盛土工事の材料土質試験を徹底解説!基本と手引きの要点まとめ

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現場監督

盛土の施工管理をするんだけど、土質試験のことがよくわからないんだ。度やって調べればいいのかもよくわからないかから、教えてほしいな。

こんなお悩みに答えます。

盛土工事の施工管理には、まず使用する土砂の性質を知ることがポイントです。

そのために行うのが土質試験と呼ばれるもので、現地で土砂を採取して土質を調べます。

この記事を読んでわかること
  • 河川土工における築堤盛土でやるべき施工管理がわかる
  • 施工計画を作るときに参考文献から調べる手間が省ける(参考文献の1つ、河川土工マニュアルは全587ページ)
  • 短時間で築堤盛土が理解でき、早く帰宅できる
この記事を書いた人
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当サイト『ゲンプラ』の運営者:ランメイシ

現場監督と家庭(プライベート)の両立を応援するために、土木工事の施工管理をやっている現役の現場監督(歴16年、同業他社への転職経験あり)が当サイトを運営しています。施工管理業務の悩みに全力でサポートします!ご安全に!

保有資格:1級土木施工管理技士、河川点検士

主な工事経験:河川の築堤・護岸工事、道路工事、橋梁下部工事

プロフィール詳細/Twitter/お悩み相談所

自殺も考えていました。年収100万円アップした、この方法に出会うまでは…

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目次

①【施工前準備(材料)】盛土材料の土質試験

盛土を施工するための材料(土砂)採取地でサンプルを採取し、土質試験を行います。

現場内の土砂や、掘削作業により発生する土砂を使用して盛土する場合、この土砂のことを『流用土』と呼びます。

流用土を試料採取する場合、表土(地面付近の草や根っこを含んだ土砂)より下の層の土砂を試料として採取します。

購入土の場合、販売先業者から試験成績表を出してくれますが、その試験成績表と採取した土砂(実際の盛土施工で使用する土砂)の土質が一致しているとは限らないので、採取しに行った方が確実です。

現場監督

土砂の販売業者が出す試験成績表と盛土施工に使う土砂の土質が違うことってあるの?

購入土の場合、切り崩した山の土砂だと、切り崩した場所の地層によって土質が変わります。

そのため、販売先業者に予定の土量を伝えて、どの部分の地山の土砂を使用するか確認しておくと良いです。

ランメイシ

試験成績表の試料採取した土砂は黒っぽい色だったのに、盛土施工のときに搬入されてきた土砂が茶色とかだったら、明らかに土質が違うよね。

資料を採取した土砂の土質試験結果が出たら、内容を確認してみましょう。

現場監督

土質試験の結果が出たんだけど、絶乾密度とか土粒子の密度とか、いろんな数値が書いてあるんだけど、これをどう施工に反映させればいいの⁉

ランメイシ

全部覚える必要はないよ。盛土を施工するために、把握しておくべき項目を説明するね。

土質試験結果から、採取した土砂が築堤盛土材料として適していることを確認したら、施工のために以下の項目を把握しておきましょう。

  • 土砂が盛土材として適しているか
  • 最適含水比(最大乾燥密度)は何%か、施工含水比は何%~何%の範囲か

築堤盛土材として適しているかの確認方法

河川土工マニュアルP64「堤体材料としての評価」によれば、堤体材料として使える土の区分は以下の赤枠の通りです。

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現場監督

築堤盛土には、ほとんどの種類の土砂が使えることになってるんだね。

含水比(最大乾燥密度)の確認方法

最適含水比とは、土砂を締め固めた時に最も土の密度が高くなる(最大乾燥密度となる)含水比のことです。

最適含水比は、『土質試験結果一覧表』で以下のように表記されます。

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ランメイシ

土砂に含まれている水分は、多すぎても少なすぎてもダメなんだ。

盛土の施工では、最適含水比の状態を目指して施工すると、よく締め固まった品質の良い盛土に仕上がります。

施工する季節によっては、最適含水比と自然含水比の関係に気をつける必要があります。

例えば、冬期に盛土する場合、自然含水比>最適含水比 だと、天候が悪くて水はけの悪い時期にもかかわらず、土砂の水分を減らす必要があります。

現場監督

そんな時はどうすればいいの?

盛土の締固め度の品質管理規格値は最大乾燥密度の90%だから、締固め度・含水比曲線を参考に、締固め度90%以上を確保できる含水比(=施工含水比)を確認してみましょう。

以下の図のように、締固め度・含水比曲線に施工含水比を書いておけば管理しやすいです。

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現場監督

あれ?施工含水比が最大乾燥密度の95%になってるよ?築堤盛土の場合は路床盛土じゃなくて路体盛土と同じだから最大乾燥密度の90%じゃないの?

土木工事共通仕様書に記載の通りであれば、品質管理における締固め度の規格値は最大乾燥密度の90%が正解です。

ただし、発注者に品質を評価してもらうには『規格値から余裕のある管理』が必要です。

施工含水比を規格値と同じ90%に設定すると、品質管理に工夫点が無いと発注者に判断されてしまうので、施工含水比は90%以上で設定すると良いです。

土質試験結果を発注者に提出する場合の工事打合せ簿作成例

特記仕様書などに「土質について事前に監督職員の承諾を得ること」といったように、工事打合せ簿で書類を出す場合は、以下のような内容で書類を提出します。

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ランメイシ

記仕様書などに書類提出の記載が無かったら、発注者に「土質試験結果か確認されますか?」と聞いてみよう。僕の経験上、必ず「確認する」と返答されるよ。

現場監督

土質試験をした土砂が盛土材として適していることって、どうやって証明すればいいの?

ランメイシ

土質試験結果を河川土工マニュアルの土の評価の表に当てはめていくと良いよ。

例えば、土質試験結果によれば盛土に使用する土砂の工学的分類体系(記号)が、「細粒分まじり砂質礫(GS-F)」という結果だったら、土の区分は「礫質土」になります。

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土の区分は、土の粒度によって変わります。もっと詳しく知りたい場合は、河川土工マニュアルを読んでみてくださいね。

コーン指数からは、建設機械のトラフィカビリティ(走破性)を確認できます。

例えば、土質試験結果によれば盛土に使用する土砂のコーン指数が「1346.3kN/m2」という結果だったら、土砂の上をダンプトラックも走行可能ということになります。

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礫質土だけでなく「砂」もコーン指数が高い結果となりますが、砂だけだとクラックが発生する原因となるため、コーン指数の結果だけで盛土材としての評価をしてはいけません。

下の図の通り、礫質土だと赤点線の位置ですが、砂で試験を行うとグレーの範囲(クラックの危険がある範囲)に入る結果となるはずです。

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現場監督

これで盛土材に使おうとしている土砂が、盛土材として適しているって確認できたね!

盛土材料に適している土砂とは

築堤盛土材料に適している土砂は、以下の通りです。

  1. 粒度分布が良い土
  2. 最大寸法は10~15cm以下
  3. 細粒分(0.075mm以下の粒子)が土質材料(75mm以下の粒子)の15%以上
  4. シルト分のあまり多くない土
  5. 細粒分( 0.075mm以下の粒子)のあまり多くない土

解説について、河川土工マニュアルより引用します。

① 粒度分布が良い土

これは締固めが十分行われるためにいろいろな粒径が含まれているのが良いためであるが、粗粒分は粒子のかみ合わせにより強度を発揮させるのに効果があり、細粒分は透水係数を小さくするのに必要であるから、これらが適当に配合されていることが堤体材料としては好都合である。

② 最大寸法は10~15cm以下

施工時のまき出し厚の制限から決まるものであるが、礫径の最大寸法があまりにも大きくなると、締固めの効果が十分に発揮されないことも生ずるので注意が必要である。

③ 細粒分(0.075mm以下の粒子)が土質材料(75mm以下の粒子)の15%以上

不透水性を確保するための条件で、堤体漏水の多くはこの条件をはずれた材料の堤防にみられることが報告されている。

④ シルト分のあまり多くない土

降雨による浸食、浸透水によるのり面崩壊は水をある程度通しやすく、含水比の増加により
せん断抵抗の低下する土に起こった例が多いが、そのような状態になるのはシルト分の影響が大きいと考えられる。

⑤ 細粒分( 0.075mm以下の粒子)のあまり多くない土

細粒分が50%以上のものは乾燥時にクラックの入る危険性があるので細粒分が50%以下のものが望ましい。

以上のような点から考えると、望ましい材料は、表3 . 1 . 2 の土質
分類名で言えば、【GF】、【SF】、【M】、【C】に相当するものと考えられる。

築堤盛土材料として評価の低い土とは

築堤盛土材料として評価の低い土とは、以下の通りです。

  1. 細粒分(0.075mm以下の土粒子)がほとんどない土
  2. 施工機械のトラフィカビリティの得られない土
  3. 高有機質土


細粒分(0.075mm以下の土粒子)がほとんどない土

必ずしも適当でない土とは言いがたいが、単独では不透水性を確保することが困難なため、一応適当でない土に分類した。

ただし、この材料は十分締固めることによって粘性土よりも比較的大きいせん断強度が得られるので、次の場合等はこれを使用しても堤体は安定する。

  • 洪水継続時間が短かく堤体断面が大きい場合
  • 表のり護岸の遮水や裏のりの排水機能等の対策を施している場合

施工機械のトラフィカビリティの得られない土

これは施工の面からの制約であって、同じ土で施工機械によってトラフィカビリティの要求値(コーン指数)が異なるので施工機械の選択の問題とあわせて判断し、機種の選定によってできるだけ近くで得られる土を利用するのが基本的な考えである。

高有機質土

これは高含水量のため施工が困難なこともあるが、むしろ強度が十分でないこと、圧縮変形が大きいこと、有機物質が分解することなど、長期の安定に問題があって好ましくない材料である。

評価の低い材料を用いる場合の対策

堤体材料として評価の低い材料およびトラフィカビリティが確保できない材料に対しては、対策工として次のような手法をとることによって堤体材料として使用が可能となる。

  1. 他の土質との混合
  2. 乾燥による含水比低下
  3. 添加剤による土質改良

① 他の土質との混合

粒度分布の悪い土に欠けている粒径を補うもので、砂質系のものには細粒土を混合して透水係数を下げ、粘性土系のものには砂質系の土を入れて含水比を下げ、強度を上げて施工を容易にする。

他の土質との混合による粒度調整

この方法は粒度分布の悪い土に対して、その土に欠けている粒径を他の土から補うことにより土の性質を改良するもので、河川堤防では主に次のような目的でおこなわれている。

  • 透水性の大きい砂質土に対し、細粒土を混合して盛土材料として適切な透水性となるように粒度の調整を行う。例えば(S W )に( C L )を混合して( S C )に調整する等である。
  • 粘性土に粗粒土を混合して、乾燥収縮によるクラックの発生しやすい性質を粒度調整により改良する。例えば( C H ) または( CL) に(S P )などを混合して(S M )に調整する等で、一例を示すと図3 . 1 . 3 のとおりである。


以上のように粒度調整は性質の異なる2 種以上の土を混合して、堤体材料として目的に応じた土に粒度分布を改良するものであることから、改良後( 粒度調整後)の土は堤体材料として適した性質を有していることになる。

したがって、粒度調整された土は改良後の土の性質で評価しても問題は無く、一般的な堤体材料と同様な取扱いをして盛土にすれば、完成後の堤体安定度の評価は望ましい材料を用いた場合と同等になる。

ただし、粒度調整では混合しようとする2 種以上の土をできるだけ均質に混合することが重要であり、一方の性質の土が一部に集中して盛土されることがないように注意しなければならず、施工(混合)機械としては粘性土の粉砕・混合効果の高いスタビライザを採用するのが望ましい。( 第4章参照)

② 乾燥による含水比低下

トラフィカビリティの得られない土を地山でのトレンチによる排水、仮置きによる曝気乾燥などで改良する。

築堤工事において、定められた締固め度を満足するためには、堤体材料の品質管理では、含水比の管理が重要です。

施工現場における降雨、降雪は、堤体材料の含水比を上昇させ、良好な施工の障害となります。

一般に河川堤防の工事は施工期間が限定されており、積雪、寒冷地における冬期間の工事においては、降り続く雪やみぞれによる含水比の上昇を防止するため以下の写真のようにストックヤードの築堤材料を防水シート等で覆い、養生しておくなどの配慮が必要です。

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盛土材料のシート養生

③ 添加剤による土質改良

石灰系,セメント系などの改良剤を添加して土質改良を行う。
この方法は高含水比の粘性土などのようなトラフィカビリティの不足する土に対して、石灰やセメントを用いて土質を安定処理しようとするものである。

各添加材の固化機構は次の通りである。

・石 灰

石灰が土中水と反応して、吸水、発熱作用を生じ、周辺の土から脱水することを主要因とする。

また、長期的にはポゾラン反応によって化学的に固結する。

このため石灰による反応時間はセメントに比較して長時間が必要とされている。

・セメント

セメントは土中水と反応して水和硬化を生じ、土粒子との化学的結合によって硬化する。

また、長期的にはポゾラン反応による硬化の向上もあるが、硬化作用のほとんどが水和硬化によっている。

セメントの硬化時間は石灰と比較して短かく、土との混合後3~7日程度でほとんどの硬化が終了する。

土質安定処理土を堤体に用いる場合、その処理目的はトラフィカビリティの確保にある。

締固め機械に普通ブルドーザを用いるとすれば、改良土の必要コーン指数( c q )は500~700kN/m2(5~7kgf/cm2)程度であり、土質安定処理としては低強度である。

なお、土質安定処理工法によって築堤した場合、土質, 添加材,混合率,混合方法によっては、完成後の堤体に乾燥収縮によるヘアークラックが発生することがある。

したがって、室内試験による基礎的な検討を行い、できれば試験施工による検証を行った上で、工法を決定するのがよい。

トラフィカビリティとは、建設機械や工事車両の走破性のこと

トラフィカビリティとは、盛土施工箇所の地盤がブルドーザーやダンプトラックなどの建設機械等の走行に耐えられるかどうかを表す度合いのことです。

トラフィカビリティの測定としてポータブルコーン貫入試験(JGS 1431)が用いられ、コーン指数qcで表されます。

値が大きいほど走行しやすいことになります。

ダンプトラックが走行するためにはコーン指数は1200kN/m2以上を要するとされています。

工事用道路に敷砂利か敷鉄板を仮設で施工したい場合に、ポータブルコーン貫入試験結果を基に発注者と協議を行う際の参考資料としても活用できます。

ポータブルコーン貫入試験については以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね。

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