【建設業の特徴】複数の業者による混在作業における統括管理を効果的に行うポイント
明日は盛土工事に加えて足場組立、生コンクリート打設があるから、協力業者がいっぱいだな。現場内も広くは無いから、段取り良くしないと業者同士でぶつかりそう…。
こんなお悩みに答えます。
建設現場って、どんな工事でもに複数の協力業者が出入りして建設物を造りますよね。
ここで現場監督にとっての悩みの種が、同じ場所・同じタイミングでの複数の業者による混在作業。
混在作業には、上下作業や重機と作業員との接触といった、危険ポイントが必ず発生します。
本記事では、複数の業者が混在しても安全かつ組織的に工事を進めるためのポイントについて解説します。
当サイト『ゲンプラ』の運営者:ランメイシ
現場監督と家庭(プライベート)の両立を応援するために、土木工事の施工管理をやっている現役の現場監督(歴16年)が当サイトを運営。施工管理業務の悩みに全力でサポートします!ご安全に!
保有資格:1級土木施工管理技士、河川点検士
主な工事経験:河川の築堤・護岸工事、道路工事、橋梁下部工事
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混在作業における統括管理とは
建設工事では、元方事業者と関係請負人が同じ場所で関連して作業を行うことって、とても多いですよね。
元方事業者と関係請負人について補足すると、以下の図の通りです。
(出典:安衛法で使われる用語の定義-今日も無事にただいま)
こんな場合、事業者の異なる労働者が同じ場所で混在して作業が行われることになります。
この混在作業から発生する労働災害を防止するための安全衛生管理を『統括管理』と呼びます。
安衛法では、この統括管理に関連した責任について、元方事業者・特定元方事業者・注文者等に対して、混在作業に伴う労働災害防止のための果たすべき義務をそれぞれ定めています。
混在作業における安全衛生管理体制を図示すると、以下の通りです。
ここでは、これらの者の果たすべき責務について示しています。
建設現場で、その責務を果たすべき責任者は、施工管理の責任と権限を有している現場代理人です。
工事規模の大小や労働者数に関係なく実行しなければいけません。
つまり、現場の作業所長の統括管理責任は、統括安全衛生責任者等の選任を要する現場、 要しない現場にかかわりなく、すべての現場の『現場代理人』が果たさなければならない義務なんです。
『現場代理人』のことを、現場所長とか作業所長と記載されていることもあるよ。
なお、安衛法で安全衛生管理の主な義務を担当する人とは、労働者を直接雇用している元請又は下請のそれぞれの事業者です。
元方事業者等が行うべき統括管理責任が、法令上規定されているからといって、下請の事業者がこの法律に基づいて課せられている自らの労働者の安全確保を行うという責任がこのことによって免がれるということではありません。
下請業者でも、労働者を雇用している場合は安全衛生管理の責務を果たす必要があるよ。
現場監督に大切なスキルについては、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
混在作業の形態
建設工事現場で混在して作業が行われる状況は、大きく分けて以下の2つに分けられます。
- 1つの元方事業者と、その関係請負人 (2次下請業者以下を含む)の労働者が混在する状況
- 2つ以上の元方事業者 (いわゆる分割発注) と、これらの関係請負人の労働者が混在する状況
統括管理を行うべき者はどちらも同じで、②の場合でも安衛法で元方事業者の中から統括管理を行うべき者として1社を定める必要があります。
他の元方事業者は、その管理体制の中に組み込まれることになります。
これを統括安全衛生責任者の選任にからめて図示すると、以下の通りです。
また、建設業の元方事業者を安衛法では特定元方事業者といいます。
混在作業における統括管理のポイント
混在作業の安全衛生管理上の問題については、以下の点があげられます。
- 建設生産の指揮命令系統が異なる下請の作業員が混在することにより、組織の縦横の連絡及び調整が徹底しにくいこと
- 安全衛生の基本ルール、合図方法等について作業所の打合せ事項が徹底しにくいこと
- 重層下請負関係になるため、管理の行き届かないところでの作業が行われがちであること
- 設備、機器などが職種間にまたがって使われるため、維持管理に問題が生じること
- 急な工程の変更、作業の変更等の場合、連絡調整や対応がうまくいかないこと
- 請負方式による作業のため、ともすれば施工第一主義に走り、混在作業で最も留意しなければならない他人への安全に対する配慮を欠くきらいがあること
- 作業員の入れ替わりが激しいため、雇用管理上の問題が生じやすいこと
- 作業員に対する一貫した教育指導がむずかしくなること
混在作業における安全衛生管理については、これらの諸問題について、解決できるような体制を組み、一つ一つ迅速に処理していく必要があります。
その最大のポイントは、連絡及び調整の徹底にあるといっても過言ではありません。
このため、組織の縦横の連絡及び調整がスムーズにできる体制をまず作り上げることが大切です。
1次下請(協力業)同士でも、これまで関わりの無かった業者同士だと連絡・調整に関するコミュニケーションが上手くいかないことが多い。だから元請のあなたが窓口になってあげようね。
現場監督としてのコミュニケーションスキルに関しては、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
まとめ
建設現場での混在作業には、上下作業や重機と作業員との接触といった、危険ポイントが必ず発生します。
本記事では、複数の業者が混在しても安全かつ組織的に工事を進めるためのポイントについて解説しました。
混在作業による工事の効率低下や事故のリスク低減のためには、組織だった安全衛生管理が不可欠です。
混在作業から発生する労働災害を防止するための安全衛生管理を『統括管理』と呼びます。
建設工事現場で混在して作業が行われる状況は、大きく分けて以下の2つに分けられます。
- 1つの元方事業者と、その関係請負人 (2次下請業者以下を含む)の労働者が混在する状況
- 2つ以上の元方事業者 (いわゆる分割発注) と、これらの関係請負人の労働者が混在する状況
混在作業の安全衛生管理上の問題については、以下の点があげられます。
- 建設生産の指揮命令系統が異なる下請の作業員が混在することにより、組織の縦横の連絡及び調整が徹底しにくいこと
- 安全衛生の基本ルール、合図方法等について作業所の打合せ事項が徹底しにくいこと
- 重層下請負関係になるため、管理の行き届かないところでの作業が行われがちであること
- 設備、機器などが職種間にまたがって使われるため、維持管理に問題が生じること
- 急な工程の変更、作業の変更等の場合、連絡調整や対応がうまくいかないこと
- 請負方式による作業のため、ともすれば施工第一主義に走り、混在作業で最も留意しなければならない他人への安全に対する配慮を欠くきらいがあること
- 作業員の入れ替わりが激しいため、雇用管理上の問題が生じやすいこと
- 作業員に対する一貫した教育指導がむずかしくなること
混在作業における安全衛生管理については、これらの諸問題について、解決できるような体制を組み、一つ一つ素早く処理していく必要があります。
その最大のポイントは、連絡及び調整の徹底にあるといっても過言ではありません。
このため、組織の縦横の連絡及び調整がスムーズにできる体制をまず作り上げることが大切です。
あなたが最悪な出来事を経験せずに済むために、僕が現場監督として体験した最悪な経験も、ぜひ参考にしてくださいね。
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