現場の問題点や事故の発生を予測し対策するスキル
本記事は、現場監督に必要なスキルのうちの1つ。
「現場で起きる問題を予測するスキル」についてです。
建設現場において、どういった状況で問題が起きるのか。
それは、次のような状況下での問題発生が多いです。
- 情報共有が不十分であったことが原因による問題発生
- 事前調査の不足が原因による問題発生
それぞれ次から詳しい内容と、対策について解説します。
当サイト『ゲンプラ』の運営者:ランメイシ
現場監督と家庭(プライベート)の両立を応援するために、土木工事の施工管理をやっている現役の現場監督(歴16年)が当サイトを運営。施工管理業務の悩みに全力でサポートします!ご安全に!
保有資格:1級土木施工管理技士、河川点検士
主な工事経験:河川の築堤・護岸工事、道路工事、橋梁下部工事
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保有資格:1級土木施工管理技士、河川点検士
主な工事経験:河川の築堤・護岸工事、道路工事、橋梁下部工事
情報共有が不十分であったことが原因による問題発生と対策
情報共有が不十分であったことが原因による問題発生への対策は以下の通りです。
- 建設現場は情報共有(報告・連絡・相談)が重要
- 経験年数の浅い現場監督の場合はどうすべきか
- 得た情報を現場の関係者に全て伝えられているか
- 元請職員のみで行う行動予定会議
それぞれ、詳しく解説するね。
建設現場は情報共有(報告・連絡・相談)が重要
建設現場は情報共有が非常に重要です。
やってはいけないこととして、
- 言わなくても、わかっている「だろう」
- これくらい報告しなくても、大丈夫「だろう」
建設現場において、このような予測だけでの行動は厳禁です。
不完全な情報共有こそ、事故や第三者からの苦情、工事の手戻りの原因になるからです。
そして、情報共有して得た情報をどう扱うかがポイントです。
立場上、現場で1番情報を持っていなければいけないのは現場監督ですね。
- 発注者や関係機関との打合せ内容、
- 協力業者との契約内容、
- 工事に使用する材料の価格、
- 実行予算
- 工事の進捗率・出来高
- 社内の情報
これらの情報は、現場監督に集中しているわけです。
経験年数の浅い現場監督の場合はどうすべきか
施工管理の経験年数が1~3年目のような、経験が浅い現場監督さんは予算や出来高などの特に原価管理についてはあまり関与しないかもしれません。
ですが、いずれ現場代理人や監理技術者の立場になれば原価管理は必ず行う業務です。
あまり理解できなかったとしても、何にどれだけのお金がかかっているのかは上司に聞いておくと、今後の参考になりますよ。
得た情報を現場の関係者に全て伝えられているか
現場監督は、得た情報を現場の関係者に全て伝えられているかがポイントになります。
発注者との打合せの内容は、その度に情報が更新していきます。
その更新した情報も、現場監督は現場の関係者に全て伝えなければいけません。
やってしまいがちな間違いとして、
- 自分だけが知っておけばいいだろう。と思って伝えないパターン
- 言わなくても、それくらいわかっているだろう。と思って伝えないパターン
こういった間違った考えは情報が現場に届かず、次のようなリスクが出ます。
- 事故発生リスクの引き上げ
- 品質の低下
- 発注者・協力会社への信頼度の低下
現場は様々な業者が協力し合って出来上がります。
全ての作業を自分自身で行うことができれば問題ありませんが、体がいくつあっても足りなくなるのは目に見えますよね。
したがって、毎日変化していく現場の情報は現場の全ての人に伝える必要があります。
建設現場はチーム戦であり、個人戦ではありません。
情報は現場の人全員に行きわたっていないと、全員が同じ方向へ進むことができません。
もし、誰かが間違った方向へ向かっていると、トラブル発生の原因になります。
現場で働く人は20代~60代と幅広く、考え方や技術レベルも異なります。
同じ話でも違った解釈をされたまま進んでいくことがあります。
対策をしようにも、忙しいときに個別で説明をしている時間を確保するのは難しいですよね。
なので、例えば朝礼前や休憩時間などに、仕事に関する話以外に世間話など、仕事とは全く関係無い話をして、相手の人柄を把握するのも現場監督の役目です。
元請職員のみで行う行動予定会議
情報共有の相手は発注者や協力会社だけではありません。
国交省が発注する工事のように、大規模な事業では1つの工事に現場代理人、監理技術者、担当職員というように2~3人の現場監督で現場を運営していますよね。
17時に現場が終業し、現場事務所に戻って、
「あ~、今日も疲れたな」
「今日は予定より進んだな、なかなか順調だ」
「明日は出来形測って、写真も撮ろうか」
こんな会話になっていませんか?
もちろんこのような会話が悪いわけではありません。
しかし、本当に効率よく働き、生産性を上げるならば、翌日の行動予定会議は必須です。
僕は実際に現場でやっているのですが、例えば
- 現場代理人…8~9時(舗装工事指示)、9~12時(打合せ書類作成)13~15時(発注者と打合せ)、15~17時(舗装工出来形)
- 監理技術者…8時~9時(盛土工指示)、9~11時(鉄筋・型枠工指示)、15~17時(舗装工出来形)
- 担当職員…8~10時(施工状況写真撮影)、10~12時(出来形準備)、13~15時(施工状況写真・出来形準備)15~17時(舗装工出来形)
実際はもっと細かく予定表に内容を書いていますが、このように、それぞれが翌日はどう動くのかを情報共有することで、無駄なく仕事ができます。
「こんなことやるくらいなら自分の仕事片付けて早く帰りたい」
こう思う方もいると思いますが、習慣化できた頃には短時間で行えるし、特に手戻り・手待ちは格段に減少するので、おすすめですよ。
事前調査の不足が原因による問題発生と対策
公共工事であれば、土木工事共通仕様書に記載されていますが、架空線・埋設物調査といった、工事着手前に現場で行うべき調査が不十分だったケース。
架空線や高架への接触防止対策は、「高さ制限ゲート」を現場の出入口に設置
架空線・高架への接触事故として特に多いのが、ユニック車のブームを下げ忘れたままの走行と、ダンプトラック荷台の下げ忘れです。
この事故を防ぐなら、建設現場の出入口に高さ制限ゲートを仮設で設置する。
現場周辺の架空線や高架下の高さ確認は必須ですが、この方法が確実です。
この2つが原因の事故は、ヒューマンエラーですね。
作業手順通りに行っていれば防げるはずの事故が、なぜ起きてしまうのか。
人間は次のような状況でミスを起こしやすいといわれています。
- 考えごとをしている
- 悩み事がある
- 体調が悪い
この3点を防ぐには、雑談含め、よく話をすることです。
正直に話しますと、僕が現場代理人として担当した工事でも、失敗の経験があります。
架空線・高架への接触防止のために現場の出入口に単管で作った高さ制限ゲートにダンプの荷台が引っかかってしまったのです。
ダンプの荷台を下げ忘れ、単管の高さ制限ゲートにぶつかり、
「ガシャン!」
という音で事態に気付いたとのこと。
事故防止のための仮設物に接触で済んだのが不幸中の幸いでしょうか。
これが道路上の何かしらの電線だったらと思うと…恐ろしいですよね。
予算が無いからといって安全を軽視していると、いつか必ず痛い目にあいます。
地下埋設物の事前調査
バックホウで掘削中、地中に埋設されていた水道管を破損してしまった。
舗装カッターで浅い位置に埋設されていた通信ケーブルを切ってしまった。
建設業にいたら、一度くらいは聞いたことあるよね…。
図面とは埋設深さが違ったとか、そもそも図面に載っていなかった事例もありますが、事前にハンドホールが無いか現地でチェックしたり、試掘すれば防げることでもあります。
作業員が快適に仕事ができるように配慮する
事前調査で行うべきことは、現場及び周辺の状況だけではありません。
建設現場は現場監督だけでなく、協力会社の職人さんらによって進捗しするので、いかに作業しやすい環境を作るかがポイントになります。
段取りを含め工程管理はもちろんのこと、休憩所設備の充実化も大拙なことです。
もちろん工事の規模によっては予算的に厳しいこともありますが、ちょっとしたことでも快適化を図ることができるアイテムはあります。
例えば、靴乾燥機。
現場で使用する長靴って、よく表面がひび割れしたり、ちょっとしたキズから浸水したりしませんか?
長靴の中が濡れると、靴下がグチャグチャして不快ですよね。
現場事務所に靴乾燥機を取り入れることで、作業中に靴の中が浸水しても休憩時間に乾かすことができます。
1台5,000円程度の品物です。
何十万とかかる設備の導入が厳しい場合、こういうものを現場に導入するのもおすすめですよ。
靴乾燥機ほか、仕事に役立つツールについては、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
まとめ
本記事では、現場監督に必要なスキルから、「現場で起きる問題を予測するスキル」について解説しました。です。
建設現場では、次のような状況下での問題発生が多いです。
- 情報共有が不十分であったことが原因による問題発生
- 事前調査の不足が原因による問題発生
あなたが最悪な出来事を経験せずに済むために、僕が現場監督として体験した最悪な経験も、ぜひ参考にしてくださいね。
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