者1人につき4件以上の求人があり、募集する企業側も給料など条件を競合よりも良くして、人材を確保しようとしています。

何が言いたいかというと、今の会社より良い条件で働ける企業を探すには、今が一番良い状況なんです。

今の会社より、年収が上がる会社・休みが多い会社・福利厚生が充実した会社。

そんな良い会社があったら、今の会社で働き続けるのは損ですよね。

例えば下の図のようにAさんとBさん、2人が同じ年収400万円からスタートして、毎年10万円ずつ昇給したとします。

2人とも毎年10万円ずつ年収が増えていきますが、Bさんは5年目に転職して年収100万円アップに成功しました。

その後もお互い毎年10万円ずつ昇給して10年が経つと、なんと2人の合計で稼いだ額に540万円も差がついています!

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2人の年収推移の例
現場監督

1年分の年収差がついてる!

手元に残るのは手取り年収なので実際の金額差は少なくなりますが、こんなに差がつくんです。

現場監督

確かに…「ウチの会社、全然給料増えないわ~やってらんね~」とか言ってる暇があったら、何かしないとって思うね。

もっと年収を上げたい、もっと休日を増やしたい。

自分の生活を良くしたいなら、自分で行動するしかありません。

現場監督

でも、逆に年収が下がったり待遇が悪くなる可能性もあるでしょ?

それなら、今の会社で働き続ければ良い!という判断ができますよね。

ランメイシ

転職活動は「後出しジャンケン」です。
年収が上がる・残業が減る・休日が増えるといった希望に沿う会社が見つかったら転職を考えればいいし、微妙な会社しか無いな~と思ったら、今の会社に残れば良いだけですから!

\今より年収アップや休みが増やせるか、無料でわかります/

収入アップと時間の余裕によって実現できる嬉しいことは…

家族や友人など、大切な人と一緒に過ごす時間ができる!

自分へのごほうびや貯金、家族サービスに使うお金を増やすことができる!!

趣味に使うお金も増やすことができる!

自分の心に余裕ができる!

この記事を書いた人
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当サイト『ゲンプラ』の運営者:ランメイシ

現場監督と家庭(プライベート)の両立を応援するために、土木工事の施工管理をやっている現役の現場監督(歴16年)が当サイトを運営しています。施工管理業務の悩みに全力でサポートします!ご安全に!

保有資格:1級土木施工管理技士、河川点検士

主な工事経験:河川の築堤・護岸工事、道路工事、橋梁下部工事

プロフィール詳細/Twitter/お悩み相談所/最悪な現場監督生活からの転機

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当サイト『ゲンプラ』の運営者:ランメイシ

現場監督と家庭(プライベート)の両立を応援するために、土木工事の施工管理をやっている現役の現場監督(歴16年)が当サイトを運営しています。施工管理業務の悩みに全力でサポートします!ご安全に!

保有資格:1級土木施工管理技士、河川点検士

主な工事経験:河川の築堤・護岸工事、道路工事、橋梁下部工事

プロフィール詳細/Twitter/お悩み相談所/最悪な現場監督生活からの転機

目次

失敗しないための「協力業者への工事の発注」

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実行予算に計画していなかった追加工事によって、利益が減ってしまうのを防ぐにはどうすればいいか。

ランメイシ

発注業務をする時の手順を解説するね。

サイト運営の工事経験と、建設業のコスト管理に関する書籍の知見から、発注業務をする時の手順は以下の通りです。

発注業務をする時の手順
  1. 過去に経験した同種工事 (同種工事でないとしても参考になる工事) の実行予算と清算書を確認する
  2. 実行予算と清算書で、支払に差異が出ている工種を洗い出す
  3. 洗い出した工種ごとに、協力業者に対して契約以外に支払が発生した内容をピックアップする
  4. 契約以外に支払をした内容に対して、詳細な理由を検証する
  5. 今後発注する工事において、検証した理由が当てはまりそうな内容については、見積り条件に反映させる
  6. さらに、工事する現場を現地で見て、見積り条件に記載しておく必要のある条件を追加する

上記の手順で、契約以外の支払が発生しないように見積り条件を作成します。

現場監督

経験のない工事を担当する場合は、どうすればいい?

経験のない工事を担当する場合は、経験のある社内の技術者に、工事における問題点や契約上の条件についてアドバイスを貰いましょう。

特に、実行予算と支払金額に差異が発生した金額(契約以外に支払をした追加金額)を押さえます。

「支払をした追加の契約金額」で比率を計算し、最悪の場合はその比率分について追加の支払が発生するかもしれないと考えます。

つまり、実行予算の計画される単価(金額)はリスク分を上乗せしておく必要があります。

原価管理の模範になる工事のマネをするのが成功への近道

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経験豊富なベテラン現場監督なら、リスクを実行予算に上乗せしないで工事を完成できる人もいます。

現場監督

何かコツはあるの?

工事を始める前に、完成形をイメージして詳細な施工計画を作ることで、リスクを契約する条件に反映して、契約に無い追加支払いが無いように管理しましょう。

現場監督

詳細な施工計画…経験豊富な現場監督じゃないと、難しそうだね。

ランメイシ

そう。だからこそ、社内に模範になる上司がいることは、あなたが良い現場監督になるための近道!当サイトも土木施工管理16年以上の僕が記事を作っているから参考にしてね。

決めた実行予算よりも利益を上げるためには、実行予算と発注する金額に差が必要。

つまり、 実行予算で計上した金額と発注する金額の差が現場に残る利益です。

発注業務をする場合の考え方
  1. 実行予算書の「材料費」をチェック
    • 行予算書に計上した材料単価×90%で材料が購入できれば10%分の金額が残る
  2. 実行予算書の「外注費」をチェック
    • 実行予算書に計上した施工単価×85%で発注できれば、外注費の15%分の金額が残る
  3. 実行予算書の「共通仮設費・現場管理費」をチェック
    • 計上した項目の中で使わないで済んだ金額や工期を短縮して人件費を節約できれば、その金額は残る

実行予算で計上した金額をどのような手を使って残すかが、実行予算の利益をアップさせるテクニックとなります。

ランメイシ

担当の工事で実行予算書の利益をさらにアップできれば、会社からの評価も良くなって給料(市場価値)アップにつながるよね。

実行予算と発注する金額の差が現場に残る利益

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実行予算で計上した金額と、協力業者に発注する契約金額との「差」が、工事の利益。

ランメイシ

当たり前の話だけど、忙しい時ってこのことを忘れがち。

実行予算で計上した金額をそのまま発注していると、実行予算以上の金額は残りません。

つまり、実行予算の計画利益以上に利益を出すことができません。

また、工事をする上で発生するトラブルやリスクを考えて、契約の条件書を作成することも必要です。

トラブルやリスクを考えずに発注すると、工事の途中で問題が起きて、契約通りに工事を進められない事態になることも。

そんな問題が発生する度に、「契約に無い追加工事だから」と協力業者から費用を請求されることになります。

現場監督

発注者との協議案件として、設計変更の対象になるならいいけど、「みなし」案件で大きな費用が掛かったら、実行予算のどこからお金を引っ張るか、悩みの種になるね…。

実行予算に計上していない金額は出どころが無いため、当初に計画した利益分から支払いをする必要があります。

つまり、利益が減ってしまいます。

ランメイシ

予想外の出費にガッカリして、実行予算で計画した利益が減っていくと、精神的な重圧を受けながら工事を進めていくことになるね…。

こんな精神状態では現場を上手く運営することができないし、赤字になってしまう危険があるとしたら…。

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鬱になるかも…。

不安から夜、寝つきが悪くなったり、考え事をして眠れなくなります。

そのような状態が1週間も続くと、精神的に危険な状態。

現場から逃げたいという気持ちになり、仕事が上の空になっていきます…。

まとめ

実行予算に計画していなかった追加工事によって、利益が減ってしまうのを防ぐには、以下の手順で契約以外の支払が発生しないように見積り条件を作成します。

発注業務をする時の手順
  1. 過去に経験した同種工事 (同種工事でないとしても参考になる工事) の実行予算と清算書を確認する
  2. 実行予算と清算書で、支払に差異が出ている工種を洗い出す
  3. 洗い出した工種ごとに、協力業者に対して契約以外に支払が発生した内容をピックアップする
  4. 契約以外に支払をした内容に対して、詳細な理由を検証する
  5. 今後発注する工事において、検証した理由が当てはまりそうな内容については、見積り条件に反映させる
  6. さらに、工事する現場を現地で見て、見積り条件に記載しておく必要のある条件を追加する

経験のない工事を担当する場合は、経験のある社内の技術者に、工事における問題点や契約上の条件についてアドバイスを貰いましょう。

実行予算の計画される単価(金額)はリスク分を上乗せしておく必要があります。

経験豊富なベテラン現場監督のように、リスクを実行予算に上乗せしないで工事を完成するには、完成形をイメージして詳細な施工計画を作ることがポイントです。

だからこそ、社内に模範になる上司がいることは、あなたが良い現場監督になるための近道になります。

実行予算で計上した金額をどのような手を使って残すかが、実行予算の利益をアップさせるテクニックとなります。

また、原価管理として工事の始めに取り掛かる「実行予算の作成方法」については、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね。

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