
公共工事で河川の工事をするんだけど、築堤盛土ってどんな施工管理をやればいいのかな?品質の良い盛土のためには、どんな管理をやればいいの?
こんな疑問に答えます。
盛土工事って、単に土砂を敷き均して、締め固めて終わり…ってワケにはいきません。
盛土工事の施工には、以下の単語が使われますが、「それって何のこと?」って聞かれたら、説明できますか?
- 盛土工事で使用する単語の一例
- 土質試験・流用土・購入土・レキ質土・自然含水比・最適含水比・最大乾燥密度・コーン指数・試験施工(試験盛土)・まきだし厚さ・転圧回数・品質管理基準及び規格値・土の含水比試験・現場密度試験・突砂法・最大乾燥密度の90%以上・締固め度
盛土工事で使用する単語は他にもありますが、これらは適切な品質を確保した盛土を施工するためには必ず使用する単語です。

わからない単語が結構ある…。
わからない単語があっても大丈夫です。
なぜなら、この記事でわからない単語が理解できて、適切な品質を確保した盛土の施工管理ができるようになるからです。
本記事を読むことのメリットは、以下の通りです。
- 河川土工における築堤盛土でやるべき施工管理がわかる
- 施工計画を作るときに参考文献から調べる手間が省ける(参考文献の1つ、河川土工マニュアルは全587ページ)
- 短時間で築堤盛土が理解でき、早く帰宅できる

築堤盛土の施工管理をよくわからないまま施工すると、品質管理に必要な土質試験をやってなかったり、仕様書で定めの試験実施頻度に足りなかったりする可能性があるよ。
発注者の求める品質管理基準や規格値に不足があると、当然評価も下がり、工事成績評定点に影響が出ます。
本記事は、築堤盛土における品質管理の要点を絞り、これだけやっておけば発注者の求める築堤盛土の品質を確保できる、という内容になっています。
この記事は国土技術センター「河川土工マニュアル」と、国交省で盛土工を含む河川工事を9件経験した、当サイト運営者の経験に基づいて作成しています。
土工事の施工管理に必要な知識をしっかり勉強する、仕事を手抜きしないあなたに知っておいて欲しい現場監督という職業の闇(クリックで開きます)
あなたは、ある日突然今の会社に居られなくなったとか、家庭環境が変わって今の仕事を辞めないといけない状況になったら、どうしますか?

今の会社でやっていけてるから、そんなネガティブなことなんか考えてないよ。

忙しかったら悩んでるヒマもない!ってこともありますよね。

まぁ現場でトラブルが起きたり、検査前の残業とか立場上の責任の重さで、施工管理って大変なことも事実だけどね。
現場監督って施工管理の業務が多くて、定時を過ぎてから事務所で書類仕事を始めたり、現場の段取りや原価管理など、考えること・悩むことが多くて大変ですよね。

僕も経験年数で15年以上、土木の現場監督をやっています。施工管理は定時で帰ることは基本的にできないし、書類作成や工事関係者との対応と、やることが多いですよね。

ちなみに僕は、担当する工事現場での事故がきっかけで、上司から罵声や嫌がらせを受けた経験があります…。
工事現場での事故の影響は私生活にもおよび、メンタルを病んで離婚の危機を迎えてしまう最悪な人生に転落…。
休日出勤は当たり前、そして平日も夜遅くまで仕事を頑張っていたのに、「なんでこんな酷い目にあわないといけないんだ…」と、生きるのがつらいと思うほどの日々を過ごしてきたんです。

事故を起こしたのは下請業者ですが、責任は元請。だから現場の所長だった僕が全部悪いという状況になったんです…。
色々ありましたが、今では事故があって最悪な状況だった頃と比べて年収を100万円アップすることに成功。
時間にも余裕ができた結果、このブログを始めたり、休日は家族と一緒に過ごす時間ができました。

もちろん今も建設会社で土木の現場監督をやっていて、主に国交省の公共工事(官庁工事)を担当していますよ。

2年で年収100万円アップとかウソっぽいし、現場監督がブログとかやってる時間、無いと思うんだけど?
そう思いますよね。
まずブログに関しては、このブログ『ゲンプラ 現場監督と家庭(プライベート)の両立を応援』を土木の現場監督である僕(ランメイシ)が運営しています。
年収100万円アップについては、写真をお見せしますね。


令和2年に、どん底の人生から転機が訪れました。
とは言え、建設業は企業規模による年収の格差が大きい業界です。
ゼネコンでも、中小企業と大企業とでは平均年収に大きな差があるのも事実。
年収が400万円から500万円台になったところで、「現場監督で年収500万は大したことないよ」って思うかもしれません。
でも、たった2年で年収100万円アップできたことには、大きな意義があると思っています。

普通に現場監督として働いてても、たった2年で100万円も年収は増えないよね…。
現場監督を続けてきて、以下のような悩みを感じたことはありませんか?
- 年々、責任は増えるのに給料は増えない
- 現場の最盛期や検査前は夜遅くまで残業するのが当たり前で、これが定年まで続くと思うとウンザリする
- いつも残業、休日出勤で家族とすごしたり、趣味の時間が確保できない
- 家庭を持っていると、労働条件に不満はあっても生活の安定のために、我慢して働くしかない
- 勤務時間が長く、休みも少ないから、家事・育児で妻に負担をかけている
- 仕事で疲れが溜まり、休日は外出する気力が無くほとんど家で過ごしている
- 人間関係がしんどい
- ゲリラ豪雨や線状降水帯のせいで、夜中でも緊急対応で現場に行かないといけない
年間通して忙しいワケじゃないけど、「やってられない」って思うこと、たまにはありますよね。
現実的に考えて、異業種に転職したら年収が下がるのは、ほぼ確実。
だからといって、今の会社で年収が100万・200万と増える未来は期待できないし、仕事が減るなんてありえない…。
でも、もし「収入アップ」と「時間の余裕」が実現できたら?

年収100万円アップと時間の余裕によって得られたもの。僕の場合、こんなに嬉しいことがありました。
- 家族や友人など、大切な人と一緒に過ごす時間ができる
- 自分へのごほうびや貯金、家族サービスに使うお金を増やすことができる
- 趣味に使うお金も増やすことができる
- 自分の心に余裕ができる

こんなことが実現出来たら嬉しいけど、周りの人も転職とか考えてるのかな…転職活動なんてやってないんじゃないの?

みんな言わないだけで実は転職活動してるって人、結構いるんですよ!
当ブログではクラウドワークス及びSNSで現場監督100人にアンケート調査を行ったので、結果をお伝えします。(調査期間:2023年1月~5月)
100人のうち72人と、現場監督の7割が転職活動をしているという結果になりました。

2人に1人は転職している時代ですから、実はみんな転職のことを考えているという、この結果は妥当と言えます。
「あの時、行動しておけば良かった…」という後悔はしたくないですよね。
次のアンケート結果です。
「転職活動していることを仕事関係者には言っていない」と回答した人の中で、より詳しく教えてくれた方からは、
「転職活動してることが会社にバレたら裏切者扱いされたり、わざと大変な仕事を任されそうだから」
「昇給や昇進に影響が出たら困るから」
とも答えてくれました。

辞めようとしている社員に良い待遇なんか、するわけ無いですよね。仕事関係者に自分が転職活動してることは言わないのが無難でしょう。

みんな黙ってるだけで、みんな先のことを考えて転職は視野に入れてるんだね。
あなたが知らないだけで、もっと良い条件で働ける会社があるかもしれません。
今の会社で特に不満が無かったとしても、実は市場価値よりかなり安月給で働かされているとしたら?
本当に会社があなたを大事にしたいなら、「もっと給料を増やしてほしい」など、条件の交渉くらい応じてくれるはず。
でも、調べないと今の年収が適正かどうか、わからないですよね?
行動が遅れるほど、生涯年収に差が広がります。
dodaが公表している2022年12月の求人に関するデータの通り、「建設・不動産」業界は求人倍率が4.33倍。
求人倍率 | 前月差 | 前年 同月差 | 求人数 前月比 | 転職希望者数 前月比 | |
---|---|---|---|---|---|
建設・不動産 | 4.33 | ↑0.49 | ↑0.52 | 102 | 90.4% |
つまり、転職希望者1人につき4件以上の求人があり、募集する企業側も給料など条件を競合よりも良くして、人材を確保しようとしています。
何が言いたいかというと、今の会社より良い条件で働ける企業を探すには、今が一番良い状況なんです。
今の会社より、年収が上がる会社・休みが多い会社・福利厚生が充実した会社。
そんな良い会社があったら、今の会社で働き続けるのは損ですよね。
例えば下の図のようにAさんとBさん、2人が同じ年収400万円からスタートして、毎年10万円ずつ昇給したとします。
2人とも毎年10万円ずつ年収が増えていきますが、Bさんは5年目に転職して年収100万円アップに成功しました。
その後もお互い毎年10万円ずつ昇給して10年が経つと、なんと2人の合計で稼いだ額に540万円も差がついています!


1年分の年収差がついてる!
手元に残るのは手取り年収なので実際の金額差は少なくなりますが、こんなに差がつくんです。

確かに…「ウチの会社、全然給料増えないわ~やってらんね~」とか言ってる暇があったら、何かしないとって思うね。
もっと年収を上げたい、もっと休日を増やしたい。
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でも、逆に年収が下がったり待遇が悪くなる可能性もあるでしょ?
それなら、今の会社で働き続ければ良い!という判断ができますよね。

転職活動は「後出しジャンケン」です。
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収入アップと時間の余裕によって実現できる嬉しいことは…
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当サイト『ゲンプラ』の運営者:ランメイシ
現場監督と家庭(プライベート)の両立を応援するために、土木工事の施工管理をやっている現役の現場監督(歴16年)が当サイトを運営しています。施工管理業務の悩みに全力でサポートします!ご安全に!
保有資格:1級土木施工管理技士、河川点検士
主な工事経験:河川の築堤・護岸工事、道路工事、橋梁下部工事

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築堤盛土工事の流れ
河川土工の築堤盛土工事は、以下の流れで進めます。
- 【施工前準備(材料)】盛土材料の土質試験
- 【施工前準備(施工)】試験施工(試験盛土とも呼ぶ)
- 【本施工】土砂敷き均し・締固め
- 【品質管理】現場密度試験
- ③【本施工】と④【品質管理】を盛土1,000m3ごとに繰り返し
上記の内容は、標準的な施工の流れです。
本記事の内容は、④【品質管理】現場密度の試験方法が『突砂法』の場合で解説しています。
『RI計器』や『TS・GNSS』による試験方法では、規格値や試験時期・頻度が変わるので注意してください。
【施工前準備(材料)】盛土材料の土質試験
盛土を施工するための材料(土砂)採取地でサンプルを採取し、使用する土砂が築堤盛土材として適しているかを確かめるために土質試験を行います。
土砂が築堤盛土材料として適しているかは、以下の試験により判定します。
- 土の締固め試験
- 土の粒度試験
- 土粒子の密度試験
- 土の含水比試験
ポイントブロックタイトル
購入土の場合、土質試験した土砂と現場に運ばれてくる土砂の土質が違うというトラブルを防ぐ方法
購入土の場合、切り崩した山の土砂だと、切り崩した場所の地層によって土質が変わります。
そのため、販売先業者に予定の土量を伝えて、どの部分の地山の土砂を使用するか確認しておけば、現場に運んできたときに「想定していた土質と違う!」といったトラブルの防止になります。

土砂の販売業者が出す試験成績表と盛土施工に使う土砂の土質が違うことってあるの?

試験成績表の試料採取した土砂は黒っぽい色だったのに、盛土施工のときに搬入されてきた土砂が茶色とかだったら、明らかに土質が違うよね。
土質試験結果で確認しておくことは、材料が『築堤盛土材としての適性』と『含水比』
資料を採取した土砂の土質試験結果が出たら、内容を確認してみましょう。

土質試験の結果が出たんだけど、絶乾密度とか土粒子の密度とか、いろんな数値が書いてあるんだけど、これをどう施工に反映させればいいの?

全部覚える必要はないよ。盛土を施工するために、把握しておくべき項目を説明するね。
土質試験結果から、採取した土砂が築堤盛土材料として適していることを確認したら、施工のために以下の項目を把握しておきましょう。
- 土砂が築堤盛土材として適しているか
- 最適含水比(最大乾燥密度)は何%か、施工含水比は何%~何%の範囲か
【施工前準備(施工)】試験施工(試験盛土)
試験施工(試験盛土)とは、本施工を始める前に行う試験のことです。

試験施工って何のためにやるの?
築堤盛土の品質で重要なことは2つあり、試験施工はこの2つを本施工でクリアするための準備になります。
- 材料が均質に締固められていること
- 洪水および降雨による浸透水に対して安定であること
試験施工では、実際の施工方法で以下の4要素と締固め度との関係を確かめます。
- 締固め機械
- 一層のまき出し厚
- 締固め回数
- 施工中の土の含水比
試験施工を行うときの含水比は、自然含水比か本施工の時期に近い条件で行うのが良い
試験施工を行う際に土砂のは含水比は自然含水比が望ましいとされています。
ただし、実施工のタイミングが含水比の高くなりやすい冬期の場合、自然含水比より高めの状態で試験施工を行った方が、本施工と同等に近い条件になるため施工の確実性が増すというメリットがあります。
試験施工での品質管理は『材料試験』と『現場測定』
試験施工では、材料試験と現場測定を行います。
材料試験
材料の特性と締固め管理の基準値を知るために、土粒子の密度試験、含水量試験、礫のかさ比重および礫の吸水量試験、粒度試験、液性限界・塑性限界試験、締固め試験、コーン貫入試験などを行う。
現場測定
現場における測定項目とその測定頻度は以下の表を目安にしてください。
測定項目 | 測定時 |
現場密度 | まき出し後、転圧中に数回(たとえば締固め回数2、 4、6、8、10回の時)、転圧終了後 |
含水比 | まき出し後と転圧終了後(転圧中に測定する) |
表面沈下量 | 転圧終了後には必ず測定 できれば現場密度と同頻度 |
原位置強度 | 現場密度と同頻度 |

上の表は河川土工マニュアルに書いてある通りだけど、締固め回数が2回・4回・6回・8回・10回と5種類も試験をやるのは大変だから、以下を参考にしてね。
当サイト運営者も、これまで数十回と試験施工を行ってきましたが、レキ質土の場合、締固め回数(転圧回数)は4回・6回・8回の3種類で十分です。
- 2回転圧だと締固め度が90%以上を確保できたとしても、盛土の沈下が収束しないことが多く、工事完了後に沈下の可能性がある
- 10回転圧だと本施工で締固め作業に時間がかかるのと、過転圧になり路肩側に土砂が寄ってしまう可能性がある

レキ質土の場合、締固め機械の規格にもよるけど、4回~6回で締固めによる盛土の沈下も収束しているよ。
試験盛土のイメージ図は、河川土工マニュアルに記されている図を引用します。

盛土工事の試験施工について、もっと詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。
【本施工】土砂敷き均し・締固め
試験施工で決定した『一層の敷き均し厚さ』と『転圧回数』に基づいて、築堤盛土の本施工を行います。
盛土はランマ―しか入らないような狭い所、つまり狭隘(きょうあい)部を除き、一層あたり30cmずつ盛土する必要があります。(土木工事共通仕様書より)
30cmずつ盛土を上げていく理由は、将来の盛土自体の圧縮沈下・不同沈下を防ぐためです。

試験施工の時と『違う機械』、『決定した厚さ以上の敷き均し厚さ』にならないよう注意しよう。
土砂敷き均し(まき出し)作業のポイント
盛土材の敷き均し(まき出し)作業のポイントは以下の通りです。
- 試験施工時と同じ機械を使う(ブルドーザ・バックホウなど)
- 試験施工で決定した『まき出し厚さ』で施工する

土質試験で、最大乾燥密度の90%以上を確保するための『施工含水比』がわかったけど、施工中はどうやって土の含水比を確認すればいいの?
現場で土の含水比を測定する方法として、おすすめは『電子レンジ法』です。
基本的に、土砂は毎日含水比が変化します。
そのため、盛土の施工日毎に盛土材料の含水比を電子レンジを使って測定し、施工含水比内であるかを確認する必要があります。
締固め(転圧)作業のポイント
試験施工で決定した『転圧機種』と『転圧回数』で、敷き均した土砂の締固めを行います。
盛土はランマ―しか入らないような狭い所、つまり狭隘(きょうあい)部を除き、一層あたり30cmずつ盛土する必要があります。
30cmずつ盛土を上げていく理由は、将来の盛土自体の圧縮沈下・不同沈下を防ぐためです。
盛土材の締固め作業のポイントは以下の通りです。
- 盛土全体を均等に締固める
- 盛土施工中は横断勾配に配慮して排水に注意する
盛土全体を均等に締固める
盛土端部や法肩などは締固めが不十分になりがちなので注意しましょう。
端部や法肩付近での転圧が難しい場合、締固め機械に1t級ハンドガイドローラーを使うのが有効です。
盛土の締固めには10t級タイヤローラーや4t級振動ローラーが主に使用されます。
このクラスの締固め機械での作業が難しいと思う部分があったら、ハンドガイドローラーも試験施工を行って転圧回数を決めておきます。
盛土施工中は横断勾配に配慮して排水に注意する
降雨が予測される場合は、盛土表面を平滑にして、雨水の滞水や浸透などが生じないようにします。
締固め機械は、盛土材料の土質・工種・工事規模などの施工条件と締固め機械の特性を考慮して選定しますが、特に土質条件が選定上の重要なポイントです。
締固め機械も機種によって締固め機能が多様で、同一の機種の場合でも規格、性能(大きさ・重量・線圧・タイヤ圧・振動数・起振力・衝撃力・走行性など)によって締固め効果が異なっています。
現場密度試験(締固め度が規格を満たしているか確認)
現場密度の試験方法を『突砂法』または『砂置換法』によって行う場合、品質管理の試験時期・頻度は以下の通りです。
- 築堤は、1,000m3に1回の割合、または堤体延長20mに3回の割合の内、測定頻度の高い方で実施する。
- 1回の試験につき3孔で測定し、3孔の『平均値』で判定を行う。
現場密度試験は1000m3に1回の割合、または堤体延長20mに3回【ただし特記仕様書の内容が優先】

延長20mに3回となると、200mの築堤だったら600回も現場密度試験をやるの!?

「わかってて受注したんでしょ?」って発注者に言われたらそれまでだけど、特記仕様書に『1,000m3に1回の割合で実施』って書いてあると思うよ。
例えば、国交省の工事の特記仕様書には、以下のように盛土の品質管理の試験基準について、『1,000m3に1回』と記載されています。


そうだんだ…ビックリしたよ。
当サイト運営者も、これまで国交省の河川工事を9件経験しましたが、盛土工の現場密度試験の頻度は『1,000m3に1回』と全ての工事の特記仕様書で記載されていました。
特記仕様書 > 土木工事共通仕様書 なので、特記仕様書に現場密度試験の頻度についての記載があれば、特記仕様書に従いましょう。
河川土工は3孔の『平均値』、道路土工は3孔の『最低値』で判定する
河川土工と道路土工で、現場密度試験の結果を判定方法が異なります。
- 河川土工は3孔の『平均値』
- 道路土工は3孔の『最低値』

河川と道路で違うんだね、共通仕様書をよく読んでないと気付かずに管理しちゃいそう。
まとめ
本記事では、築堤盛土における品質管理の要点を解説しました。
河川土工の築堤盛土工事は、以下の流れで進めます。
- 【施工前準備(材料)】盛土材料の土質試験
- 【施工前準備(施工)】試験施工(試験盛土とも呼ぶ)
- 【本施工】土砂敷き均し・締固め
- 【品質管理】現場密度試験
- ③【本施工】と④【品質管理】を盛土1,000m3ごとに繰り返し
上記の内容は、標準的な施工の流れです。
本記事の内容は、④【品質管理】現場密度の試験方法が『突砂法』の場合で解説しています。
『RI計器』や『TS・GNSS』による試験方法では、規格値や試験時期・頻度が変わるので注意してください。
盛土を施工するための材料(土砂)採取地でサンプルを採取し、使用する土砂が築堤盛土材として適しているかを確かめるために土質試験を行います。
土砂が築堤盛土材料として適しているかは、以下の試験により判定します。
- 土の締固め試験
- 土の粒度試験
- 土粒子の密度試験
- 土の含水比試験
試験施工では、実際の施工方法で以下の4要素と締固め度との関係を確かめます。
- 締固め機械
- 一層のまき出し厚
- 締固め回数
- 施工中の土の含水比
盛土材の敷き均し(まき出し)作業のポイントは以下の通りです。
- 試験施工時と同じ機械を使う(ブルドーザ・バックホウなど)
- 試験施工で決定した『まき出し厚さ』で施工する
盛土材の締固め作業のポイントは以下の通りです。
- 盛土全体を均等に締固める
- 盛土施工中は横断勾配に配慮して排水に注意する
現場密度の試験方法を『突砂法』または『砂置換法』によって行う場合、品質管理の試験時期・頻度は以下の通りです。
- 築堤は、1,000m3に1回の割合、または堤体延長20mに3回の割合の内、測定頻度の高い方で実施する。
- 1回の試験につき3孔で測定し、3孔の『平均値』で判定を行う。
河川の土工事で参考にするべきは国土技術センター『河川土工マニュアル』

施工計画は会社の過去工事を参考にしているけど、さらに品質の高い施工をするとしたら、何を参考にしたらいい?
河川の土工事では、国土技術センター『河川土工マニュアル』を参考に施工計画・施工管理をすると、発注者から高評価を受けやすいです。

「河川土工マニュアルに基づいて施工してくださいね」と、発注者から事前に言われることもあるよ。

さっそく河川土工マニュアルを見てみたんだけど、辞典みたいなボリュームで読む気が無くなっちゃったよ…。
河川土工マニュアルを印刷すると、以下のようになります。


河川土工マニュアルは全部で587ページ、両面印刷でも3cm程の厚さ。
そのうち、施工編(第4章)は124ページ、管理編(第5章)は49ページと、内容を絞っても、この量に目を通して施工計画に反映するのは大変です。
本記事では河川土工マニュアルの他、さまざまな書籍と当サイト運営者の経験から、盛土工事を適切に施工するための施工管理についてまとめています。

仕様書以上の品質を確保した施工管理には何をやればいいか、この記事を読めばわかるようになってるよ。
この記事を読んで、もっと深い知識をつけたいと興味を持ったら、河川土工マニュアルや土工に関する書籍を読んでみてくださいね。
ちなみに国土技術センターで配布されている河川土工マニュアルのPDFデータは、文章をコピーすることも可能!
とても便利なので、パソコンなどにPDFデータで保存するのがおすすめです。
例えば以下のようにコピーしたい範囲をドラッグしながら選択して…

Excelなどに貼り付け。手入力せずに済みます。


紙も見やすいけど、国土技術センターで配布されているPDFデータなら「ctrl」+「F」で文字検索もできて便利だよ。
工事に関する参考文献を紙よりもデータ(PDF)で管理したほうが良い理由については以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
土工事の施工管理を勉強する、仕事を手抜きしない「あなた」にこそ知って欲しい現場監督という職業の闇
あなたは、もしある日突然今の会社に居られなくなったとか、家庭環境が変わって今の現場監督の仕事を辞めないといけない状況になったらどうしますか?

今の会社でやっていけてるからそんなこと考えないよ。

今、問題が無いという状況なら、そう考えて当然ですよね。

まぁ現場でトラブルが起きたり、検査前の残業とか立場上の責任の重さで、大変なことも事実だけどね。
現場監督って施工管理の業務が多くて、定時を過ぎてから事務所で書類仕事を始めたり、現場の段取りや原価管理など、考えること・悩むことが多くて大変ですよね。

僕も経験年数で15年以上、土木の現場監督をやっています。施工管理は定時で帰ることはできないし、書類作成や工事関係者との対応と、やることが多いですよね。
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でも「年収100万円アップ」と「時間の余裕」は、公共工事で表彰の経験も無い、建設会社にいる平凡な現場監督の僕が実現できたことなんですよ。
以下の記事では、土木工事の現場監督が現場での事故をきっかけに最悪な人生にまで転落した経緯。
それから2年で年収100万円アップ&時間の余裕まで手に入れた経緯を詳しく書きました。
ぜひ参考にしてくださいね!

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