【バックホウで敷鉄板がズレた】建設工事現場でのヒヤリハット事例から見る安全対策【体験談/イラスト/PDF】
建設現場には『危険』がたくさん潜んでいます。
事故を起こしたくて起こす人はいませんし、事故を起こさないために安全管理を頑張っていますよね。
それでも、工事現場ごとに現場条件が違う建設工事では、『想定外の出来事だった』とか『こんなことが事故になるなんて』という状況が起きるのも事実。
本記事では、僕が現場監督をやっていて実際に体験した、ヒヤッとした経験やハッとした経験。
ヒヤリハット事例を紹介します。
本記事のような体験があなた自身に、あなたの現場で起きないよう、ぜひ参考にしてね!
この記事を読むと、以下のことがわかります。
- 建設現場でのヒヤリハット事例と対策
- 重機が起因による、敷鉄板に接触事故の可能性
- 丁張材を運んでいる途中、段差に躓きそうになった
- 単管パイプの片付け中、周囲の人に当たりそうになった
- ダンプ荷台上で写真を撮ろうとして、転落しそうになった
- 梯子を登っている途中、ズレて転落しそうになった
- 敷鉄板の上を歩行中、滑って転びそうになった
- 墜落・転落災害防止に役立つサイトまとめ
- 玉掛フックが資材に引っかかり、荷崩れした
- バックホウが移動したときに、敷鉄板がズレた
- 積み重ねたバタ角の上に乗ったとき、転倒しそうになった
- 足場上で張り出した単管パイプで顔を打ちそうになった
- ブラケット足場の結束忘れにより、転落しそうになった
- ヒヤリハットを建設現場の労働災害防止への活かし方と問題点の解決法
当サイト『ゲンプラ』の運営者:ランメイシ
現場監督と家庭(プライベート)の両立を応援するために、土木工事の施工管理をやっている現役の現場監督(歴16年)が当サイトを運営。施工管理業務の悩みに全力でサポートします!ご安全に!
保有資格:1級土木施工管理技士、河川点検士
主な工事経験:河川の築堤・護岸工事、道路工事、橋梁下部工事
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主な工事経験:河川の築堤・護岸工事、道路工事、橋梁下部工事
バックホウが敷鉄板の上で移動した時に、敷鉄板がズレて足に当たりそうになった
クレーン仕様バックホウで、工事用道路設置のために鉄板を敷設していた時の出来事です。
事前に地盤を平坦に均しておいたおかげで、スムーズに5×20(ごにじゅう)の鉄板を敷く作業が進んでいました。
もう少しで鉄板を敷く作業が終わりというところ。
バックホウが移動しようと鉄板の上で動いた瞬間でした。
バックホウのキャタピラ(履帯)と一緒に、鉄板も滑るようにズレてきたんです。
鉄板が移動した方向に僕がいたのですが、あまり近寄りすぎていると、鉄板が足に当たる所でした…。
敷鉄板がズレて足に当たりそうになったことの原因
- 重機のキャタピラが、ズレやすい敷鉄板の端部で移動した
- 敷鉄板の固定をしていなかった
重機が移動した時に敷鉄板がズレることって、実際に現場で見たことはありませんか?
5×20(ごにじゅう)の敷鉄板の重量は1.6トンですが、重機なら簡単に動かしてしまいます。
敷鉄板を固定しなかったことも原因とはいえ、リース品の敷鉄板だと溶接は避けたいところ。
敷鉄板の固定金具も様々なメーカーからな用意されていますが、僕の経験では固定金具の取付が難しいということも。
ところで、なんで鉄板を『ごにじゅう』って呼んでるの?
鉄板の寸法によって、呼び方が変わるけど、『ごにじゅう』とは単位を『尺』で表した呼び方だよ。
1.524m×3.048mの鉄板を『ごっとー』
1.524m×6.096mの鉄板を『ごにじゅう』
と現場では呼んでるね。
1尺 = 303.030303mm
1.524m×3.048mの鉄板を『ごっとー』と呼ぶ(5尺×10尺)
1.524m×6.096mの鉄板を『ごにじゅう』と呼ぶ(5尺×20尺)
長さの単位メートルが主流だけど、尺単位も一般的に使われているよ。僕は尺単位を普段使わないので、型枠大工さんが使う尺目盛のスケール(コンベックス)を見ると、頭が混乱する…。
尺目盛・ミリ目盛の両方が印字されているスケール
- 上:尺目盛
- 下:ミリ目盛
重機が起因で敷鉄板が人に接触しないための対策
対策としては、以下のような方法があげられます。
- 重機の作業区域は立入禁止にする
- 隣り合う敷鉄板は溶接して固定する
- 固定金具により敷鉄板を固定する
対策としては、まず重機の作業区域・作業半径内を立入禁止にすること。
重機に近づかないことが1番ですね。
敷鉄板には溶接や金具により固定することも上げられますが、リース品なので溶接できない場合もあるでしょう。
敷鉄板の上に砂利があると、車が通ったときにタイヤで砂利が飛ぶ「飛び石」があって危ないね。
飛び石も目に当たれば失明の危険があるから、時間を決めて掃除する時間を確保しておきたいね!
同じ状況で事故になった事例
国交省ので現場でも、重機移動時に敷鉄板がズレたことが原因で、作業員が掘削した穴の中に転落するという事故が起きています。
重機移動時の敷鉄板のズレによる被災により、休業4日以上の負傷事故。
(出典:国土交通省:安全啓発リーフレット)
敷鉄板がズレて被災者に当たる→はずみで転落のコンボ…。
被災した人は、こんな事目にあうなんて思ってもいなかっただろうね。生きてて良かった…。
【ハインリッヒの法則】ヒヤリハットが起きた=運よく事故にならなかっただけ!
「ハインリッヒの法則」をご存知ですか?
ハインリッヒの法則とは、「1件の重大事故の裏には29件の軽微な事故と300件の怪我に至らない事故がある」というものです。
ハインリッヒの法則は労働災害における怪我の程度を分類し、その比率を表しています。
その数字から「1:29:300の法則」と呼ばれることもあります。
つまり、ヒヤリハットが起きたということは、その時は運よく事故にならなかっただけ。
後で同じヒヤリハットが起きたら、その時は重大事故になるかもしれません。
現場で事故が起きたら、本当に最悪です。
- 「事故速報」を発注者に20分以内など、直ちに提出する
- 原因など、安全管理に問題が無かったか、追及される
- ケガ人が出れば、現場で働く人以外に、ケガ人の家族も悲しむことになる
- 事故報告書を作成し、発注者に提出する
- 事故の内容や発生状況の写真や図を作成
- 事故原因と再発防止対策を現場または社内で検討して作成
- 施工計画書から、事故に関係する施工内容を添付
- 事故に関係する業者の契約書、施工体制台帳の写しを添付
- 事故当日の安全巡視日報の写しを添付
- 事故発生日の危険予知(KY)活動日報の写しを添付
- 事故発生日の作業日報の写しを添付
- 事故に関係する作業手順書の写しを添付
- 災害防止協議会の議事録写しを添付
- 安全教育・訓練の実施内容写しを添付
日頃から安全管理を徹底して、現場も書類も不備が無ければ、事故のリスクは少なくできるでしょう。
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