建設会社に現場監督として入社して、これまでに強いストレスを感じたことはありますか?
おそらく下記のタイミングで大半の人が多少のストレスを感じたことがあるのではないでしょうか?
まずは、新入社員から現場で上司の下で「手元」として従事する、『若手現場監督』
- 他の業界と比べて休日が少なく、残業が多い
- 上司から指示を受けた仕事が理解できない
- 建設業界特有の「朝が早い」で寝不足になる
- 規模の小さい生コンクリートの注文に失敗して数量が足りなかった等、現場の人に迷惑をかける
- 厳しい・怖い上司や先輩、職人がいてミスや要領の悪さを理由に怒鳴られる
次に、土木施工管理技士の資格を保有し、自分で工事を任されるくらいの『若手~中堅現場監督』
工事の「中心人物」になるといういうことで、以下のようなストレスを抱えることが多くなります。
- 発注者・協力業者との打合せ
- 施工計画といった段取りの組み方が正解なのか不安になる
- 工事書類の作成に時間がかかり、深夜残業や徹夜になる
- 上司から自分の能力以上の成果を求められる(工事成績80点以上等)
- 第3者から工事に対して嫌がらせを受ける
現場経験を積んでいくことで、最初はストレスに感じていたことでも、それほどストレスに感じなくなってきたり、その中から面白さを見つけ出すことも可能です。
でも、そこまで行き着くのがとても大変なんですよね。

僕自身、まだ2級土木施工管理技士だった頃に国交省工事の現場代理人をやっていて、ストレスで「うつ」になりかけた経験があります。
約17,000と存在する日本の職業から選んだ建設業の現場監督。
せっかくなら、ストレスの無い環境で働きたいですよね。
建設業は全ての工事が『オーダーメイド』であり、全く同じ工事は存在しません。
つまり、想定外の事態は十分に起こりうる産業です。
知識・経験をたくさん持った現場監督ならば、いろんな事態を予測し、防ぐことができるのですが、これは本当に難しいことです。
現場でストレスを抱えてしまうような状況になっても、コツを掴めばストレスとして抱える事なく仕事に取り組むことができます。
本記事では、若手~中堅現場監督がストレスを抱えやすい状況と、ストレスの対処法について解説します。
- 若手現場監督~中堅現場監督がストレスを抱えてしまう状況
- 現場監督が抱えてしまうストレスの対処法
当サイトでは、施工管理の問題や現場監督が抱える悩みに答えるコンテンツを用意しているので、ぜひ参考にしてくださいね!

当サイト『ゲンプラ』の運営者:ランメイシ
現場監督と家庭(プライベート)の両立を応援するために、土木工事の施工管理をやっている現役の現場監督(歴16年、同業他社への転職経験あり)が当サイトを運営しています。施工管理業務の悩みに全力でサポートします!ご安全に!
保有資格:1級土木施工管理技士、河川点検士
主な工事経験:河川の築堤・護岸工事、道路工事、橋梁下部工事

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保有資格:1級土木施工管理技士、河川点検士
主な工事経験:河川の築堤・護岸工事、道路工事、橋梁下部工事
若手現場監督がストレスを抱える場面と対処法を解説

若手現場(20代前半を想定)が主にストレスを抱える場面は以下の通り。
- 他の業界と比べて休日が少なく、残業が多い
- 上司から指示を受けた仕事が理解できない
- 建設業界特有の「朝が早い」で寝不足になる
- 規模の小さい生コンクリートの注文に失敗して数量が足りなかった等、現場の人に迷惑をかける
- 厳しい・怖い上司や先輩、職人がいてミスや要領の悪さを理由に怒鳴られる
現場監督は休日が少なく、残業が多い

若手現場監督が現場に配属されて、まず驚くのが現場監督が行う施工管理の仕事量の多さです。

現場監督が定時で帰ることができる日は、ほとんど無いです。
17時に現場が終わっても現場監督はその後、現場事務所に戻って事務作業が始まり、若手現場監督はKY日報といった安全書類のとりまとめ、伝票整理。
重機が稼働する現場と違い、非常に地味な作業のために残業は、苦痛でしかないですよね。
残業なんてやりたくないし、早く家に帰ってのんびり過ごしたり、趣味に時間を使いたいはずです。
事務作業を効率良く済ませるためにおすすめな仕事のやり方は、ノートに自分のやること(仕事)を書き出すことです。
- 自分専用のノートを用意し、常に3秒で開ける場所に置いておく
- ノートに「やること」を全て書き出しておく
- 自分の仕事以外にも、会議や打ち合わせはノートにメモを取りながら参加する
ノートにメモを取ることの意味は3つあります。
- 『備忘録』・『記録』をつける、『知的生産性』を高める
- 仕事の内容を整理する
- 話し相手に対してあなたの理解を示す
メモを取ることで、聞き逃しや内容を忘れてしまうことを防げます。
そして、指示されたことや打ち合わせの内容を整理できます。
さらに、メモを取ることで、話し相手はあなたの理解を確認できます。
事務作業が少ないうちは、ノートに書き出さなくても大丈夫ですが、仕事を複数できるようになってくると、頭の中だけでは「やること」の内容が追い付かなくなり、1つ仕事を済ませるたびに、
「次は何をやるんだっけ?」
となってしまいがちです。
毎回、「やること」を思い出す作業をしていると、時間がかかってしまい、早く帰るなんて到底できません。
『ノート』に何でも書き出す習慣をつければ、必ず仕事の効率が上がります。
そして、すぐにノートにメモする姿勢が上司からも高評価で一石二鳥です。
ノートは必ず持ってください。

ノートを『第二の脳』として活用し、重要なポイントが無かったとしても日頃からノートを持参する姿勢は、必ず社会で評価されますよ。
上司から指示を受けた仕事が理解できない

上司も仕事の忙しさのあまり、「これくらいわかるだろう」と、色々と説明を省いて仕事をあなたに頼むことも多いはず。
よく理解できないまま仕事を進めて、「言ったことと違うからやり直し」と言われたら最悪ですよね。

「やり直し」・「手戻り」といった『失敗』は、ポジティブに捉えれば『成功までの過程』ですが、そんな無駄な時間、経験したくないですよね。
上司から仕事を引き受けたら、その場で上司と仕事の完成イメージを共有しましょう。
そのためには、5W1Hを確認してみましょう。
- Who(誰に)
- What(何を)
- When(いつ)
- Where(どこで)
- Why(どんな理由で)
- How(どのようにして)
建設業界特有の「朝が早い」で寝不足になる


建設業の朝は本当に早いです。8時朝礼の場合、遅くても7時30分までには現場に到着。自宅から現場が遠いと、5時台に出勤となることも。
厳しい・怖い上司や先輩、職人がいてミスや要領の悪さを理由に怒鳴られる

建設業界は体育会系の人が多いこともあり、オラオラ系な人はどこの現場でもよく見かけるかと思います。
経験年数が浅い現場監督さんは、現場・書類作成の業務において、わからないことだらけのはずです。
でも、若手の現場監督さんはわからないことだらけで当然なんですよ?
私は土木工事の現場監督を15年経験し、主に国交省の工事を担当しましたが、それだけの年数をやっても、経験したことのない工事・工法が山ほどありました。
経験したことのない仕事を段取り良く進めるには、時間をかけて調査・段取りする必要があるのですが、残業する以外になかなかその時間を確保するのも難しいはずです。
だから、少しずつ、長期的に「わからない」を「わかる」にしていくしかできません。
現場では雑用仕事をたくさん指示されるし、現場事務所でも掃除や書類整理を指示されて…。
一生懸命頑張って仕事を思えようとしているのに、水を差すように細かいことでいちいち怒ってくる先輩や上司…。
体育会系の多い建設業は、後輩をボロ雑巾のように扱う、時代遅れな考えの人が一定数存在します。以下のような考えの人です。
- 自分の方が先輩で偉いから
- 自分もそうやって昔は先輩にしごかれてきたから
現場の先輩や上司は自分で選ぶことはできないため、もしロクに施工管理の仕事を教えてくれないパワハラ上司と仕事をすることになってしまったらどうなるか。
生きていくうえで本当にツラいと感じるのは、
精神的にツラい>体力的にツラい
だと思いませんか?
もちろん体力的にツラいのも大変であることに変わりありませんが、精神的なツラさは最悪、うつ病の危険もありますよね。
「もう無理だ、辞めたい…」
と、退職を考えるのがこのタイミングだと思いますが、うつ病になってしまうと、何をするにも気力が湧かず、転職活動もできなくなるリスクがあります。
規模の小さい生コンクリートの注文に失敗して数量が足りなかった等、現場の人に迷惑をかける

ちゃんとした構造物で、型枠を組んだものならともかく、捨てコンのような生コンクリート打設は設計通りのコンクリート量になるか、あやしいところ。
現地で型枠の寸法を10m毎など、なるべく細かく測って正確な生コンクリート打設量を計算しましょう。
生コンクリート打設が3台以上(8m3以上)になる場合。
例えば生コンクリート打設数量が10m3になりそうな時は、「8m3の連絡待ち」と生コンクリート会社の配車担当の人に伝えます。

大型の生コン車1台で4m3なので、2台で8m3。10m3くらいの生コン打設なら、2台分を打設完了した時点で足りない分を測ってから3台目を注文。
これで無駄なく生コンを打設できます。
- 重機で床付けした地盤に生コンクリート打設する場合は必ず現地で生コンクリート打設数量を測ってから注文する
- 図面からひろった面積×延長で生コンクリートを注文するのは失敗の元
- 10m3(3台分)生コン打設の場合、8m3(2台)+『連絡待ち』で注文し、8m3を打設完了した後に不足分を測ってから注文する
実行予算を組む際に、生コンはロス率を考慮しているので、ロス率5%で予算を組んでいる場合、生コンの不足分が2m3なら 2m3 × 1.05 = 2.1m3 で注文しましょう。

0.1m3とか、少し足りなかったときの方が余計に費用がかかるので、少し余裕を持った数量で生コンを注文しましょう。
でも、びびって1m3も2m3も余らせてしまうと今度は上司に怒られます…
上司や先輩から自分の能力以上の成果を求められる

「俺は昔、お前くらいの年齢で現場の所長やっていたんだぞ、わからないならもっと勉強しろ!」
初めて現場代理人になるという時くらいに、こんなことを言われたことはありませんか?
簡単に言えば、上司の俺は昔凄かったんだアピールですが、こんな人はよくいるんですよね。
今は昔より特に作成書類の量が多くなっているのに、昔のことと比較されても…という感じですが、上司に面と向かって反論なんて、なかなかできないですよね。
言い返したら倍にして返してくる上司は非常に多いです。
精一杯頑張って仕事しているのに、
「そんなこともわからないのか!」
「もっと早く仕事しろ!」
「お前は仕事が雑すぎる!」
こんなこと言われると、仕事が嫌になりますよね。
仕事とはいえ、ただでさえ仕事が多い現場監督。こんなことが積み重なり、メンタルを病んでしまう現場監督も少なくありません。
検査前に上司が書類をチェックしていて、
「まだ書類が整っていないじゃないか。今日、徹夜してでも仕上げろ。明日またチェックするからな」
本気で言っているのか、冗談で言っているのか…。
でも、似たようなことを言われたこと、ありませんか?
現場監督をやっていると、書類仕事が終わらず帰りたくても帰れない。
寝たくても、寝られないという時期は必ずあります。
たとえそれが、デートの日や大切な人の誕生日でも。
毎日残業続きで身体がキツイので、応援職員を上司に頼んでも、
「他の人はできるのに、何でお前はできないんだ!」
と怒鳴られるだけ。
こんな生活がこの先10年、20年続くと思うと…考えたくもありませんよね。
第3者から工事に対して苦情が来る(悪質な嫌がらせ)

騒音・振動対策の不足や、下請業者の教育不足などが原因の苦情は現場監督に責任がありますが、問題はクレーマーです。
クレーマーといえば、サービス業がターゲットというイメージがあるかもしれません。
滅多にないことではありますが、問題は工事現場の近くにクレーマーが住んでいたというケース。
私は過去に担当した工事で、受注後の発注者への挨拶の時に〇〇さんには気を付けてね。
と、何かとケチをつけてくる住民が工事箇所の近くにいるということを聞き、その住民の方へ発注担当者と一緒に工事の挨拶と説明に伺ったのです。
その人は作業服姿の私を見るなり、顔をしかめていました。
これはやばそうだ…と思いながらも、名刺と工事の説明資料をお渡しして説明を始めると、
「何で工事をするんだ!俺は前から反対だと言っていただろう!帰れ!」
と怒鳴り、名刺と工事説明資料を私の顔に投げつけてきたのです。
そして玄関のドアを閉められ、その日はもう顔を出してくれませんでした。
交渉の結果、何とか着工までは進めることができたのですが、少しでも騒音や振動がその人に伝わると、家から飛び出てきて文句を言ってくるのです。
もちろん、現場では苦情が出ないよう、細心の注意を払い対策をしたうえでですよ?
付近の他の住民の方には定期的に揺れを感じたり、うるさいと感じたことがありませんかと聞き取り調査を行っていたのですが、その方々からは全然大丈夫だと言われているのにです。
結局その工事では、苦情が原因で工事がストップしたりすることはあったものの、無事に事故もなく完成しました。
当時は20代だったので、第3者から怒鳴られたり、現場事務所に急に押しかけてきて文句を言われたりされて、精神的にツラかったのを覚えています。
現場監督はこういう人の対応もしないといけないんだなと、思い知らされた現場でした。
現場監督のストレスへの対処法

仕事量の多さや責任の重さ、上司のパワハラのせいで、ストレスの多い現場監督。
対処方は3つあります。
- 退職代行サービスを使って会社や上司と関わらずに退職する
- 他の職種へ転職する
- スキルを磨き、市場価値を高めたうえで転職する(現場監督を続けたい場合)
3年間は我慢して続けた方がいいという意見もありますが、例外はあります。
今いる会社がブラック企業だと感じているなら、我慢して続けるのは危険です。
身体を壊したり、うつ病になりかねませんし、それはいつ訪れるかもわかりません。
上記の対処法について、それぞれ解説していきます。
退職代行サービスを使って会社や上司と関わらずに退職する

会社を辞めたいけど、パワハラ上司に言ったら逆ギレされそう、あるいは逆ギレされたり、説得されて、辞めることができなかった。
辞めたいけど会社や上司に会いたくない、関わりたくない。
そんな方には退職代行サービスを使うのがおすすめです。
そもそも会社や上司に退職を拒否する権利はありませんし、退職は民法で定められている労働者の権利です。
退職代行サービスを使うことで、会社や上司と関わることなく、出社せずに退職することができますので、次の職業への転職準備に集中することができます。
他の職種へ転職する

現場監督、施工管理の仕事はもうやりたくない。という方は他の職種に転職するのが良いでしょう。
本記事の冒頭でも記載していますが、世の中の職業の数は約1万7000と存在します。
これまでに施工管理の仕事しか経験していない場合、他の職業へ転職することに不安を感じるかもしれませんが、現場監督の仕事の大変さ、キツさはトップクラスです。
そんな環境で仕事をやってきた分、同年代より仕事に必要なスキルや経験は確実に持っています。
1年の我慢は、1年寿命を縮めているのと同じです。
嫌な仕事を我慢して続けるくらいなら、早く他の職種に転職して、そちらでお金を稼いだ方が良いと思いませんか?
スキルを磨き、市場価値を高めたうえで転職する(現場監督を続けたい場合)

今は仕事がキツいけど、いずれ自分が現場の所長になって、地図に残る仕事を続けたい。
そんな方には、まず今の会社で施工管理の仕事を覚えましょう。
現場監督の仕事は2年や3年でできるようにはなりません。
5年、10年と長い時間を要しますが、自分1人で施工管理ができるようになるほど経験を積んでからが本番です。
現場監督は人材不足のため、即戦力な人材はどこの建設会社でも歓迎されます。
転職サイトや転職エージェントで好待遇な建設会社を探し、それを交渉材料にして今の会社と交渉です。
給料なんて同じ会社にいるだけでは簡単に年収が大幅アップになることは、まずありません。
なので、他の建設会社からオファーが来ていることをほのめかして給料アップを狙い、ダメならより待遇の良い建設会社に行けばいいのです。
同じ施工管理の仕事をするなら、年収の高い会社にするにこしたことはありませんよね。
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